TEXT&PHOTOGRAPHS BY JUNKO AMANO
8月の京都は蒸し暑さが最高潮。隣の県なのに大阪から来た人たちに「京都、(大阪より)暑くない?」と、必ずと言っていいほど驚かれます。今回は、そんな暑さをしばし忘れさせてくれる甘味処をご紹介。
烏丸「大極殿本舗 六角店」
「大極殿本舗 六角店」は、明治18年に『山城屋』という屋号で創業。明治28年には二代目が長崎でカステラ製造の技術を習得し、京都でいち早くカステラ製造を開始した和菓子店だ。
二代目に続き、三代目もハイカラ好きだったそうで、夏にぴったりな涼やかな「レースかん」も昭和初期に誕生したものだそう。まだレモンが珍しかった時代、レモンを錦玉羹に取り入れるなんて発想が大胆。レモンの輪切りをレース模様に見立て名付けられた銘も素敵すぎる。
店内には甘味処 栖園が併設されていて、夏に登場するかき氷も毎年、お楽しみ。定番の宇治や黒蜜のほか、レモンみぞれやミルクミント、梅酒みぞれなど、こちらもハイカラなラインアップに。赤紫蘇みぞれは、初夏、京都の里山・大原で採れた赤紫蘇をシロップに。天然のルビー色も美しく、さっぱりした味わいで暑い時期にぴったりだ。
2002年、甘味処を作る際に考案されたという「琥珀流し」もおすすめ。糸寒天を使い、固まるか固まらないかのギリギリの水分量で作られた寒天は、柔らかく、ほろりと崩れる食感がたまらない。8月はひやしあめ、9月はぶどう、10月は栗、と、月ごとに味わいが変わり、いつか制覇したい。
大極殿本舗 六角店
住所:京都市中京区六角通高倉東入ル
営業時間:9:30~18:00(甘味処 栖園は10:00~17:00)
定休日:水曜
TEL. 075-221-3311
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