今年1月に開業した中国・上海郊外のリゾート「アマンヤンユン」。ダムに沈む悠久の森を周辺の古民家もろとも移し替えるという一大事業を成功させた実業家マー・ダードン氏が、オープンまでの経緯を語る

BY KYOKO SEKINE, PHOTOGRAPHS BY SATOKO IMAZU

 アマンヤンユンには、知の殿堂として、同じく撫州市から移築され美しく復元された「楠書房(ナン シュウ ファン)」がある。このエレガントなパビリオン内部や、芸術的な家具、調度品には、現在では政府が伐採を厳重に管理している稀少な木材「Golden Silk Nan Mu」(金絲楠木)が多用されているが、すべて明時代の家具調度品を再生して使用したものである。

画像: 「楠書房」の建物内。両脇に石造りの水場があり鯉が泳ぐ。館内の木造部分は、現在伐採禁止となった「金絲楠木(Golden Silk Nan Mu)」製。明代に造られたものを解体、再生させた貴重なもの

「楠書房」の建物内。両脇に石造りの水場があり鯉が泳ぐ。館内の木造部分は、現在伐採禁止となった「金絲楠木(Golden Silk Nan Mu)」製。明代に造られたものを解体、再生させた貴重なもの

画像: 複雑な天井の飾りや木彫りなど建築美を完全に復元

複雑な天井の飾りや木彫りなど建築美を完全に復元

書房内では、書道、香道、伝統音楽、絵画、刷り絵、瞑想など、それぞれの師とともに学べる体験が提供されている。さらにマー・ダードンのこだわりは食の提供にも及び、ホテル内の中国料理レストランのメインメニューの多くは、上海料理ではなく江西省の郷土料理にインスパイアされたものだ。

画像: 中国香道では、番紅花(サフラン)や玫瑰花(バラ)、香木(伽羅)などの香花や香木を炷(た)き香りを鑑賞する

中国香道では、番紅花(サフラン)や玫瑰花(バラ)、香木(伽羅)などの香花や香木を炷(た)き香りを鑑賞する

画像: 「楠書房」の茶道の師は、中国茶に魅せられ上海に移住したアメリカ人。中国茶の極意を穏やかな語り口調で伝授してくれる

「楠書房」の茶道の師は、中国茶に魅せられ上海に移住したアメリカ人。中国茶の極意を穏やかな語り口調で伝授してくれる

画像: 中国料理レストラン「LAZHU(ラツゥ)」で提供されるのは、中国でも珍しい江西料理をアマン流にアレンジしたもの

中国料理レストラン「LAZHU(ラツゥ)」で提供されるのは、中国でも珍しい江西料理をアマン流にアレンジしたもの

 現アマン会長兼CEOのドロニンが、「未来へのアーカイブとして誇りをもって継承できる」とアマンヤンユンを語っているように、ここは、単なるホテルではなく、マー・ダードンの心の故郷であり、これから生涯をかけて手を入れていきたいと願う理想郷なのかもしれない。

 

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