RECEPI BY TOMOKO NAGAO, PHOTOGRAPHS BY TAKAKO HIROSE, TEXT BY MIKA KITAMURA

トマトから出る水分をクリアなスープに
トマト丸ごとのスープ。水は一滴も入っていません。でも、写真を見ればおわかりのように透明な液体がたっぷり。これはトマトの水分です。香味野菜やソーセージと一緒にオーブンで焼けば、トマトからじんわり水分が出てきて、具だくさんのクリアなスープが完成する。
「オーブンで焼くと、トマトは形が残り、スープは濁りません。シンプルで風味がよく、トマトそのものを食べている感じです。ちなみに、鍋で煮ればトマトソースのようなスープになります」と長尾智子さん。
これはトマトの94〜95%が水分だからできるワザ。しかし、トマトにはβ-カロテン、ビタミンC、B1、B2、食物繊維がしっかり含まれている。さらに、トマトに多く含まれるリコピンは、カロテノイド(赤色の色素成分)の一種。強い抗酸化力があり、生活習慣病の予防や美肌効果が期待される。
「今回は大中小のトマトを焼きましたが、旬の大きいトマトを切り分けただけでもOK。とはいえ、酸味の強い大きなトマトと甘みのあるミニトマトを組み合わせれば味に奥行きが出るのでおすすめです」。
スープをオーブンで作るメリットは、焼き上がりを気にしなくていいこと。「トマトは煮崩れるくらいがおいしいので、放っておきましょう」。
西洋のことわざに「トマトが赤くなれば医者が青くなる」と言われるほどの健康効果がある。オーブンで焼くだけのトマトスープ、たっぷり食べよう。
<材料4〜6人分>
トマト 中サイズ、ミディトマト、ミニトマト合わせて約800g
セロリ 1本/筋を取り、斜め薄切り。葉はざく切り
玉ねぎ 小1個/皮をむき、繊維に沿って薄切り
パセリ 2本/葉を摘んで粗みじん切り
タイム 3〜4本/茎ごと粗みじん切り
粗挽きソーセージ 大きめ1本/1人
レモン 1/4個
オリーブオイル 大さじ2
塩 少々
赤唐辛子粉 少々
バゲット 適量

トマトは大中小を揃えて。ミニトマトの甘みがスープの味を立体的に。

オーブンを180℃に予熱する。ミニトマトはへたを取り、深めの耐熱容器に入れる。金串などで刺し、穴を1カ所空ける。ミディトマトはへたを取って2等分。トマト(中)はヘタを取って4等分し、ミニトマトの上にのせ、塩を軽く振る。

玉ねぎとセロリをのせる。

塩を振り、オリーブオイル半量を回しかけ、全体をざっと混ぜる。ソーセージを埋め込んで、残りのオリーブオイルをかける。

オーブンに入れて45分間焼く。30分後に一旦取り出し、全体をざっと混ぜてタイムとパセリを散らす。さらに焼き、トマトが煮崩れて水分が出たら出来上がり。好みでレモンを絞っても。
アレンジ自在。トマトを食べ尽くそう
スープが出来上がるころを見計らい、バゲットを厚めに切り、オリーブオイルを塗る。スープが出来上がったら、バゲットをすぐにオーブンで焼く。トースターでもよいが、オーブンがしっかり温まっているので、すぐに焼き上がる(5〜10分)。
「オーブンはもっと活用してほしい道具です。ほったらかしにしておいてもスープができます」と長尾さん。「焼きトマトスープは、基本量で作っておくのがおすすめです。残りを冷蔵保存しておけば、パスタソースにしたり、鶏肉や豚肉のソテーにソースとして添えたり、肉類と軽く煮込んでもおいしいですよ。焼き上がる10分ほど前にあさりとオリーブ、バジルなどのハーブをのせれば南欧風に、カレー粉で味付けすれば爽やかさのあるトマトカレーに。出盛りのおいしいトマトを最大限に生かして使いましょう!」

スープが出来上がる頃に、バゲットを厚めに切りトーストする。軽くオリーブオイルを塗って赤唐辛子粉を少しずつふりかける。

ソーセージも香味野菜も入っているので、パンを添えるだけで豊かな一食に。

長尾智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌の執筆、食品や器の企画やディレクションほか、食にまつわる提案を手がける。『料理の時間』(朝日新聞出版)、『ティーとアペロ お茶の時間とお酒の時間 140のレシピ』(柴田書店)ほか、著書多数。自らの目で選ぶオンラインストアSOUP(https://soup-s.shop/) も好評。
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