BY YUMIKO FUKUI, PHOTOGRAPHS BY KENICHI YOSHIDA
約100年前のアンティーク本をリメイクした一点もののクラッチバッグ「ラ・ブキニスト」。本はIto自ら蚤の市や古本屋で買いつけたもの
バッグ ¥55,350〜
2017年春夏デビューながら、ロンドンのドーバーストリートマーケット、三越伊勢丹が買いつけたという「エコール・ド・キュリオジテ」。パリ発の新進ブランドだ。ベーシックに見えて、着てみると、シルエットの美しさ、動きやすさ、素材の心地よさなど、緻密にデザインされていることに気づく。「着てくれる人と服を通じてコミュニケートしたい」と語るのは、クリエイティブ・ディレクターを務めるHans Ito。日本の大学で映画を学んだのち、パリのサンディカ・クチュールで服飾を勉強したというItoのクリエーションの特徴は、「物語」からコレクションが作られるという点だ。

(左)シャツ ¥52,650(参考価格)
肌ざわり抜群なスイス製コットンピケを使用したイカ胸シャツ。ボタンはアンティーク
(右)ワンピース ¥178,750(参考価格)
シルクシフォン地のワンピース。スカート部分はギャザーではなくプリーツ。流れるようなシルエットが美しい
エコール・ド・キュリオジテ http://ecoledecuriosites.com
今季は、彼からのオファーで小説家・原田マハが、ピカソのミューズの一人、ドラ・マールが主人公の短編小説を書き下ろした。「シナリオがあって、登場人物がいて、そこにはまるように服を作るという形が自分には向いているんです」。デザインを “生きた服” に落とし込むための “ストーリー”。人が服に合わせるのではなく、服が人に寄り添う。このブランドの真の魅力はそこにある。