サンローラン・スタイルの永遠のシンボルにて偉大なるミューズふたりと、現クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロが、互いに育んできた友情とムッシュ イブ・サンローランの思い出を語り合う

INTERVIEWS BY NOOR BRARA, PHOTOGRAPH BY WILLY VANDERPERRE, TRANSLATED BY JUNKO HIGASHINO

アンソニー・ヴァカレロ:カトリーヌとベティは僕にとってサンローラン・スタイルの象徴だ。ふたりはムッシュ イヴ・サンローラン本人を知っている最後の証人でもある。どのシーズンも、僕は彼女たちの意見にだけ、真摯に耳を傾ける。カトリーヌは2017年春夏の僕のデビューショーの前に、アトリエに作品を見に来てくれた最初の人だった。本能的で好奇心旺盛な彼女とはすぐ親しくなった。でもベティとはそう簡単にはいかず、2シーズンたって彼女はようやく心を開いてくれた。ピエール・ベルジェが取り持ってくれたおかげだ。ムッシュ・サンローランの公私における長年のパートナーだったベルジェは、デビュー時から僕をずっと応援してくれていた。

画像: (左から)女優カトリーヌ・ドヌーヴ、ベティ・カトルー、サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロ(39歳)。2021年2月11日、パリにあるサンローランのデザイン・スタジオにて撮影。 ドヌーヴ着用のトレンチコート¥605,000、靴¥121,000、インナー、タイツ(ともに参考商品)、カトルー着用のブルゾン¥561,000、デニム¥71,500、インナー、靴(ともに参考商品)/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ サンローラン クライアントサービス フリーダイヤル:0120-95-2746

(左から)女優カトリーヌ・ドヌーヴ、ベティ・カトルー、サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロ(39歳)。2021年2月11日、パリにあるサンローランのデザイン・スタジオにて撮影。

ドヌーヴ着用のトレンチコート¥605,000、靴¥121,000、インナー、タイツ(ともに参考商品)、カトルー着用のブルゾン¥561,000、デニム¥71,500、インナー、靴(ともに参考商品)/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ
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フリーダイヤル:0120-95-2746

 イヴ・サンローランと聞けば、カトリーヌのアイコニックなスタイルが思い浮かぶだろう。彼女がフェミニニティやセクシーさ、やさしさを象徴するなら、ベティはマスキュリンでアンドロジナスなエネルギーを体現する。いろんな意味で正反対のふたりだが、僕には両方の存在が必要だ。この対極がもたらす緊張感が、僕のクリエーションの源になっているから。どのコレクションにもふたりへのオマージュを込めているけれど、一番際立っているのは2019-’20年秋冬のショーだろう。ベティ風のビッグショルダーとワンサイドヘアをはじめ、ふたりにインスパイアされたディテールにあふれている。

 確固たるスタイルももたずに、ただ注目を浴びようとする人やインフルエンサーたちにはうんざりしている。カトリーヌやベティは、生き方そのものに感化力があって、普通のミューズたちのようにワンシーズン、あるいは一年で消えたりしない。ふたりは誰にどう思われようと、ただ好きなことを、好きなようにしている。

 ロックダウンの間、彼女たちの支えになれたらと思って、ここ一年はよく電話で話をした。こんな状況でなければ一緒に出かけたいんだけれど。カトリーヌが好きなのは和食で、ベティが好きなのは食事よりお酒(笑)。ひとりは食べるほうが、もうひとりは飲むほうが好き。ムッシュ・サンローランは複数の友達と集うのを好まず、大抵1対1で会っていたそうだけど、これは僕も同じだ。

カトリーヌ・ドヌーヴ:視野が広く探求心にあふれたアンソニーは、今のカルチャーに精通しているし、共鳴もしている。あまり外に出ず、自分の世界にこもっていたイヴとは対照的ね。でも、イヴがマラケシュに構えたゴージャスな邸宅で、私たちはとびきりの時間を過ごしたものよ。

 あの時代から私たちを取り囲む世界はがらりと変わったわ。このメゾンでは、複数のデザイナーが異なったビジョンを発信してきた。アンソニーは、とてもこまやかな感性のデザイナー。デビューショーで、舞台裏から挨拶に現れたやさしげな彼の笑顔を見た瞬間に「この人とはつながっている」って感じたの。ここ数年、私たちはよく会っているのよ。彼との友情はいたって自然でシンプルで、心地よさに満ちたこの関係を私はとても気に入っているわ。

ベティ・カトルー:アンソニーとは2017年の秋、マラケシュの「イヴ・サンローラン美術館」のオープニングで会ったの。すぐさま彼には特別な何かがあるって感じたし、考え方や繊細な感性も気に入った。イヴ・サンローランの女性への特有のまなざしと、神秘と誘惑が融合する世界を、アンソニーが完璧に理解していたことも私には初めからわかっていた。

 イヴとのつながりはまた違う種類のものだったわ。私たちはソウルメイトだった。デザイナーとミューズという関係を超えた精神的な結びつきは、私の人生と切り離すことのできないファンタジーなの。幸運なことに私は仕事をする必要もなく、ただ自由に、好きなように行動して、好きなように考えていればよかった。私のどこまでも自由な生き方がイヴを魅了したのでしょうね。

HAIR BY DUFFY AT STREETERS. MAKEUP BY KARIN WESTERLUND AT ARTLIST. DENEUVE’S HAIR BY JEAN-CLAUDE GALLON. DENEUVE’S MAKEUP BY CAROLE LASNIER.

INTERVIEWS HAVE BEEN EDITED AND CONDENSED. PRODUCTION: ENTRÉE LIBRE. ON-SET STYLIST: PAUL SINCLAIRE AT CREATIVE EXCHANGE AGENCY. MANICURIST: ANATOLE RAINEY AT PREMIER HAIR & MAKEUP. DIGITAL TECH: HENRI COUTANT. LIGHT TECHNICIAN: ROMAIN DUBUS. LIGHT ASSISTANTS: CORENTIN THEVENET, YVES MOURTADA. HAIR ASSISTANT: LUKAS TRALMER. MAKEUP ASSISTANT: RAFAELA SIQUEIRA. POST-PRODUCTION: STÉPHANE VIRLOGEUX

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