RECIPE BY YOKO ARIMOTO, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA, TEXT BY MIKA KITAMURA

メープルシロップを隠し味に。豚肉とメープルシロップの相性の良さは格別!
驚くほど簡単に、香ばしくやわらかな生姜焼きが完成!
大人気のおかず、豚肉の生姜焼き。巷には十人十色の自慢のレシピがあるようだが、有元さんの作り方は驚くほどシンプル。たれに肉を漬け込んだり、事前に調味料を合わせたりする手間なしに、肉が香ばしくやわらかく仕上がる。
「薄切り肉よりも厚めの肉を選びます。脂がバランスよく入っている、やわらかくて歯切れのよい肩ロース、もしくはロースがよいでしょう。生姜焼き用として売られているものでいいですよ」。
肉の片面だけに片栗粉を振り、その面を内側にして半分に折るのがポイント。片栗粉が付いていない外側をこんがり焼くことで、カリッとした食感と香ばしさが生まれる。また、半分に折ることで片栗粉がはがれず、溶け出した片栗粉でとろみがついて、最後に入れる調味料がしっかり馴染む。
こんがり焼いたら、おろし生姜をたっぷりのせ、調味料を入れて肉にからませる。「おろし生姜はお好みですが、私はたっぷりのせます。ときには、おろしにんにくもプラスして」。甘味と醤油は好みで増減するとよい。「少し甘みのあるほうが美味しいので、メープルシロップを隠し味に使っています。砂糖を使う場合は、甘みが強いのでメープルシロップの1/3〜半量に減らしましょう」
肉を焼く場合、かたくなってしまうからと、どうしても焦って調理しがちだが、有元レシピは慌てずゆっくり。「まず肉に火を入れてしまえば、一旦火を止めてしまっていいんです。余分な脂を取り除き、おろし生姜をのせて酒を入れたら、再度火にかけて一気に仕上げます」。焦らずゆったり料理できることも、美味しく仕上げるコツかもしれない。

<材料>
豚肉(生姜焼き用) 200g
おろし生姜 大1片分
片栗粉 適量
酒 大さじ2〜3
メープルシロップ 大さじ2〜3
醤油 大さじ2強
太白ごま油 適量
キャベツのせん切り 適量
<作り方>

1 豚肉を広げ、片面に片栗粉を茶漉しなどで振り、片栗粉を振った面を内側にして半分に折る。

2 フライパンを熱し、太白ごま油をたっぷり入れる。1を折ったまま入れ、両面をこんがりするまで、強めの中火でしっかり焼く。いったん火を止め、余分な脂を少しだけ残し、キッチンペーパーに吸い取る。

3 肉の上におろし生姜をのせる。

4 酒を加え、再び中火にかける。アルコール分が飛んだら、メープルシロップ、醤油を加え、ジュッと煮立たせる。

5 肉をひっくり返し、生姜と調味料を肉に馴染ませて火を止める。器にせん切りキャベツと共に盛る。

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
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