BY MASANOBU MATSUMOTO
長井 豊さんは、金細工の本場イタリアで修行を積み、2008年にローマ金銀細工師協会の最優秀賞「プレミオ・ルーカ」を受賞。現地ローマの職業組合に日本人で初めて加入した職人でもある。大胆な発想と、伝統的な金工細工の繊細な技がマッチした作品の作り手だ。

長井 豊さんの 《バロックバスケットペンダント》¥2,370,000
村松 司さんの専門は、エナメル細工。日本においても七宝と呼ばれ、明治期より花瓶などの器の彩色に使われてきた技法だ。村松さんは、エナメルに彫金技術を組み合わせ、植物などのモチーフをジュエリーで表現。現代のアール・ヌーヴォー(植物をモチーフにした曲線的なデザインが特徴の装飾様式)的装飾と呼ぶべき、優雅な美しさが新鮮である。

村松 司さんの 《ヤグルマギクのブローチ》¥810,000
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF ARTIST
多彩な技と豊かな感性が融合し、生み出された比類なき美の結晶は、“ジャパニーズ・ジュエラー”と一括りにはできない多様な個性を見せる。5人の名工たちの作品から、ジュエリーの魅力や楽しさを改めて発見できるはずだ。
『五人の会 -ファイブ・ヴァーチュオーシ-』展
会期:3月7日(土)〜8日(日)
会場:ウエダジュエラー 帝国ホテル店
住所:東京都千代田区内幸街1-1-1 帝国ホテルアーケード
営業時間:7日/11:00〜19:00、8日/11:00〜18:00
電話:03(3503)2587