BY TERUNO TAIRA, PHOTOGRAPHS BY YUKA FUJISAWA
肌がきれいな人に出会うと「どうせ遺伝でしょ?」と思う人も多いと聞くが、果たして本当にそうだろうか。確かに遺伝子はある程度の方向性を定めるが、同じ遺伝子をもつ双子であっても生活環境によってエイジングのサインは大きく変わる。肌の美しさを左右するのは遺伝子がすべてではない、というのが最近の美容界の定説だ。近年は、医学界の「エピジェネティクス」や「予測医学」の考えがスキンケアの開発にもさかんに取り入れられ始めている。
昨年末に驚いたのが、ランコムの高速タンパク質分析「エイジ エクスプローラー」についてのプレゼンテーションだった。大ヒット美容液、ジェニフィックの開発には肌の若さを決めるタンパク質を特定できたことが大いに役立ったという。ランコムが培ってきた、このタンパク質の変化に関する総括的な研究から生まれた「エイジ エクスプローラー」は、肌状態を分析し、その現状と傾向を明らかにする本格的なマシンだ。しかも、カウンセリングの時間を除けばほんの20分ほどの時間で済むというからさらに驚く。
この解析を実際に体験させてもらった。まずは、普段のお手入れや睡眠時間、喫煙習慣などライフスタイルに関する美容部員さんの質問に答えることからスタート。次に頬から下のメイクを落とし、6倍のズーム機能のついたコンパクトなカメラ型の「スキン プロファイラー」で目尻や頬、口元を撮影。その後、ゴム手袋を嵌めた手で小さなフィルム状のシールを肌に貼り付け、肌表面のタンパク質を自ら採取する。このあたり、海外ドラマでよく見る科学捜査官みたいでちょっとわくわく。