季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、いま食べたい野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案。連載第18回は、日本の夏の食卓に欠かせない、風味豊かなみょうがの口福レシピをお届け!

BY YUKIKO HIRANO

画像: みょうがとマスカットベリーAで味わう日本の夏料理で暑さを乗り切りたい

みょうがとマスカットベリーAで味わう日本の夏料理で暑さを乗り切りたい

 日本の夏。なくてはならない夏の薬味が、みょうがだ。みょうがは日本だけで食される数少ない食材のひとつ。「他のものでは代用が効かない食材ですね。昔、フランスに住んでいた時に食べられなくて辛かったのが、みょうがでした。盛夏には大ぶりになり値段も安くなります。今回は薬味としてだけでなく、みょうがが主役の料理もご紹介しますね。もちろん、みょうがの風味を生かすようなお酒とともに」(平野さん)。今回のセレクトは三陸海岸のマスカットベリーAだという。さて、みょうがの魅力がどうやって引き出されるのだろうか──。

レシピ1:カツオのみょうがソース

 みじん切りにしたたっぷりのみょうがに合わせるのは、バルサミコ酢や黒オリーブ。豊かな香りのソースをカツオにかけて、少し冷やしたマスカットベリーAを。みょうがと赤ワインのアロマが口いっぱいに広がる幸せをどうぞ。

画像: 三陸の海沿いの赤ワインはミネラリーで海産物との相性が秀逸。たっぷりのみょうががそこに爽やかな香りを添えてくれる

三陸の海沿いの赤ワインはミネラリーで海産物との相性が秀逸。たっぷりのみょうががそこに爽やかな香りを添えてくれる

<材料 2人分>
カツオ1/2さく、みょうが3本、生姜1かけ、黒オリーブ6個、青ねぎ3本
A [オリーブオイル大さじ1、バルサミコ酢大さじ1と1/2、醤油大さじ1]
塩、黒こしょう

<作り方>
 カツオは食べやすく切り、皿に並べる。
 みょうが、生姜、オリーブ、はみじん切りにする。青ねぎは小口切りにして、[A]を混ぜ合わせたものに加え混ぜ、にかける。

レシピ2:みょうがの味噌チーズ焼き

 こんがり焼いた熱々のはちみつ味噌がみょうがに染み込んだ、大人の夏のおつまみ。味噌とマスカットベリーAの相性は抜群で、鉄板の組み合わせだ。

画像: シャキシャキのみょうがは、焼くと驚くほどジューシーに。熱々のところをがぶりとかじって味わおう

シャキシャキのみょうがは、焼くと驚くほどジューシーに。熱々のところをがぶりとかじって味わおう

<材料 2人分>
みょうが3個、味噌大さじ1、はちみつ小さじ2、溶けるタイプのナチュラルチーズ適量

<作り方>
 味噌とはちみつを混ぜ合わせる。
 みょうがを半割りにして、を塗り、チーズをのせて、オーブントースターでこんがりとするまで焼く。

【今月のお酒セレクト:神田葡萄園 ルージュ2022】

画像: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

 岩手県陸前高田に位置する神田葡萄園。創業1905年の葡萄園は東日本大震災で甚大な被害を受けたが、ワイン作りを再開。リアス式の海岸に面しているテロワールを生かしたワインを産している。ぶどうはマスカットベリーAを主体にヤマソーヴィニヨン・ツヴァイゲルトをブレンドしている。「このワインを飲んだ時、すぐにイメージした食材がカツオでした。潮風に吹かれたぶどうがそんな味を作り出します。日本の食材に合うワインを生産する、これからが楽しみな葡萄園です」(平野さん)

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。
公式サイトはこちら

平野由希子の「野菜とお酒」―幸福な大人の食卓― 一覧へ

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