「私の夢はただひとつ、チリワインが高品質であることを世界に認められることでした。今、こうして私たちの『セーニャ』を皆様に楽しんでいただけるようになって、本当に幸せです」。そう言って、「ヴィーニャ・セーニャ」の当主エデュアルド・チャドウィックは満面の笑みを浮かべた。


「セーニャ」は、ワインファンの間で“チリのオーパス・ワン”と評される最高級ワインだ。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドースタイルに、南米ならではの品種であるカルメネールをブレンドし、“チリらしさ”を表現している。芳醇な果実味と繊細な酸味の奥にはアンデスの高地を思わせる涼やかなニュアンスが隠れ、一度飲んだ人には忘れられない余韻を残す。



エデュアルド・チャドウィック

チリの老舗ワイナリー「ヴィーニャ・エラスリス」を所有する家に生まれ、

1983年、大学を卒業後にワイナリーに参加。

ボルドーに留学後、ロバート・モンダヴィとの出会いを機に、

モンダヴィ家とのジョイント・ヴェンチャー「ウィーニャ・セーニャ」を設立。

2005年からは全経営権を取得するとともにバイオダイナミック農法に転換。

チリを愛し、チリワイン発展のために奔走する日々を送る



『セーニャ』が世界の表舞台に躍り出る契機となったのは、2004年の「ベルリン・テイスティング」だった。主催したのはチャドウィック本人である。

「当時、ワインの世界において、チリワインはさほど高い評価を得ていませんでした。ヨーロッパの著名な評論家やソムリエたちが、テイスティングのためにわざわざ南米まで足を運んでくれることもなかった。ならば、『思い切ってヨーロッパで試飲してもらおう』と考えたのです。でも、実力を知ってもらうには、単なるテイスティングでは彼らの印象に残らない。有名シャトーと肩を並べて競わせなくては。そうして決断したのが、ブラインド・テイスティングだったのです」。


 結果、「セーニャ2001」は、このテイスティングで堂々の2位となった。ちなみに、1位も彼が所有するワイナリー「ヴィーニャ・エラスリス」の「ヴィニエ・ド・チャドウィック2000」だった。

「これには本当に驚きました。当初は、せめて5位くらいに入ってくれればと思っていましたから。心の中で『やった!』と叫びましたよ(笑)」