BY T JAPAN
スイスの高級時計メゾン、ヴァシュロン・コンスタンタンが、ルーヴル美術館とのパートナーシップのもと発表した「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」コレクションに、新たな4つのモデルが加わった。2019年に始まった両者の協働は、芸術と文化の保護、そして伝統技術の継承という共通の理念に基づくものであり、本シリーズはその象徴的な成果といえる。
2022年に誕生した「メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して –」の新シリーズは、単に美術館の所蔵作品を装飾の着想源とするにとどまらない。ルーヴル美術館の古代美術部門の学芸員と緊密に連携し、どの文明を象徴する作品を選ぶのか、その造形をどの角度から捉えるのかといった点まで、史実や考古学的知見に基づいた検証が重ねられている。時計という限られた空間の中で、作品が本来持つ意味や背景を損なうことなく表現するための対話と試行錯誤こそが、このプロジェクトの土台となっている。
本シリーズは、ルーヴル美術館に所蔵される古代文明の傑作に着想を得て制作されたもので、エジプト、アッシリア、ギリシャ、ローマという4つの文明をテーマに、それぞれ15本限定で展開される。ダイヤルには、グリプティック(石彫)をはじめ、マイクロモザイクやエナメル、マルケトリー、金箔など9つの伝統技法が駆使され、時計という枠を超えた芸術作品へと昇華されている。
選ばれたモチーフはいずれも、現代の思想や社会の礎を形づくってきた文明に根ざすものだ。ヴァシュロン・コンスタンタンは、それらを装飾的に再現するのではなく、素材や技法の選定を通じて、文明が育んできた美意識や精神性そのものをすくい取ろうと試みている。

メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – アクエンアテンの胸像
15本限定モデル、シリアルナンバー入り。ジュネーブ・シール取得。ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル ¥32,780,000(税抜き)
ファラオ時代のエジプトを象徴するモデルは「アクエンアテンの胸像」。宗教改革を推し進めた異色のファラオの横顔を、実物と同じ性質を持つ石材で再現。抽象的で中性的な造形は、当時の芸術革新を映し出す。周囲には神殿装飾や古代の胸飾りに着想を得たフリーズが施され、神秘的な世界観を強調している。

メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – サルゴン2世のラマッス
15本限定モデル、シリアルナンバー入り。ジュネーブ・シール取得。ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル ¥32,780,000(税抜き)
「サルゴン2世のラマッス」は、アッシリア帝国の守護像をモチーフにしたモデル。人の頭部と鷲の翼、雄牛の身体を持つ神獣ラマッスを中心に据え、力強さと威厳を表現する。細密な石彫とエナメル装飾が重なり合い、古代宮殿の壮麗さを想起させる構成となっている。

メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – ヴェッレトリのアテナ
15本限定モデル、シリアルナンバー入り。ジュネーブ・シール取得。ヴァシュロン・コンスタンタン ブティック限定モデル ¥32,780,000(税抜き)
古代ギリシャをテーマにした「ヴェッレトリのアテナ」は、知恵と戦いの女神アテナ(パラス)の姿を描いたもの。白く輝く大理石を思わせる素材と繊細なエナメル装飾により、古代ギリシャの黄金時代の精神と美意識を表現。周囲には神話的モチーフがちりばめられ、知と力の象徴としての存在感を放つ。

メティエ・ダール – 偉大な文明へ敬意を表して – イシス神殿のテベレ
そしてローマ帝国時代の文明を象徴する「イシス神殿のテベレ」は、テベレ川の神を中心に据えたモデル。豊穣の象徴である角や神話的要素を取り入れ、ローマの繁栄と起源の物語を描き出す。マイクロモザイクや金箔など多層的な装飾が、穏やかで力強い神の姿を際立たせている。
これらの作品を支えるのが、自社製ムーブメント「キャリバー2460 G4/2」である。針を排し、時刻や日付などをディスク表示にすることで、ダイヤル全体を芸術表現のためのキャンバスとして開放。高度な機構と美的追求が見事に融合している。
このプロジェクトについて、プロダクトマーケティング&イノベーションディレクターのサンドリン・ドンガイは、「時計製造は単なる技術ではなく、文化を語り継ぐ手段でもある」と語る。ルーヴル美術館との協働により、歴史的背景や考古学的知見を踏まえた再現が可能になり、単なる装飾にとどまらない“意味を持つ作品”が実現したという。また、「Explore All Ways Possible(あらゆる可能性を探求して)」という今年のテーマのもと、伝統技法と現代の創造性を結びつけることで、時計の新たな表現領域を切り拓いていると強調する。
本コレクションは、過去の文明への敬意と現代の技術が融合した、まさに“時を超える芸術”。ヴァシュロン・コンスタンタンは、これからも時計を通じて文化と創造の可能性を探求し続けていく。
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF VACHERON CONSTANTIN
お問い合わせ先
ヴァシュロン・コンスタンタン
TEL. 0120-63-1755







