RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
「フランスでポピュラーなお菓子といえばエクレアです。エクレアは、どのお菓子屋さんにも必ず並んでいます。日本のショートケーキやシュークリームのような存在ですね」。
前回作り方をご紹介したシュー生地の形を変えれば、エクレアになる。「作り方は単純ですが、実はとても奥の深い生地です。外側はカリッと、中はしっとりさせるためには、しっかりと焼き上げるのがコツです。しているのが理想ですが、そのように仕上げるのは案外難しいですね」。ポイントを細かく説明しているので、前回のシュー生地の作り方を参照しながら作ってみよう。
エクレアは、コーティングと中に詰めるクリームによってさまざまなバリーションが生まれるので、パティシエの個性が表現されるお菓子でもある。「通常はフォンダンと呼ばれる糖衣にフレーバーをつけたもので表面を覆いますが、家庭で作るのはなかなか難しいですね」。クリームはクレーム・レジェールをはじめ、カスタードクリームや生クリーム、風味付けにコーヒーやリキュールを加えたり、フルーツをはさんだり。
今回は、チョコレートコーティングの方法と、コーヒークリームを詰めたエクレアの2種類をご紹介。「チョコレートとコーヒーのエクレアはフランスでは定番の味。チョコレートコーティングには繊細な技術が必要なので、市販のお菓子のようにきれいに仕上げるのは難しいのですが、おうちでいただくお菓子ですから、おいしさ優先で楽しんでください」。
エクレア生地の作り方
■材料(約6~8個分)
水 50g
牛乳 50g
無塩バター 45g
塩 2g
グラニュー糖 2g
薄力粉 60g
卵 100g(2個)
■下準備
・ベーキングシートに鉛筆で10㎝幅に2列、線を引く(写真上参照)。
・ベーキングシートを裏返し、天板にのせる。
■作り方
1〜7 Vol.10の「シュークリーム」編のシュー生地と同様の手順で生地を作る。
エクレア生地の作り方はこちら(Vol.10「シュークリーム」編)
8 金をつけた絞り袋に7の生地を入れ、10㎝幅の線の間に細長く絞り出す。口金は星形でも丸型でもOK。写真のように、絞り袋を少し浮かせるときれいに絞れるので、もう一方の手の人差し指を口金に当てて、口金を浮かせるとよい。
9 生地の表面に溶き卵(分量外)を塗る。凹凸があれば、塗りながら刷毛を左右に動かして表面を平らにする。
10 9の生地の半分に砕いたヘーゼルナッツとアーモンド(各材料外)をのせる。生地はこの状態で冷凍可能。冷凍する場合は、ベーキングシートごと冷凍庫へ。固まったら密閉容器に入れて保存する。
11 190℃のオーブンで20分焼き、180℃に下げてさらに10分焼く。焼成中はオーブンの扉を開けないこと。焼成途中で開けると、膨らんでいた生地がしぼんでしまう。絞り袋に残った生地も一緒に焼いてしまおう。
クレーム・カフェのエクレアを作る
■材料(エクレア6〜8個分)
クレーム・カフェ
・インスタントコーヒー 2g
・お湯 2g
カスタードクリーム 100g
カスタードクリームの作り方はこちら(Vol.5「絶品カスタードクリーム」編)
■作り方
1クレーム・カフェを作る。インスタントコーヒーとお湯を合わせてよく溶く。カスタードクリームは冷蔵庫から出し、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。
2 カスタードクリームに1のコーヒーを加えてよく混ぜる。
3 ナッツ類をのせた生地の裏に、ペティナイフの先を入れて回し、小さな穴を3カ所開ける。
4 丸口金をつけた絞り袋に2のクレーム・カフェを入れ、3の穴にクリームを詰める。口金は大きめの6番を使用。小さいとクリームを押しつぶしてしまうので、大きめがよい。他の穴からクリームがはみ出してきたら、クリームが詰まった証拠。底にあふれたクリームは、クリームの入ったボウルの縁に当てて取る。
チョコレートコーティングのエクレアを作る
■材料(エクレア6~8個分)
チョコレートコーティング
・ミルクもしくはダークチョコレート(好みで) 100g
・植物油(太白ごま油、グレープシードオイルなど香りの少ないもの) 25g
クレーム・レジェール 1個につき25~30g
クレーム・レジェールの作り方はこちら(Vol.10「シュークリーム」編後半)
■作り方
1 チョコレートコーティングを作る。チョコレートを湯煎して溶かす(電子レンジの弱パワーで溶かしてもよい)。植物油を加えて、ハンドブレンダーでよく混ぜ、きちんと乳化させる。
2 クレーム・レジェールは、丸口金をつけた絞り袋に入れて、生地にクリームを詰める。(詳細は上記「クレーム・カフェのエクレアを作る」作り方4を参照)
3 1をエクレアの大きさより大きな器に移し、2をひっくり返して浸す。
4 3を持ち上げ、静かに上下に動かして余分なチョコレートを落とし、最後は下の部分のチョコレートを指先で落とす。
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