山梨県勝沼に昨年、半導体工場をリノベーションしたワイナリーが誕生した。勝沼の気候と土壌を生かし、甲州とマスカット・ベーリーAというブドウ品種にこだわるそのワインづくりとは

BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY MIDORI YAMASHITA

 興味深いのがモダンなデザインのラベルで、じつはここには、ブドウ品種とブドウの収穫地、仕込みや製造方法がアルファベットと数字で表されているのだ。たとえば、ラベルが「K111」なら、「K」は甲州、最初の「1」は収穫地の「勝沼」、次の「1」は“フリーラン”と呼ばれる自然に抽出された一番果汁、最後の「1」はステンレスタンクでの醸造と、ワインの情報が即座にわかるように工夫されている。

画像: (写真左から) 「B521(マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI)」¥2,200 マスカット・ベーリーA100%。甲州市勝沼町、山梨市万力、韮崎市穂坂町のブドウを使用。すっきりとした味わい 「K131(甲州勝沼町 下川久保 2017 SHIMOKAWAKUBO)」¥5,000 甲州100%。甲州市勝沼町下岩崎下川久保のブドウのみを使用。フルーティで上品な酸味 「B553(マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI)」参考商品(※熟成後発売予定) アロマティックでやわらかなタンニン

(写真左から)
「B521(マスカット・ベーリーA 山梨2017 GI YAMANASHI)」¥2,200
マスカット・ベーリーA100%。甲州市勝沼町、山梨市万力、韮崎市穂坂町のブドウを使用。すっきりとした味わい

「K131(甲州勝沼町 下川久保 2017 SHIMOKAWAKUBO)」¥5,000
甲州100%。甲州市勝沼町下岩崎下川久保のブドウのみを使用。フルーティで上品な酸味

「B553(マスカット・ベーリーA 山梨2016 GI YAMANASHI)」参考商品(※熟成後発売予定)
アロマティックでやわらかなタンニン

 松坂は言う。「こだわりたいのは、勝沼独特の細やかなテロワール。甲州ひとつとっても、勝沼地区、一宮地区、穂坂地区と、その味わいはそれぞれに違う。その多彩な魅力の違いを、多くの方々に知って欲しいと思いました。甲州もマスカット・ベーリーAも、世界基準で見れば、まだまだ知られていないマイナーな品種。ですが、香りも味も上品で、料理によく合う。『甲州も、マスカット・ベーリーAも飲んだことがある』というワインファンを、世界に増やしたいと思っています」

 半導体企業が手がけるワインは、造りが精巧で、味わいも緻密。加えて、そこには勝沼出身である松坂の地元に対する深い愛情が感じられる。今までの日本ワインとはまたひと味違う「MGVs ワイナリー」は、おそらくはそう遠くない未来、世界に多くの日本ワインファンを増やす原動力のひとつになってくれるに違いない。

画像: エントランスを入ると目に入るのが試飲カウンター。気軽にテイスティングができるのが楽しい

エントランスを入ると目に入るのが試飲カウンター。気軽にテイスティングができるのが楽しい

MGVs ワイナリー
住所:山梨県甲州市勝沼町等々力601-17
営業時間:9:30~16:30(ショップ・試飲)
定休日:火曜(4~11月)、火・水曜(12~3月)、年末年始
電話: 0553(44)6030
公式サイト


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