BY TERUNO TAIRA, PHOTOGRAPH BY SATOKO IMAZU
スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた『博士と彼女のセオリー』でアカデミー賞主演女優賞をはじめ数々の賞にノミネートされ、広くその存在を知られることになったフェリシティ・ジョーンズ。2019年3月に公開予定の最新作『ビリーブ On the Basis of Sex』では、アメリカ最高裁判所判事の役を演じる。そして2018年春夏シーズンからは、日本を代表するラグジュアリーなコスメティックブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」のグローバルブランドフェイスとして知性あふれる美しさを披露している。
「来日は3度目ですが、日本が大好きで、飛行機が地上に降り立つ瞬間からワクワクしていました。毎回、感激するのはすみずみまで行き届いた美しさ。ルームサービスのお皿の盛り付けにさえ感動してしまう。そうした細部へのこだわりは、日本ならではですよね」
とはいえ、女性の美のあり方に関しては西欧でも日本でも違いはないはず、とフェリシティは言う。「今はグローバル・ビューティの時代。どこに住んでいようと、人種や国境を問わず、内なる自分が外見に現れるのではないかしら。私は、クレ・ド・ポー ボーテのブランドメッセージ、“Unlock the power of your radiance”――スキンケアやメイクアップによって『女性の内なる力を引き出す』というコンセプトにとても共感しています。内面を磨くことはもちろんですが、外見も同じぐらい大切。正しいスキンケアによって外側が美しく保たれると、それが自信となり、いつでも自分らしく堂々としていることができますから。私の祖母も母も、とても若い精神の持ち主で、それが外見にもにじみ出ているんです。内面と外見は表裏一体。本当の美しさとは、つねに自分らしくあること――。言うのは簡単だけれど、それを実現するのはとても難しいことだと思うわ」
女優として新しいことにチャレンジするため、常に最良の肌コンディションを保たなくてはならないフェリシティにとって、クレ・ド・ポー ボーテのラ・クレームは欠かせない味方だという。
「クレ・ド・ポー ボーテの製品にも、ジャパニーズ・クオリティの素晴らしさを感じています。中でもラ・クレームには高い効果を実感していて、とても助けられているの。私のビューティ・ルーティンは、ダブル洗顔をして、ラ・クレームとアイクリームを必ずつけること。肌の水分を全部奪われてしまうくらいカメラのフラッシュを浴びるイベントの前夜は、マスクも必ずね。水分をたっぷりとることを心がけていて、緑茶もよく飲むし、もちろんアルコールを控えてヘルシーな食生活をキープすることも心がけています。美しく年を重ねていくためには、今のうちからしっかりとケアをすることが大切だと思っているから」
やみくもに若さに固執することなく、美しく年を重ねるために今なしうる最良の選択をする。美に近道はなく、日々のスキンケアこそが未来の美しさの糧となることを知っている。フェリシティの魅力は、華やかなハリウッドで活躍しながら、地に足のついた考え方を持つ聡明さにもある。それもそのはず、彼女は幼少のころから演技の道で活躍するかたわら、世界の名門、オックスフォード大学卒業という経歴の持ち主なのだ。
「教育を受けるということは、まさにエンパワーメント(力を授かること)。教育によって人間は自由になれるのです。自分自身の考え方をもち、人生を自分の手でコントロールできるようになる。母が常に教育を優先して私に与えてくれたおかげです。今は女優としてストーリーを伝える役割を担っているけれど、ゆくゆくは映画の製作にも関わりたいと思っています。どんな物語の映画を今、世に出していくべきかを考えたい。女優とプロデューサー、その両方をやっていくことが私の目標です」
クレ・ド・ポー ボーテの2019年春夏のシーズンテーマは、「A NEW LIGHT=はじまりの光」。そのプロモーションビデオの中で、フェリシティがパリの街で空いっぱいの気球を眺めるシーンがある。奇しくもこの直前に撮影していた映画『アエロノーツ』は気球がテーマだったという不思議な偶然が。
「本当に驚きました。映画の撮影のあと、クレ・ド・ポー ボーテのCM撮影に入ったら、ここでも気球が……! 映画では熱気球に乗って空中ブランコをするというシーンがあり、そのために曲芸を習ったんです。上空から下を見下ろす撮影で、世界を逆さに見るという、新たな視点での発見もありました」
透き通るような白い肌にレッドリップがひときわ艶やかに映えるフェリシティに、自身のメイクアップについても尋ねてみた。
「今日つけているのはクレ・ド・ポー ボーテの新しいルージュ、ルージュルミヌの『ダリア』。この光輝く赤が気に入っています。ふだんのメイクなら、口もとはもっと淡いペールカラーで、上まぶたにクラシックなアイラインを細くスッと引くのが好き。ケイト・モスみたいにね。ロックンロールとエレガンスが共存する美しさ、ケイトは私のビューティ・アイコンなの」
はじまりの光に包まれて、知性というパワーを備えた女優フェリシティ・ジョーンズがこれからどんな風に輝いていくのか、ますます楽しみだ。