BY T JAPAN, PHOTOGRAPHS BY YUKI SUGIURA
有元流T.K.G. 「うに玉子」とは?

つやつやの黄身が熱々ご飯にとろり、有元流T,K.G.(たまごかけご飯)『うに玉子』。調理といえないくらいのシンプルなひと手間と少しの時間で、目覚めるのが楽しみになる朝ごはんの支度が整う
有元葉子さんの新刊「おいしい!は生きる喜び 自分で作れば、人生が変わる」(10月5日発売)は、T JAPAN webの人気連載から生まれた。「おいしいものは身体にいいのよ」と有元さんがよく口にする言葉がタイトルになったこの連載では、真っ当においしく、理にかなった調理法と食べ方を提案してきた。
「野菜が体にいいのはもちろんですが、いっぱい運動したあとはおいしいお肉をたっぷり食べたくなりますし、疲れたときは甘いものが元気をくれます」。情報化社会の今、健康によいと聞けばその食材を選び、「よくない」と聞けばやみくもに避けてしまいがちだが、
「頭で考えるよりも、体の声を信じるほうが、間違いがないと思います」と有元さんは言う。
良質なバターは最高の調味料

「焼いたり、茹でたり、蒸しただけの野菜や魚に、溶かしただけのバターをかけるだけで、ぐんとふくよかな味わいになります」
この本のレシピは、バターをたっぷり用いた料理から始まる。オリーブオイルのイメージが強い有元さんだが、実はバターも大好き。サンドイッチにもしっかりと塗り、「時には、こんがり焼いたトーストに5㎜厚さに切った冷たいバターをのせていただくことも」。いつものことではないからこそ、上質なバターをふんだんに。馥郁たる幸せが口いっぱいに広がる、バターの魅力。「おいしいことは日々の喜びですから、生きていくうえで大切なことだと思います。時にはこういった料理を食べてパワーをもらうのは大事なことですね」。

よく冷やしたフルーツを添え、あつあつのメーブルシロップとバターをたっぷりかけていただく有元流「フレンチトースト」はまさに至福

バターの豊潤な風味を楽しみ、黄金色に焼き上げる「バターローストチキン」
時には、おいしいお肉をたっぷりと

「ステーキの厚さ2㎝は譲れません」。レストランの食事もよいが、上等のかたまり肉を買い、自分で切ってサッと焼き、好みの調味料を付けていただくのは最高!

外はこんがり、内側はしっとりジューシーに仕上がる有元流「豚の生姜焼き」は、アッと驚く簡単な作り方で。「こうしたらもっとおいしいかしら」「もっと作りやすい方法なないかしら」と長年作り続けてきた最新形だからこそ
揚げ物こそ、自分で作ればもっとおいしい、そして安心
“カロリーが高くてヘルシーでないから”と、油や揚げ物を控える人が少なくない昨今。でも、油そのものは私たちの健康に不可欠なもの。選び方と調理のコツを知れば、油の酸化は最低限で済む。その極意をシンプルに伝授する。

自分で油を選び、使い回しや保存方法を正しく知って、揚げ物のあるうれしい暮らしを。表面はカリッ、中はホクホク。揚げたての「フライドポテト」は手がとまらないおいしさ

「ミラノ風カツレツ」。サクサクの衣にジューシーな肉、ミニトマトの甘みと酸味がソースがわりに
「こうだったらいいのに」を形に。調理道具の開発秘話も!

下ごしらえをはじめ、調理に不可欠なバット、ざる、プレート(左)。「私はこれでケーキも焼いてしまいます」と有元さん。使いやすさにとことんこだわったシリコーンヘラ(右)。ほかにも揚げ鍋からトングまで、「こうしたらもっと使いやすい」「あったらいいな」を注ぎ込んで作ってきた道具類の特徴と使い方も紹介
体の声に耳を澄まして、暮らしてみる

「目覚めてすぐに冷水を大きなコップで一杯飲むことから、一日が始まります」
「ごはんを食べておいしいと感じる。ぐっすり眠れる。おなかの調子もいい。シンプルですが、これに尽きると思います。幸せは人と比べるものではありません」と有元さんは言う。
「失敗したって大丈夫。そこから始まります」「日常茶飯事こそ大事にしたい」ーー。料理の仕方のみならず、人生を前に向かって進むための追い風や羅針盤となる言葉も、惜しみなく盛り込まれている。
だしは日々の料理の土台、暮らしの支え

いりこや昆布を水に漬ける。それだけだ。だしは一度にとり、小分けして保存するとよい
有元さんが料理で大切にしていることのひとつが、だしをとること。いりこ、昆布を水に漬けるだけの「水出し」の、すっきりとして旨みたっぷりの味は格別だ。だしさえあれば、くたくたに疲れて帰ってきても、冷蔵庫に青菜や卵や麺があれば、10分もあればすこやかな食卓が整う。結局のところ、「時短にも体のメンテナンスにもなります」。
気軽に作って楽しむ、おやつの時間

「おうちのおやつは形がふぞろいでも、ちょっとふくらみが足りなくても大丈夫」。一緒に作って食べた楽しい時間が心の栄養になっていく
この本には、有元さんが作り続けてきたお菓子も紹介されている。カスタードクリームをたっぷりはさんだケーキ、あげたてのドーナッツ、サッと作って焼きたてを食べるスコーン。気楽に作ったおやつをほおばり、家族や友人との他愛もないおしゃべりを楽しむお茶の時間。「そんなささやかな喜びが、日々を生きる力になっていくのだと思います」。

りんご1個、いちご1パック、庭やベランダでとれた果物。そんな少量の果物をサッと煮て作る「ちょこっとジャム」も日々のささやかな楽しみ。撮影は、英国を拠点に世界を舞台に活躍する写真家・杉浦由紀さん。杉浦さんの帰国の折に撮影をし、重ねてきた連載が1冊に
体の声をよく聴き、日々の糧を自分で作る。「自分で作ることで、何を食べたいか、何を食べたら体が喜ぶか、わかるようになります。自分で作れば心身が調い、暮らしが整い、人生そのものが豊かになっていきます」。
猛暑や大雨が続き、世界では争いが絶えない。そんな時代だからこそ、私たちにできることは“日々の当たり前のこと”に感謝し、自分の足もとの暮らしを大切にすること。この1冊を、日々を営むための、そして豊かな人生を築くための水先案内として役立ててほしい。

有元葉子さんが長年作り続けてきた味の最新形と、しなやかな生活哲学が1冊に。
『おいしい!は生きる喜び 自分で作れば、人生が変わる』有元葉子
¥1,980(税込)/集英社 10月5日発売
【ご予約はこちらから】
アマゾン

有元葉子(ありもとようこ)
料理家。素材を生かしたシンプルで力強い料理と、環境にも配慮した心地よい暮らし方に多くの共感が集まり、著書は100冊を超える。使いやすく美しい調理道具「ラバーゼ」シリーズを提案し、東京でセレクトショップ「SHOP281」を経営。イタリア・ウンブリアと信州にも家を持ち、東京と信州、イタリアでの生活を楽しむ。
公式サイトはこちら
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