「ラデュレ」を皮切りに「オテル・ル・ムーリス」ほか、ミッシェル・トロワグロ率いる「オテル・ランカスター」と三つ星レストラン「ピエール・ガニェール」ではシェフパティシエを歴任。世界のグランシェフたちの信頼を得てガストロノミー界の檜舞台に登場し、現在はパリを拠点に、世界各地で活躍中の長江桂子さん。その精確で明瞭なレシピにはプロの間でも定評あり。家庭で楽しむお菓子においては、誰もがつくりやすく、砂糖やバターの量をギリギリまで減らし、味わい深く食べ心地は軽やかなレシピを提案している。基本のレシピをマスターしたら、風味や形を変えてさまざまに楽しめるアイデアも。これさえ覚えておけば、お菓子づくりには一生困らない。とっておきのレシピを丁寧にお伝えします。お菓子の時間の幸せを、あなたもどうぞ

RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA

画像1: パリのパティシエ
長江桂子さんにお菓子を習う
Vol.17 すっきり爽快!モクテル2種

「モクテル」という言葉をご存知?ノンアルコールのカクテルのことで、「似せた、模倣した」という意味の「mock」と「cocktail(カクテル)」を合わせてつくられた造語。イギリスで生まれた言葉だが、今やさまざまな国でこの言葉が親しまれている。

「レストランでも最近、モクテルをリクエストされる方が増えてきました」と長江さん。今回は、すだちを絞り入れてキリッとした味わいとなった『ブルー』、ミックスハーブを潰して爽やかな風味を抽出した『ハーブフレッシュ』の2種類を紹介してくれた。

「甘みを加えずスッキリした味わいは、食前の一杯にふさわしいし、食事中に料理と合わせてもよいでしょう。色合いも、夏を感じる透明感あるブルーとグリーンです。目でも楽しんでくださいね」

「ブルー」はすだちの代わりに、かぼすや柚子など好みの柑橘でも。「ハーブフレッシュ」は、ミントだけでもよいし、好みのハーブを組み合わせてもいい。ただ、ローズマリーなど、個性の強いものは少なめに。

「ハーブは麺棒などで潰すと風味がしっかり抽出されます。トントンと叩くように潰しましょう。力加減で香りの出方が違ってきます。潰したあと、スプーンでしっかり押さえてハーブ液を抽出しましょう。いっぱいに広がるハーブの香りで、リフレッシュしてください」。

「ブルー」の作り方

画像1: 「ブルー」の作り方

■材料(1杯分)
ブルーキュラソー
すだち
炭酸水

■作り方

画像2: 「ブルー」の作り方

1 グラスにブルーキュラソーを入れる。すだちを絞って果汁をこす。キュラソーの上に注ぐ。

画像3: 「ブルー」の作り方

2 グラスに氷をたっぷり詰め、炭酸水を静かに注ぐ。すだちのスライスをそっと入れる。

「ハーブフレッシュ」の作り方

画像1: 「ハーブフレッシュ」の作り方

■材料(1杯分)
バジルの葉 5枚 
タイム 1〜2本 
ミントの葉 2〜3枚
トニックウォーター
ライム(スライス)

■作り方

画像2: 「ハーブフレッシュ」の作り方

1 小さなボウルにバジル、タイム、ミントの葉を入れ、少量のトニックウォーターを注ぎ、めん棒などで潰す。めん棒がハーブ色に染まってしまうのでラップフィルムを巻いてするとよい。

画像3: 「ハーブフレッシュ」の作り方

2 茶漉しで濾し、グラスに入れる。

画像4: 「ハーブフレッシュ」の作り方

3 氷をグラスいっぱいに入れ、トニックウォーターを静かに注ぐ。ライムのスライス、ハーブを飾る。

長江桂子(ながえ・けいこ)
学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける

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