パリのフォンダシオン・ルイ・ヴィトンで開催中のシャルロット・ペリアン展。かつてない規模の展覧会では、ペリアンと日本との深い関わりを表す展示も登場する

BY JUN ISHIDA

 ペリアンと日本との繋がりは、ル・コルビュジエのアトリエで培われた。アトリエには渡仏していた前川國男、坂倉準三が勤めていて、特に「サカ」と呼んだ坂倉とは一緒にスキーに行くほど交流を深めた。ペリアンを日本に招聘したのも坂倉で、海外向けに作る工芸品の改良と指導を行う「工芸指導顧問」として彼女を商工省に推薦、1940年にペリアンは初来日を果たす。未知の国、日本にやってきたペリアンは、柳宗理とともに京都、東北、金沢などの工芸を見て回った。仙台の工芸指導所では若い研究員たちにヨーロッパのモダン・デザインを教え、山形の積雪地方農村経済調査所では藁細工の職人に敷物やクッションカバーの作成を依頼したという。こうして初めての日本の工芸、そして民藝に触れた成果が、『ペリアン女史 日本創作品展覧会 2601年住宅内部装備への一示唆 選擇 傳統 創造』として結実する。

画像: 東京・高島屋で開催された『ペリアン女史 日本創作品展覧会 2601年住宅内部装備への一示唆 選擇 傳統 創造』の展示を再現。壁に飾られている「刺繍入り巻き上げ窓掛け」は、子供が描いた絵を元に龍村美術織物が製作。竹製のシェーズロングや藁のクッションを用いた寝椅子も発表した INSTALLATION VIEW OF THE EXHIBITION “CHARLOTTE PERRIAND: INVENTING A NEW WORLD” © ADAGP, PARIS, 2019 © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

東京・高島屋で開催された『ペリアン女史 日本創作品展覧会 2601年住宅内部装備への一示唆 選擇 傳統 創造』の展示を再現。壁に飾られている「刺繍入り巻き上げ窓掛け」は、子供が描いた絵を元に龍村美術織物が製作。竹製のシェーズロングや藁のクッションを用いた寝椅子も発表した
INSTALLATION VIEW OF THE EXHIBITION “CHARLOTTE PERRIAND: INVENTING A NEW WORLD” © ADAGP, PARIS, 2019 © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

 第二次世界大戦の戦局の悪化に伴い、1941年にペリアンは日本を離れインドネシア経由でパリへと帰るが、1953年に再び彼女は日本へと戻る。夫となったジャック・マルタンがエールフランス初代東京営業所支局長となり、ペリアンは家族で東京に住むことを決心する。これを受け、坂倉は再びペリアンの展覧会を行うことを計画。ペリアンはフランスで取り組んでいた「諸芸術の統合」をテーマに、ル・コルビュジエ、フェルナンド・レジェの作品も加え、建築、アート、家具や日用品が、ジャンルの垣根を超えてともに作り出す新しい生活空間を提示することを試みた。

画像: 1955年に再び日本で行われたペリアン企画の展覧会『芸術の綜合への提案―コルビュジエ、レジェ、ペリアン3人展』の再現。FLVで展示されたものとは異なるが、ル・コルビュジエのタペストリーやレジェの陶器も空間の一部として展示されたという © ADAGP, PARIS, 2019 CRÉDIT PHOTO : © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

1955年に再び日本で行われたペリアン企画の展覧会『芸術の綜合への提案―コルビュジエ、レジェ、ペリアン3人展』の再現。FLVで展示されたものとは異なるが、ル・コルビュジエのタペストリーやレジェの陶器も空間の一部として展示されたという
© ADAGP, PARIS, 2019 CRÉDIT PHOTO : © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

画像: ユネスコのパリ本部ピアッザ広場で行われたパリ日本文化祭のために作られた「茶室」の再現。モンゴルの移動式テント「ゲル」を元に、四畳半の茶室と水屋を作った © ADAGP, PARIS, 2019 CRÉDIT PHOTO : © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

ユネスコのパリ本部ピアッザ広場で行われたパリ日本文化祭のために作られた「茶室」の再現。モンゴルの移動式テント「ゲル」を元に、四畳半の茶室と水屋を作った
© ADAGP, PARIS, 2019 CRÉDIT PHOTO : © FONDATION LOUIS VUITTON / MARC DOMAGE

 展覧会が行われた年に、夫の転勤に伴いペリアンは帰国するが、日本との関係は終生にわたり続いていた。最後の展示室に再現された「茶室」は、1993年に行われたパリ日本文化祭で発表されたもので、彼女が公式に発表した最後の作品ともなった。日本での経験は作風にも大きな影響を与えたと言われているが、ペリアンの作品が網羅された展覧会で日本との繋がりに思いを馳せるのも楽しみ方の一つだろう。

『Charlotte Perriand: Inventing a New World』
会期:〜2020年2月24日(月)
会場:フォンダシオン・ルイ・ヴィトン
住所:8, Avenue du Mahatma Gandhi Bois de Boulogne 75116 - Paris
開館時間:11:00〜20:00(金曜は〜21:00、土・日曜は10:00〜)
休館日:火曜
料金:一般 16ユーロ
電話番号:+33 1 40 69 96 00
公式サイト

 

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