古来、天体観測により時の長さは定められ、それを図る時計は天体の動きをなぞらえる小宇宙。さらに機構や素材に工夫を凝らし、宇宙の神秘はさまざまに、腕の上で表現される。宇宙への限りない憧憬を、人間の英知と熱情を極めて体現する名作時計を厳選して紹介する

BY NORIO TAKAGI, PHOTOGRAPHS BY MASANORI AKAO, STYLED BY TOMOKO IIJIMA

宝石が煌めく太陽と月が昼と夜とを知らせる

 日の出とともに太陽は天空を巡って地上を照らし、日没を迎えると月が姿を現す。最も身近な天体であり、昼と夜とを象徴する太陽と月が、ダイヤルの主役だ。24時間で1周するアベンチュリン製のディスクに設置した金色の太陽と、星を従える銀色の月とが、午前と午後の6時にダイヤル上部から順に顔を出し、昼夜を示す仕掛け。巨大なデイ&ナイト機構を、放射状の装飾を施したマザー・オブ・パール製ダイヤルの下に潜めた。太陽にはイエローサファイアを、月にはダイヤモンドをセット。さらにベゼルと5連ブレスレットの小さなリンクひとつひとつにダイヤモンドを配し、それらを留める爪も煌めくように加工され、絢爛豪華に装った。

画像: レディ アーペル ジュール ニュイウォッチ〈38㎜/WG、YG、ダイヤモンド、サファイア、アベンチュリン、MOP、自動巻きムーブメント、WGブレスレット〉¥29,304,000/ヴァン クリーフ&アーペル ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク TEL.0120-10-1906

レディ アーペル ジュール ニュイウォッチ〈38㎜/WG、YG、ダイヤモンド、サファイア、アベンチュリン、MOP、自動巻きムーブメント、WGブレスレット〉¥29,304,000/ヴァン クリーフ&アーペル

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
TEL.0120-10-1906

北半球から見る天体の動きを閉じ込める

 モデル名はセレスティアル、すなわち天体。由来は一目瞭然であろう。ダイヤルはサファイアクリスタル製ディスクによる三層構造で、それぞれに北半球の星空、月の満ち欠けを示すムーンフェイズなどを設置。各ディスクは250億通りものシミュレーションから導き出された異なる周期で左回転し、銀河と月の軌道、シリウス星と月の子午線通過時刻を正確に示す。そしてダイヤルを覆うサファイアクリスタルに描いた楕円が、ジュネーブと同じ緯度にある地域で今見られる星空を取り囲む。詳細に描かれた銀河や星は、ワームホールで瞬時に移動した、何も遮るものがないはるか上空から夜空を見上げているかのよう。極めて精密な天体機構は最上級の美を伴い、機械式時計としての価値を極める。

画像: Ref.6102P〈44㎜/Pt、自動巻きムーブメント、アリゲーターストラップ〉¥47,674,000/パテック フィリップ パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL.03-3255-8109

Ref.6102P〈44㎜/Pt、自動巻きムーブメント、アリゲーターストラップ〉¥47,674,000/パテック フィリップ

パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL.03-3255-8109

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