せきね きょうこ 連載
新・東京ホテル物語<Vol.61>
「メズム東京」

New Tokyo Hotel Story “MESM TOKYO, AUTOGRAPH COLLECTION”
ホテルジャーナリスト、せきね きょうこが独自の視点でおすすめの東京ホテルを案内。連載第61回目は、注目の竹芝エリアに誕生した「メズム東京、オートグラフ コレクション」

BY KYOKO SEKINE

「唯一無二の体験をしてほしい」と、“TOKYO WAVES”をコンセプトに掲げ、2020年4月、新しいスタイルのホテルが東京にオープンした。ラグジュアリーなブティックホテル「メズム東京、オートグラフコレクション」は、エネルギー溢れる若い総支配人を筆頭に、個性豊かなタレント(スタッフ)を揃えてフレッシュに、パワフルに、これまでとは違う、“新しさ”で迎え入れてくれた。

 JR東日本グル-プが放った初のインターナショナル高級ブランドは、マリオット・インターナショナルが展開する独立系ホテルのコレクションである「オートグラフ コレクション ホテル」に加盟し、伝統と革新性が融合した、進化を続ける東京という都会の“今”を捉えたサービスやコンテンツを展開する。

画像: 16階にあるロビーラウンジ。フレグランスプロデューサー石坂将氏によるオリジナルの香り「tokyo CITRON(トーキョーシトロン)」が漂う。高い天井、大きなガラス窓、都会の夜を独り占めするような夜景が広がる

16階にあるロビーラウンジ。フレグランスプロデューサー石坂将氏によるオリジナルの香り「tokyo CITRON(トーキョーシトロン)」が漂う。高い天井、大きなガラス窓、都会の夜を独り占めするような夜景が広がる

 そのコンセプトに最適なエリアとして選ばれたのが、ビジネスや観光の拠点として再開発進行中の「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」である。都会にありながらリゾートの趣を楽しめるホテルだけに、周囲の環境も大きな魅力となっている。ここ竹芝のウォーターフロントは、東京の歴史を留める美しい日本庭園「浜離宮恩賜庭園」に臨む立地にあり、まるでホテルの庭のようにこの庭園の全貌が眼下に見渡せる。また東京湾に続く隅田川の情景には、実に都会的なウォーターフロントの雰囲気が感じられる。コンセプトの“TOKYO WAVES”には、そんな東京の躍動感を、ロケーションからも、館内のデザインからも感じて欲しいという願いが込められている。

画像: 「チャプター4 スイートリュクス」<180㎡、バルコニー60㎡> 26階にあるバルコニー付きのスイートルーム。広いバルコニーはまるで自宅のような寛ぎ感がある

「チャプター4 スイートリュクス」<180㎡、バルコニー60㎡>
26階にあるバルコニー付きのスイートルーム。広いバルコニーはまるで自宅のような寛ぎ感がある

 ホテルは26階建てビルの12フロア(16階から26階)を使い、客室数は全265室。客室の広さは40㎡からとゆったりとしたスペースがあり、なかでも斬新なのは、全室にデジタルピアノが置かれていることだ。ピアノを演奏することができるゲストならば、実際に弾くのも、弾き語るのも自由だ。

画像: 「チャプター3 スイート」<95㎡> ベッドにいながら都会との一体感を感じられる客室

「チャプター3 スイート」<95㎡>
ベッドにいながら都会との一体感を感じられる客室

画像: ガーデンビューからの景色。緑の公園は「浜離宮恩賜庭園」、ウォーターフロントの情景と共に、目に心地よい風景が楽しめる

ガーデンビューからの景色。緑の公園は「浜離宮恩賜庭園」、ウォーターフロントの情景と共に、目に心地よい風景が楽しめる

 さまざまな新しさを意識したホテル造りは、サービス、ユニフォーム、BGM、料理、挨拶の仕方まで多方面にわたり、独自の個性を発揮している。それぞれを紐解いてみよう。まずはクルー(サービススタッフをそう呼ぶ)の外見から個性派だ。総支配人は「髪型もユニフォームも靴も、トータルにモードスタイルに」とこだわっている。ソフトな生地で仕立てられた黒いユニフォームは、ヨウジヤマモト社が手掛けるジェンダーレスなブランド「Y’s BANG ON!」によるオリジナルデザインを採用した。そして総支配人の髪形は、オールバックか、リーゼントかポンパドールか。どの呼び方が正しいのかわからないが、日本のホテルマンにはなかなか珍しいスタイルである。

画像: “TOKYO WAVES”のこだわりはユニフォームにも。ヨウジヤマモトの「Y’s BANG ON!」はユニセックスで、黒のルーズなシルエットが特徴。クルーは髪型やメイク、靴まで気を遣う

“TOKYO WAVES”のこだわりはユニフォームにも。ヨウジヤマモトの「Y’s BANG ON!」はユニセックスで、黒のルーズなシルエットが特徴。クルーは髪型やメイク、靴まで気を遣う

 さらに、すべてのクルーが接するゲストへの挨拶の仕方がユニークである。ただお辞儀をするのではなく、全員がユニフォームの胸に片手を充てて、“心から”を意味するフォームで一礼をする。ゲストへの細やかなサービスを提供する部署は「スターサービス」と命名され、飲食や宿泊などという部門ごとの壁を取り去り、すべてのクルーがエントランスでの出迎え、チェックインや客室への案内など、セクションを超えて柔軟にゲストをもてなしている。

画像: レストラン「Chef's Theatre(シェフズ・シアター)」のランチプログラム(コース)のイメージ。江戸前の粋と洗練された味、気取りのないサービスも好感度が高い

レストラン「Chef's Theatre(シェフズ・シアター)」のランチプログラム(コース)のイメージ。江戸前の粋と洗練された味、気取りのないサービスも好感度が高い

画像: 季節感あふれる華やかなアミューズブッシュ PHOTOGRAPHS:COURTESY OF MESM TOKYO, AUTOGRAPH COLLECTION

季節感あふれる華やかなアミューズブッシュ
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF MESM TOKYO, AUTOGRAPH COLLECTION

 料理は「シェフズ・シアター」という名のレストランで提供される。伝統的フランス料理の技法を取り入れつつ、カジュアルなビストロを想わせる雰囲気のレストランだ。料理もまたオリジナリティに溢れ、上質な食材を使った洗練された「フレンチ・ビストロノミー」が賞味できる。キュリナリーマイスター(料理長)の隈元香己氏は、フランス料理界の権威あるコンクール「第64回プロスペール・モンタニエ国際料理コンクール」において、日本人として2人目、日本在住の日本人としては初優勝を勝ち取った凄腕である。ダイナミックでありながら優しさを感じるプレゼンテーションで、一皿ごとに料理長の温かな人柄が伝わってくる。全体を通して、斬新さだけには留まらない、ブレのない確かなホテルサービスが滞在中の安心感に繫がっている。

メズム東京、オートグラフ コレクション(MESM TOKYO, AUTOGRAPH COLLECTION)
住所:東京都港区海岸1-10-30
電話:03(5777)1111
客室数:全265室
料金:¥71,346~(1泊1室の室料。サービス料・消費税込)
公式サイト

せきね きょうこ
ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、ホテルの表裏一体の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている
www.kyokosekine.com

 

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