後ろ脚のないすっきりとしたデザインと、体重をかけると適度にしなる浮遊感のある座り心地が魅力のカンチレバー(片持ち構造)の椅子。バウハウスや北欧の名作から、現代の注目作まで、カンチレバーチェアの魅力が詰まった椅子を厳選紹介

BY EMI ARITA

ミース・ファン・デル・ローエの「B42」

画像: 「B42」¥279,400/TECTA(アクタス) COURTESY OF ACTUS

「B42」¥279,400/TECTA(アクタス)

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 1919年からわずか14年しか存在しなかったにも関わらず、近代デザインの発展に多大な影響をもたらしたドイツの総合芸術教育機関「バウハウス」。そこで最後の校長を務めのが、近代建築の三大巨匠のひとりとしても知られる、ミース・ファン・デル・ローエ。こちらの「B42」は、ミースが1927年にデザインしたカンチレバーチェアで、バウハウスの思想を現代へと継承するブランドであるTECTA(テクタ)が復刻したモデルとなっている。
 スチールパイプのフレームと籐編みのシートという軽やかなデザインに、大きく前方にカーブした前脚の美しい曲線がアクセントを添える。バネのように弾む座り心地も快適で、ダイニングチェアとしてはもちろん、長時間作業するワークチェアにもおすすめ。時代を超えて愛されるバウハウスの名作で、ミースのデザイン美学「Less is More(より少ないことは、より豊かなこと)」を体感してみてほしい。

画像1: COURTESY OF ACTUS

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アルヴァ・アアルトの「アームチェア 42」

画像: 「アームチェア 42」¥488,400/アルテック COURTESY OF ARTEK

「アームチェア 42」¥488,400/アルテック

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 三次元的にカーブした成形合板のシートとフレームの流れるようなラインが美しい「アームチェア 42」。1932年にアルヴァ・アアルトが設計を手がけた、フィンランド南西部・パイミオ市にある「サナトリム(結核療養施設)」のためにデザインした椅子のひとつで、ともにデザインされた「アームチェア 41 パイミオ」ともよく似ていることから、“小さなパイミオチェア”の愛称でも親しまれている。
 肘掛けを兼ねたバーチ材のフレームは、ひとつのフレームを半分に分割して両端に設置する工法を採用。経年変化によって木の歪みが発生した際にも、左右のバランスが崩れないよう考え抜かれている。木の温もりにあふれ、ゆったりと体を預けてくつげるカンチレバーチェアは、リラックスタイムのお供に迎えたい。

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アクセル・ブロッホイザーの「B20」

画像: 「B20」¥146,300~/TECTA(アクタス) COURTESY OF ACTUS

「B20」¥146,300~/TECTA(アクタス)

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 バウハウスの名作復刻に加えて、その思想を受け継ぐオリジナル家具を手がけるTECTA(テクタ)。1981年にブランドの創業者、アクセル・ブロッホイザーが発表した「B20」は、発表以来40年以上経った今も人気を誇る、TECTAを代表する一脚。脚部には、フランスの建築家、ジャン・プルーヴェとの協業を通じて開発されたTECTAの特許技術、「チューブ・アプラティ」を採用。荷重がかかる部分だけを平らにつぶすことによりスチールパイプの強度を高める技術で、直線的なシャープなラインが美しいカンチレバーチェアを完成させた。
 2024年には、シートの素材を100%リサイクル可能なポリプロピレンコードへとアップデート。柔軟性と強度も向上し、耐久性もより高まった。シートのカラーは、グレーやベージュ、ホワイトのほか、マゼンダやターコイズなど全14色のカラーから選べる。

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マールテン・ヴァン・セーヴェレンの「.05 / ゼロファイブ」

画像: 「.05 / ゼロファイブ」¥125,400/ヴィトラ COURTESY OF VITRA

「.05 / ゼロファイブ」¥125,400/ヴィトラ

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 ベルギー出身のデザイナー、マールテン・ヴァン・セーヴェレンが2004年に発表した「.05 / ゼロファイブ」は、ミース・ファン・デル・ローエのデザイン美学「Less is More(より少ないことは、より豊かなこと)」に通じる、極限まで無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインが魅力のカンチレバーチェア。
 ステンレススチールのフレームに合わせたのは、一体成形された弾力性のあるウレタン素材のシートシェル。背もたれにバネを埋め込むことで、寄りかかるとほどよくしなり体を支えてくれる。フレームは、サテン仕上げとパウダーコート仕上げ(ブラック)の2種。シートのカラーは、ブラック、レッドなど全3色。水や湿気に強くアウトドアでも使えるのも魅力。5脚までスタッキングでもでき、来客用チェアとしてストックするのもおすすめだ。

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ジャスパー・モリソンの「エヴォック」

画像: 「エヴォック」各¥63,800/ヴィトラ COURTESY OF VITRA

「エヴォック」各¥63,800/ヴィトラ

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 2020年に誕生したヴィトラの「エヴォック」は、スチールフレームのような強度を、最先端の射出成形技術によりプラスチックのみで実現させた、世界初の全プラスチック製のカンチレバーチェア。1920年代に考案され、さまざまなデザイナーが時代と共に進化をさせてきたカンチレバーチェアの最新型と言える一脚だ。
 デザインを手掛けたのは、ロンドン、東京、パリの3箇所を拠点に活躍するデザイナー、ジャスパー・モリソン。人間工学に基づき成形されたシートは、ほどよくしなる弾力性と体にフィットする感覚が心地いい。単一素材からなる究極にシンプルなデザインは、無駄なものを削ぎ落とし、実用的なデザインを追求するモリソンの「スーパーノーマル」という美学が息づく。カラーはやわらかな発色のアイボリー、ライトミント、ポピーレッド、グラファイトグレーの全4色。

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