BY REIKO KUBO
「日本映画はなぜ歴史や政治を描かないのか」と、世界の映画祭で日本人監督は海外ジャーナリストから問われるという。そこに果敢に斬り込んだのが、藤井道人監督が東京新聞記者・望月衣塑子(いそこ)の著書を原案にした映画『新聞記者』だ。政府がひた隠す権力の闇を追う女性記者(韓国の演技派シム・ウンギョン)は、内閣情報調査室のエリート官僚(松坂桃李)に接触する。
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(’17年)や『スポットライト 世紀のスクープ』(’15年)など、真のジャーナリズムを問うたヒット作が過去を描いたのに対し、本作では森友・加計問題や伊藤詩織さん事件が挟み込まれてリアル感満載! 良心の呵責に苦しむ官僚の視点にも寄り添った人間ドラマは、最後まで目が離せないスリリングな政治エンターテインメントとして結実している。
『新聞記者』
6月28日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開
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