さまざまな分野で活躍する“おやじ”たち。彼らがひと息つき、渋い顔を思わずほころばせる……そんな「おやつ」とはどんなもの? 偏愛する“ごほうびおやつ”と“ふだんのおやつ”からうかがい知る、男たちのおやつ事情と知られざるB面とは。連載第20回は、テレビ東京制作局 プロデューサーの佐久間宣行さん

BY YUKINO HIROSAWA, PHOTOGRAPHS BY TAKASHI EHARA

 今でこそ、「テレ東のお笑い番組、めっちゃ面白い!」と評判だが、かつて同局ではお笑い番組の存在は薄いものだった。そんな中、コント番組を立ち上げ、“目からウロコ”の番組を企画・編集までこなし、まだ水面下に潜む才能を発掘しては、彼らの持ち味に寄り添いながらパンドラの箱をやさしくこじ開け、魅力を開花させる。かと思えば、テレビ東京の社員でありながら、ニッポン放送の「オールナイトニッポン0(ZERO)」ではメインパーソナリティを務め、笑いと時にグッとくる語りでリスナーを魅了する。テレビ東京制作局 プロデューサー、佐久間宣行さんの獅子奮迅の活躍ぶりは止まらない、止められない。

 あらゆるエンタメに愛を傾ける佐久間さんだが、じつはそれと同等におやつにも愛を注ぐ人。「おやつ、めちゃくちゃ好きです。食事を摂る時間が不規則なので、毎日、何かしらおやつをつまむし、収録や編集の現場に行くことも多いので、そんな時は近辺のケーキの美味しい喫茶店や洋菓子店に寄ります。都内の美味しい店は、ほぼ把握していますね」

 佐久間さんの甘いもの好きは幼少期から。「料理上手なおふくろはお菓子作りも好きで、思い出の味と言えばヨーグルトチーズケーキ。冷蔵庫にそれがあると『ラッキー!!』で、上京するまでずっと好きでしたね。今は、義母の作るベイクドチーズケーキがプロ級にウマくて。結局ずっと、チーズケーキを食べてますね(笑)」

画像: 「和栗のモンブラン」¥700 9月から2月下旬頃までの秋冬限定品。注文を受けてから絞る和栗100%のペーストとミルキーな生クリーム、ボトムはメレンゲというシンプルな構成 ラ・プレシューズ 四谷店 TEL.03(3356)6559

「和栗のモンブラン」¥700
9月から2月下旬頃までの秋冬限定品。注文を受けてから絞る和栗100%のペーストとミルキーな生クリーム、ボトムはメレンゲというシンプルな構成

ラ・プレシューズ 四谷店
TEL.03(3356)6559

 家ではチーズケーキ党の佐久間さんだが、外では断然、自宅で作るにはハードルの高いモンブラン派。謎の凝り性が発揮され、「20〜30代は都内じゅうのモンブランの食べ歩きをしていた」そう。
ますます多忙を極める40代の今も、「池袋にある編集所に行くなら、その前後に目白にある「エーグルドゥース」に行けるな、とかそんな感じ。おやつ優先の生活はしていないけれど、何週間も前から“おやつを食べる時間”をスケジュールに組み込み、当日は朝から脳内でモンブランを食べながら仕事をします」。かれこれ20年ほど、ずっと好きなのが、かつて広尾にあった「ラ・プレシューズ」のそれ。「AD時代、編集所や自宅の近くにあったんですが、食べ比べたなかでダントツにウマかったんです。モンブランのペーストとクリーム、あとはメレンゲだけというシンプルさが好きです」

「ただし、甘いおやつを食べると、仕事が終わった感じがしてはかどらなくなるので、仕事中はスルメイカとかガムで口さみしさを埋めます。僕にとって甘いおやつは“海に浮かぶブイ”のようなもの。遠泳でもっと遠くまでいかないと本当のゴールではないんだけど、とりあえずブイまで辿り着いたから今日のところはよしとしよう、みたいな」。お楽しみは深夜(時には明け方)まで続くそうで、仕事が全部終わると、「その日の気分で作ったお酒と用意したおやつをつまみながら、ヘタすると2カ月前からスケジュールに組み込んでいた映画やネット配信ドラマ、舞台、マンガなどを観ます」。

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