TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
京都は三方を山に囲まれた盆地であり、とにかく蒸し暑い。今月は、そんな京都の夏の暑さをしばし忘れさせてくれるスポットやメニューを紹介。第3弾は韓国食堂「ははは」の夏限定の冷たい麺、コングッスをご案内します。
河原町「ははは」
京都で韓国料理店を6店舗展開する「ピニョ食堂」。店ごとに違ったスタイルで韓国の食文化を発信し、「ははは」は、現地の”呑める食堂”を再現。「韓国では昼呑み文化が定着していて、食堂でも昼からビールやチャミスルを楽しんでいる光景をよく目にします」と、オーナーの全敞一さん。メニューには定食もあれば、お酒の供になるパンチャン(惣菜)やアンジュ(肴)がそろっている。
定食の中で今の時期にオススメなのが、夏限定のコングッス。キーンと冷えた冷麦をすりつぶした大豆といりこだしを合わせたスープでいただく韓国の夏の定番。こっくりとろとろのスープは大豆のそのもの。濃厚ながらあっさりしていて、食欲のない時にもスルスルいけるおいしさだ。
現地ではスープなどが出される時、自分で塩を加え、好みの味に味付けすることが多いが、コングッスも現地式にセルフで味付けを。テーブルに置いてある塩やテンジャン(自家製味噌)で味付け、定食についてくる大根の間引き菜のキムチや海苔の和え物、大根の炒め物を途中で加えると味変も。
料理は、辛い、赤い、チーズたっぷりな今どきな韓国グルメとは一線を画する滋味深いものばかり。一品料理は小皿で提供され、ちょこちょこといろいろな料理を楽しむことができ、女性一人利用も多いそう。
古民家風情を残してリノベーションされた店舗も素敵。和紙職人ハタノワタルによる看板やヴィンテージランプを取り扱う京都「ARUSE」の照明、日用品や作家ものを扱う京都「kit」にオーダーした壷田和宏さんの別注土鍋や小皿など、素朴に見えてこだわりが詰まっている。
旅行者にもありがたい通し営業で、しっかり食事も昼飲みも自由度高く楽しめ、覚えておきたい一軒だ。
「ははは」
住所:京都市恵美須之町516-1
営業時間:11:30~21:30(21:00L.O.)
定休日:木曜、第3水曜
TEL. 075-204-2202
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