さまざまな分野で活躍する“おやじ”たち。彼らがひと息つき、渋い顔を思わずほころばせる……そんな「おやつ」とはどんなもの? 偏愛する“ごほうびおやつ”と“ふだんのおやつ”からうかがい知る、男たちのおやつ事情と知られざるB面とは。連載第14回は音楽家の蓮沼執太さん

BY YUKINO HIROSAWA, PHOTOGRAPHS BY TAKASHI EHARA

 その他の好きなおやつを問うと、和三盆糖、豆かん、そして生姜糖。どうやら古典的なものがお好きなよう。「生姜糖は、デパートの地下の諸国物産売場をぶらぶら歩いていて見つけたもの。ちょっと固めの食感、昔ながらのシンプルな味や繊細な甘さが好みで、はまってしまいました。お茶請けや、作業の合間の糖分が欲しいときに少しいただきます。ちょっと変な表現だけど、僕は自分自身を生姜とか刻みネギのような薬味っぽいと思っていて、おやつって自分とは別の存在なんですよね。だからこそ面白いし、必要なものだな、とも思う」。

画像: 「生姜糖」1枚¥600(税込) 來間屋生姜糖本舗 TEL. 0853(62)2115

「生姜糖」1枚¥600(税込)
來間屋生姜糖本舗
TEL. 0853(62)2115

 作業に集中すると、時間感覚がわからなくなり、「“あれ、いつのまにか作品ができている……”ということがある」と蓮沼さん。電子音、自ら採集した環境音、そして声から作る音…… 琴線に触れた“いい音”を脳内に記憶し、無限にある素材を引っ張り出しながら、自室で黙々と音楽として構築する。既存の常識や固定概念にとらわれない斬新な手法から生まれたものは、不思議なほど耳心地がよく、世の中にすっとなじむ。
「音楽という表現は、曲作りと演奏だけでなく、いろんな方法で作れると思っていて。僕らの生活の中で音楽はどこにでも存在していて、その作り方やプロセスを応用することで、音楽の可能性が広がってきます。僕は、旋律のような既存のルールだけではない方法で作品を作っていきたいというか」。

 音楽は、文化と、芸術と、そして社会と仲良くコミットする。それらが響き合う未来は、きっと明るい。それを五感で味わえるのが、蓮沼さんの音楽だ。

画像: 蓮沼執太(SHUTA HASUNUMA)さん 音楽家。1983年東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外でのコンサート公演をはじめ、映画、演劇、ダンスなど、多数の音楽制作をする。最新リリースに EP『Oa』(Northern Spy Records)。また、“作曲”という手法を応用し、物質的な表現を用いた彫刻、映像やインスタレーションの制作、ワークショップ、プロジェクトなども行う。主な個展に『 ~ ing』(資生堂ギャラリー)など。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞 www.shutahasunuma.com PHOTOGRAPH BY TAKEHIRO GOTO

蓮沼執太(SHUTA HASUNUMA)さん
音楽家。1983年東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外でのコンサート公演をはじめ、映画、演劇、ダンスなど、多数の音楽制作をする。最新リリースに EP『Oa』(Northern Spy Records)。また、“作曲”という手法を応用し、物質的な表現を用いた彫刻、映像やインスタレーションの制作、ワークショップ、プロジェクトなども行う。主な個展に『 ~ ing』(資生堂ギャラリー)など。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞
www.shutahasunuma.com
PHOTOGRAPH BY TAKEHIRO GOTO

 

This article is a sponsored article by
''.