RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA

誰もが好きなチョコレート味。リッチな味わいはコーヒーに、食後酒にぴったり
日本ではバターたっぷりのクッキーをサブレということが多いが、フランスではクッキー全般をサブレと呼ぶ。シンプルなサブレをvol.14で紹介したが、今回はカカオ風味のサブレを作ってもらった。
「粉と砂糖、バターで作るシンプルなサブレに、ココアパウダーや抹茶、市販の紅茶や煎茶などのパウダーを加えれば、好みの味に仕上げられます。ただ、パウダー類を加えるので薄力粉などの分量を調整すした方がおいしく仕上がります。私の材料表をご紹介しましょう(下記)。作り方は同じなのでご参考にされてくださいね」。
前回ご紹介したシンプルなサブレは生地を棒状にまとめて、冷蔵庫で冷やしてから切り分ける作り方だったが、今回は生地をめん棒で伸ばしてから好みの型で抜く方法を習う。生地の厚さを均一に仕上げるため、角材を用意して伸ばすプロのテクニック、取り入れてみて。角材がなくても、割り箸や同じ厚みのものを二つ用意すれば大丈夫。バニラ色とチョコレート色のサブレを2種類焼いて、ティータイムの楽しみに。年末のギフトにも。

■材料
薄力粉 140g
無塩バター 100g
グラニュー糖 50g
ココアパウダー 15g
卵黄 10g
塩 1g
■下準備

・薄力粉とココアパウダーを混ぜ合わせ、ふるう。
・バターは室温に戻す。
・卵は卵黄と卵白に分ける。

・厚みを調整するための角棒を用意しても。長江さんは各種の厚さの角棒を、お店で好みの長さにカットしてもらっているそう。クッキー作りのマストアイテムだとか。
■作り方
※1〜3は、Vol.14「サブレ・ディアマン」編を参照
1 バターをヘラで練ってやわらかくする。
2 塩と砂糖を加えて白っぽくなるまで混ぜる。ここでは練らない。
3 卵黄を溶いて加え、全体を混ぜ合わせる。

4 ふるった薄力粉とカカオパウダーを一気に加え、ヘラで粉気が少なくなるまで混ぜる。

5 手で生地を押しながらまとめていく。均一に混ざればよいので、ざっくりでよい。混ざったら手で2cmほどの厚さにまとめる。四角くまとめておくと今後の作業がスムーズに。ラップに包み、冷蔵庫で約1時間休ませる。

6 オーブンを150℃に予熱する。5の生地を冷蔵庫から取り出し、ベーキンググシートの上にのせる。

7 6の上にベーキングシートをのせ、麺棒で約7mm厚さに伸ばす。

8 あれば7mm厚さの角棒を生地の両側に置き、写真のように伸ばしていけば、均一な厚さに仕上がる。上下のベーキングシートに挟んだままラップをし、30分から1時間ほど、冷蔵庫で休ませる。

9 好みの型で抜き、ベーキングシートに乗せ、天板にそのまま乗せ、150℃のオーブンで15分焼く。余った生地はまとめてから同様に伸ばし、30分から1時間ほど、冷蔵庫で休ませてから型で抜く。

10 焼き上がったら、ベーキングシートごと網にのせ、粗熱をとる。
【バリエーション】

材料を少し変え、サブレ・カカオの作り方と同様に作る。さまざまなフレーバーが楽しめる
PHOTOGRAPH BY T JAPAN
■アールグレイ風味の材料(約30個分)
薄力粉 150g
無塩バター 100g
グラニュー糖 40g
アールグレーパウダー 10g
卵黄 10g
塩 1g
■煎茶風味の材料(約30個分)
薄力粉 150g
無塩バター 100g
グラニュー糖 50g
煎茶パウダー 15g
卵黄 10g
長江桂子(ながえ・けいこ)
学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける
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