マリオット・インターナショナルの創業は1927年。ルートビアスタンドとしてのスタートだった。その30年後、マリオットは初めてホテルの看板を掲げた。歴史ある世界的なブランドホテルというと、どこかかしこまった最高級ホテルを想像するが、ここ「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」は、カジュアルなもてなしとくつろぎを前面に謳い、世界中のゲストから厚い支持を得ている。都会の雑踏の中で1日を終え、ホテルに戻ると、自宅に帰ったような安堵感に肩の力がス~ッと抜ける――。これが、「コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション」の描く理想の空間だ。



京橋地区、中央通りに面して建つスタイリッシュなホテル外観



 ロケーションはJR東京駅から徒歩でわずか5、6分の距離にある好立地。銀座にも徒歩圏内。また、銀座・京橋・日本橋界隈という、江戸商業文化の中心をなした歴史ある一角に位置するため、周辺には老舗店や一流店が点在する東京らしい地区でもある。こうした好条件も重なり、この“暮らすように滞在する”ホテルは、世界中のビジネストラベラーや観光客、さらにはクリエイターからも、東京での宿泊先として選ばれている。



自宅に戻り、部屋へと向かうようなエレベーターホール



 客室数は150室。それほど広くないが、居心地がいい。客室は4つのコンセプトルームに大別され、エディター、フォトグラファー、キュレーター、そしてクリエイターという職業の人々をそれぞれイメージして現代的にデザインされている。シンプルモダンな意匠は、確かに都会のアパルトマンのような雰囲気だ。



「フォトグラファーズ コーナー ツイン」

フォトグラファーをイメージしてデザインされた客室



 このホテルのもうひとつの特徴は、ロビー階に造られた32席の宿泊者専用ライブラリー&バーであろう。レセプションデスクの前に造られたオープンスペースながら、見えない壁でもあるかのようにプライベートな空気に包まれている。「レジデンシャル・マンションの共有ラウンジ」をイメージしたというこのスペースは、自宅のリビングのように利用して欲しい、とホテルサイド。憩いの場として、またワーキングスペースや書斎としても自由に使え、不思議なほどゆったりとしたくつろぎのスペースとしてゲストに愛されている。



チェックインカンターの前にある「ライブラリー&バー」



 開業は2014年4月。すでに開業後3年あまりが過ぎ、確実にリピーターゲストを増やしている。外国人利用率は、ときに8割を超える高水準だ。滞在した翌朝、メインダイニング「Dining & Bar LAVAROCK」で朝食ブッフェを楽しんだ。店内には軽やかな洋楽が流れ、英会話があちこちから聞こえる周囲を見渡すと、パリのリヨン駅構内のカフェが浮かんできた。聞けばこのレストランは、ヨーロッパの鉄道駅のたたずまいがモチーフらしい。



井高6m、開放的な空間のメインレストラン。

LAVAROCK(溶岩石)でグリルする料理は素材の旨味を最大限に引き立てる



人気のメニュー、ボリュームたっぷりの「TEXMEXコンボ」



朝のレストランはとにかく大忙しだが、ゲストのおしゃべりの合間を縫うように、スタッフのきびきびとした笑顔のサービスが届けられている。こうして「LAVAROCK」での朝食ブッフェから、多くの人が気持ちのいい都会の1日をスタートさせるのだ。

 



コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション

(COURTYARD BY MARRIOTT TOKYO STATION)


住所:東京都中央区京橋2-1-3

予約電話:03(3516)9600

客室:全150室

料金:¥22,000~

(1泊1の料金。消費税・サービス料別) 

 ※日によって料金が異なるため、要問合わせ

公式サイト




せきね きょうこ

ホテルジャーナリスト。フランスで19世紀教会建築美術史を専攻した後、スイスの山岳リゾート地で観光案内所に勤務。在職中に住居として4ツ星ホテル生活を経験。以来、“ホテル”の表裏一帯の面白さに魅了され、フリー仏語通訳を経て、94年からジャーナリズムの世界へ。「ホテルマン、環境問題、スパ」の3テーマを中心に、世界各国でホテル、リゾート、旅館、および   関係者へのインタビューや取材にあたり、ホテル、スパなどの世界会議にも数多く招かれている。雑誌や新聞などで多数連載を持つかたわら、近年はビジネスホテルのプロデュースや旅館のアドバイザー、ホテルのコンサルタントなどにも活動の場を広げている。

http://www.kyokosekine.com/



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