BY JOHN WOGAN, ILLUSTRATIONS BY AURORE DE LA MORINERIE, TRANSLATED BY IZUMI SAITO
雑誌『ザ・ニューヨーカー』や出版社のクノッフで編集者を務め、作家でもあるロバート・ゴットリーブ。彼は70年代後半にふとした気まぐれで古道具屋めぐりを始め、その後数十年にわたってこの趣味にのめり込むことになった。ジョン・チーヴァーやトニ・モリスン、ノーラ・エフロンからビル・クリントンまで、アメリカのありとあらゆる文章家を育てたゴットリーブは、87歳となった今もミッドセンチュリーのプラスチック製ハンドバッグをコレクションしている。
「当時10ドルとか20ドルで買ったものが、今では700ドルから800ドルになっていたりするよ」

透明なふたの中に造花を入れた、“棺”を摸したルーサイトバッグ/メーカー・年代不明
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ラインストーン(クリア×カラー)が散りばめられたグリーンのルーサイトバッグ/ワイズナー・オブ・マイアミ社製, 1953-56年頃
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キャラメル色のパースや、真珠のように輝くルーサイト(アクリル製プラスチック)のイブニングバッグーー。それらはどれも、第二次世界大戦後のプラスチック・ブームとともに栄えた様式のものだ。ゴットリーブは、アメリカじゅうに車を走らせて400を超えるバッグを集め、マンハッタンの自邸にある専用クローゼットにそれらを保管している。
「ひし形にカットされた表面にラインストーンを散りばめたこの模様は、1950年代レトロ・デコスタイルの代表的なもの」

キャラメル色のルーサイトバッグ/ウィルアーディー・オブ・ニューヨーク社製, 1951-54年頃
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