豊かな風土に彩られた日本には、独自の「地方カルチャー」が存在する。郷土で愛されるソウルフードから、地元に溶け込んだ温かくもハイセンスなスポットまで……その場所を訪れなければ出逢えないニッポンの「ローカル・トレジャー」を探す旅へ出かけたい。南アルプスや八ヶ岳連峰が深緑に包まれる初夏、山梨県北西端に位置する北杜市を訪れた。移住者や二拠点生活者も多く、進化し続けるこのエリアで、圧倒的な山岳景観を望みながら洗練されたカルチャーの数々に触れた

BY TAKAKO KABASAWA, PHOTOGRAPHS BY YUKO CHIBA

無二のアート空間に遊ぶ

 北杜市には数多の美術館や博物館が集まり、地域をあげてアートツーリズムに力を注いでいる。そうした公共の芸術施設もさることながら、遠方からもファンが集う指折りのギャラリーが存在する。今回訪れたのは、担い手の人生模様に裏付けられた、空間とアートのフュージョンに心遊ぶ3軒。心地よい刺激を堪能してほしい。

《SEE》
「GASBON METABOLISM(ガスボン メタボリズム)」感性の新陳代謝を促すアート空間

画像: 敷地面積1000㎡以上の工場跡地がアート空間に。オートモアイの巨大なバルーンフィギュアや宮原嵩広の《missing matter》は収蔵作品として常設

敷地面積1000㎡以上の工場跡地がアート空間に。オートモアイの巨大なバルーンフィギュアや宮原嵩広の《missing matter》は収蔵作品として常設

 現代アートとは、何なのか?どんな視点で、どんな価値を見出せばよいのか──“頭でっかち”な大人となった今、つい理論で立ち向かおうとしてしまう。だが、圧倒的な体積や物質的な存在を超えたアートを前にすると、言葉による理解は必要ないのだと気づく。「瞬間的にわからなくても、個人的な体験を重ねて自分の視座とアティチュードで楽しめたら十分です」と語るのは、「GASBON METABOLISM」のオーナー・西野慎二郎さんだ。ここは国内外のアーティストやクリエイターが作品の制作やメンテナンスをしながら長期滞在できるレジデンシーであり、作品を保管・展示するスペースでもあり、購入可能な作品も扱うギャラリーでもある。クリエイティブの多目的施設をコンセプトに据え、巨大なアートの実験的な施設として2022年8月にオープンした。

画像: 30年以上にわたり、アートやカルチャーの新たな才能との共創を実現する西野慎二郎さん

30年以上にわたり、アートやカルチャーの新たな才能との共創を実現する西野慎二郎さん

画像: 幅広いテイストのアートに合わせて、空間の印象も一変。まるで巨大なアートのおもちゃ箱のよう。作品は玉山拓郎《DIRTY PALACE REVISITED》

幅広いテイストのアートに合わせて、空間の印象も一変。まるで巨大なアートのおもちゃ箱のよう。作品は玉山拓郎《DIRTY PALACE REVISITED》

 西野さんがアートビジネスに関わったのは、大学卒業後にソフトウェア/IT業界でクリエイティブ知財のライセンスに携わったことに始まる。ファインアートと商業アートのヒエラルキーに疑問を感じたことから、若手のアーティストにとってキャリアの可能性を広げるために1996年にアート関連の出版レーベル「GAS BOOK」を立ち上げる。その10年後には、リアルに作品を展示できる場として西麻布にギャラリー「CALM&PUNKGALLERY」を開設。

 多角的にアートを見つめてきた西野さんが次に目指したのが、アーティストのモチベーションを高める刺激的な場を企てることだった。巨大なスタジオをアーティストに解放することで、将来持つべき大きなアトリエや大型作品のイメージを抱いて欲しいという願いが込められている。広大な敷地では複数のアーティストが同時に創作することも可能。初対面のアーティストが互いの作品を設営する時間を共有することで、インスタレーションとしての価値を生み出す「出張モノローグス」というエリアも企画。さらに、若手だけに限らずベテランのアーティストと時空を共有し、アーティスト同士の創作の芽を育む場としても注目を集めている。

画像: 西野さんが手がけるアート関連の出版レーベル、「GAS BOOK」の書籍も揃う

西野さんが手がけるアート関連の出版レーベル、「GAS BOOK」の書籍も揃う

画像: 取材時に開催されていた「出張モノローグス#3」。写真中央は、木村桃子さんの「星をたくわえたひと」

取材時に開催されていた「出張モノローグス#3」。写真中央は、木村桃子さんの「星をたくわえたひと」

 来場者へのもてなしの場ではなく、アーティストファーストをコンセプトとした「GASBON METABOLISM」。それだけに、訪れる最大の楽しみは滞在アーティストの制作風景を垣間見たり、直接アーティストとコミュニケーションを持てることにある。今回の取材時には、陶芸オブジェを手がけるRena Kudohさんが滞在。自作の火の神様にメキシコの蒸留酒をお神酒として捧げ、窯入れの無事を祈ったというエピソードを明かしてくれた。さらに、移住者の多い地域性をいかし、クリエイティブなマインドを持つ人の集いの場として、新たなコミュニティも生まれている。英語で“新陳代謝”を意味する“METABOLISM”を冠した効果は、アーティストだけでなく北杜に住まう人々や、ここを訪れる人にも波及しているようだ。

 絵画や彫刻、抽象的なオブジェから写真やデジタルを駆使したインスタレーションまで。バラバラのジャンルが一つの空間で溶け合う光景を、西野さんは「自らの原風景」だと語る。福岡の大学で、美術教員を養成するコースを学ぶなか、コンパクトな学舎に多様な創作に没頭する学生が集って互いに影響しあった体験が、この施設の絶妙な調和を生み出したともいえる。建物を後にして、ふとサン=テグジュペリの『星の王子さま』を思い出した。王子さまが箱の中に羊を見出したワンシーンのように、アートへの先入観や疑問を忘れ、心に浮かんだ「?マーク」と素直に向き合うことで、目に見えない“本当に大切なもの”が感じられるのかもしれない。

画像: 作品を制作するRena Kudohさん。棚には完成を待つ作品がいくつも並べられている

作品を制作するRena Kudohさん。棚には完成を待つ作品がいくつも並べられている

画像: ギャラリーの“倉庫びらき”は毎週金曜〜月曜、インスタグラムでイベントやスケジュールの変更を随時更新

ギャラリーの“倉庫びらき”は毎週金曜〜月曜、インスタグラムでイベントやスケジュールの変更を随時更新

住所:山梨県北杜市明野町浅尾新田12
電話:0551-30-4090
公式インスタグラムはこちら

《SHOPPING》
「diorama(ジオラマ)」温故“刷新”の美を見つけに

画像: 工場だった頃の気配を残しながら、細やかな美意識が宿る空間へとリノベーション

工場だった頃の気配を残しながら、細やかな美意識が宿る空間へとリノベーション

「古びたものが醸し出す佇まいに美を見いだし、新しい価値を発見する、筺のような存在でありたい──」。その想いから、平尾ダニエル甲斐さんが営むギャラリー「diorama」は2020年に幕を開けた。モルタルの床は、油染みによって重機の痕跡が浮かび、ここが元プラスチック工場だったクロニクルを物語っている。その一方で、配管用の床の溝には砂利が敷き詰められ、枯山水の庭のような趣を醸している。入り口で目を引くのは、深さ120cmもの工業用の坩堝(るつぼ)だ。アルミを溶解していたという巨大な容器を覗くと、なんと天然のポプリが設えられ、意表を突く優しい香りと遭遇する。役目を終えた坩堝が辿り着いた、あまりにもドラマティックな用途に心が踊り出す。窯変を重ねてきた質感も、「diorama」のフィルターを通すと唯一無二のオブジェへと翻訳されるのだ。

画像: 古い坩堝と現代アートが不思議と溶け合って

古い坩堝と現代アートが不思議と溶け合って

画像: ギャラリーを主宰する平尾さん、空間デザインや家具の制作も手がける

ギャラリーを主宰する平尾さん、空間デザインや家具の制作も手がける

 セレクトされたヴィンテージの家具や骨董、巨大な現代アートから若手の工芸作家が手がける作品、さらには自ら制作を手がけるアートや家具まで──。「diorama」に存在するものは、時代も国もテイストさえもボーダーレス。共通するのは、主宰者の平尾ダニエル甲斐さんの“心が動いたもの”ということだけである。インテリアショップで働きながらプロダクトデザインに対する目を養い、リノベーション会社や設計事務所で空間構成の知識やテクニックを重ねるうちに、「自分が美しいと感じる価値を、独自の空間で発信したい」と考えた平尾さんは、30歳という節目でギャラリーをスタート。人々が見過ごしてしまう古い道具や廃材に焔を灯し、形やテクスチャーを少しずつ変化させながら、アート的な価値や用の美として新たな解釈を加えるスタイルを確立した。

画像: バックヤードで出番を待つ“古き”もの、懐かしくも平尾さんの視線を通した新鮮さが潜む

バックヤードで出番を待つ“古き”もの、懐かしくも平尾さんの視線を通した新鮮さが潜む

画像: 壁面をモダンに飾るアートパネルは平尾さんの作、空間に馴染むようにアルミをエイジングさせたという。ヴィンテージの家具やオリジナルの照明なども扱う

壁面をモダンに飾るアートパネルは平尾さんの作、空間に馴染むようにアルミをエイジングさせたという。ヴィンテージの家具やオリジナルの照明なども扱う

 取材に訪れた時には、都内のギャラリーからもオファーが絶えない若き陶芸家「オノエコウタ展」を開催していた。オノエコウタと言えば、独特のエクリュの色味が代名詞という印象だが、今回は古代土器のような割れや欠けがあるクレイカラーの作品が目立った。その点を尋ねると、「diorama」の空間に合わせて新作に挑んだそうだ。ここは、作家自身にとっても新たな試みと可能性を委ねたくなるギャラリーなのだろう。広い空間に点在する作品は、古材のテーブルや北欧のヴィンテージチェスト、モダンなホワイトシェルフなど、異なる表情の“居場所”で、優しい化学反応をおこしていた。決して奇を衒っているわけではない、平尾さんが創り出す「温故“刷新”」の欠片を、旅の証として暮らしのワンシーンへと持ち帰りたい。

画像: オノエコウタの作風には珍しいクレイカラーの器。時代を経た建具や古材を用いた家具と融合し、プリミティブな美しさを放つ

オノエコウタの作風には珍しいクレイカラーの器。時代を経た建具や古材を用いた家具と融合し、プリミティブな美しさを放つ

画像: 外観は工場だった風貌をそのままに、牧歌的な田園風景の一角に佇む

外観は工場だった風貌をそのままに、牧歌的な田園風景の一角に佇む

住所:山梨県北杜市高根町上黒澤841-1
公式サイトはこちら

《SEE&CAFE》
「Gallery Trax (トラックス)」自分の内なる“HOPE”に気づく場所

画像: 展示室の窓から、ギャラリーを照らしてきた「HOPE」の文字

展示室の窓から、ギャラリーを照らしてきた「HOPE」の文字

「八ヶ岳に「Trax」が在るだけでいい──」。その言葉を残し、約20年前に空に旅立った空間デザイナーの木村二郎さんと、パートナーの三好悦子さんによって「Gallery Trax」は誕生した。関西から移住した二人が、かつて保育園だった木造平屋建ての建物に心を動かされたのは1993年のこと。木村さんのインスピレーションに舵を委ね、わずか4ヶ月ほどで、現代アートをしつらえる空間へと姿を変えた。子どもたちの学び舎だった健やかな包容力が礎にあるからだろうか。初めて訪れたとは思えない穏やかな安心感にたゆたいながら室内に目を配ると、 “ありそうで、どこにもない”家具や什器の佇まいに引き寄せられる。廊下に並べられたユニークな形状のベンチや置き時計のオブジェ、カフェの椅子さえも一つ一つスタイルが異なり、わずかな滞在時間ですっかり「Trax」という“作品”に魅了されてしまった。

画像: 古き良き時代にタイムスリップしたかのような外観、垣根のない優しさで訪れる人を温かく迎え入れてくれる

古き良き時代にタイムスリップしたかのような外観、垣根のない優しさで訪れる人を温かく迎え入れてくれる

画像: 展示室からカフェにつながる廊下には、一つとして同じものがないオブジェのような木村さんの家具が並ぶ

展示室からカフェにつながる廊下には、一つとして同じものがないオブジェのような木村さんの家具が並ぶ

「土の上で暮らしたい──」。それが縁もゆかりもないこの地に、大阪から移り住んだ理由だ。田舎暮らしを謳歌するかと思いきや、単調な日々にエネルギーを持て余しギャラリーを始めたいと考えた。いずれも言い出しっぺは、自称“おてんば”と語る三好さん。物件探しをするなかで、お寺の境内にある元・保育園の建物に出会い、ノスタルジックな佇まいを見て木村さんの血が騒いだという。自らの手でリノベーションをしてギャラリーが完成すると、木村さんのモノ作りへの情熱はますます加速する。

 展覧会に合わせ、什器はもちろん空間から大胆に造り変え、巧妙な仕掛けとなって訪れる人を驚かせる。作品の印象がスポイルされることなく、インパクトが120%も150%も昇華される装置。照明から設えまで、ドアを開けるたびに全く違う場所を訪れたような演出は、アーティストにとっても、訪れる人にとっても意表を突く刺激となった。さらに木村さんは、解体される古民家から出た古材や廃材に、鉄やガラスといった硬質なマテリアルを組み合わせて、斬新な家具を生み出す。100年前の木材を使いながらも全く古さを感じさせない作品は、多くのクリエイターの目に止まり多くの店舗設計や空間デザイン手がけるように。今では世界へと羽ばたいた気鋭の若手アーティストにとっても、「Trax」は創造力の“着火点”となった。

画像: ギャラリーのオーナー兼キュレーターとして運営を続けている三好悦子さん

ギャラリーのオーナー兼キュレーターとして運営を続けている三好悦子さん

画像: 入り口のシンボルは、薪ストーブと木村さん作の個性的な椅子

入り口のシンボルは、薪ストーブと木村さん作の個性的な椅子

 2004年に56歳という若さで旅立つ少し前に、木村さんは展示室の窓ガラスに白いペイントで「HOPE」という言葉を綴った。「9.11」の悲劇を機に、社会のあり方やお金の価値観、人と自然の未来に心を寄せ、案じていたある日、「遠くに灯りが見えるんだけど、消えそうなんだよね」と語り、「HOPE」の文字をしたためた。それを見た三好さんが「まだ地球にHOPEはあるの?」と尋ねると「消えそうだけど、まだ付いているよ」と告げた。

 今年は、ギャラリーにとって30周年のアニバーサリー。「Gallery Trax」と所縁のあるアーティストの企画展が開かれている。そのラストを飾るのは、12月に開催される「木村二郎展」である。「二郎さんが、この空間を残してくれたから。彼は日常の中に非日常を見つける天才、すごく格好いい人でした」。木村さんの肉体は土に還ったが、いくつもの愛おしさが層となって詰まった、この建物こそが今では最愛の存在だという。いざというときに頼りになり本当に必要なのは、実は、きちんと手入れされ、しっかりと世界に根を張った「自分」なのだ、と三好さんの佇まいが教えられたような気がする。そして、「HOPE」とは、自分の内側にあるものだと気づいた。

画像: 小麦粉やバターを使わない自家製の焼き菓子と、湧き水で割ったエルダーフラワーのジューズ。木村さんの作った椅子に座って楽しみたい

小麦粉やバターを使わない自家製の焼き菓子と、湧き水で割ったエルダーフラワーのジューズ。木村さんの作った椅子に座って楽しみたい

画像: 現在、三好さんのパートナーを務める愛犬のビビ。出勤後の定位置はカフェのソファ

現在、三好さんのパートナーを務める愛犬のビビ。出勤後の定位置はカフェのソファ

住所:山梨県北杜市高根町五町田1245
電話:080-5028-4915
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移住シェフのセンスが光る一皿を

 美食を求め心して訪れたときよりも、無防備に訪ねて意表を突く美味しさに出会ったときほど大きな感動が得られる──。ご紹介する食体験は、まさに後者のごとし。この地に移住してきたオーナーによる、三者三様のセンスが光る自慢の一品を、心地よい空間で堪能したい。

《EAT》
「sundaysfood」 旅先の“よき一日”をつくる“よき一皿”

画像: 朝のサンドイッチの中でも人気の高いアボカドチーズトーストは、鉄板でグリルしたフォカッチャの香ばしさとチーズの溶け加減が絶妙

朝のサンドイッチの中でも人気の高いアボカドチーズトーストは、鉄板でグリルしたフォカッチャの香ばしさとチーズの溶け加減が絶妙

 旅から戻ると、何日かはその余韻を引きずっている。漠然とした思い出の合間に、はっきりと形になって浮かんでくるのは土地の空気感と食べた物の記憶だ。「あの人参のピューレには何のスパイスを使っているのだろう」とか「フォカッチャは香り高かった」とか「こぼれ落ちたパンくずと溶け合う木の床が印象派の絵画みたいだった」など……。食べた時の情景を思い出しているうちに、場面がつながって旅の輪郭が色濃く浮かび上がる。「sundaysfood」で過ごした時間も、日常の中でふと蘇る美味しい記憶のひとつ。「アボカドチーズトースト」の香ばしさを記憶の引き出しから取り出すと、かつて資材置き場として使われていた木造平屋建ての小屋に風と光が行き交う、清々しい空気感に包まれる。

画像: 昔の梁をそのままに活かした天井の高い吹き抜けの空間はイギリスの食堂をイメージしたという

昔の梁をそのままに活かした天井の高い吹き抜けの空間はイギリスの食堂をイメージしたという

画像: お好み焼きからスイーツまで、振り幅の広い美味しさを提供してくれる大給亮一さん

お好み焼きからスイーツまで、振り幅の広い美味しさを提供してくれる大給亮一さん

 オーナーでありシェフの大給亮一さんは神戸の出身。ブティックやレストランを中心にフラワーディスプレイを手掛ける仕事に就いたのち、お好み焼きと独創的な料理をカウンターで振る舞う店を始めて話題となる。7年前に家族とともに山梨へ移住し甲府で飲食店をスタートさせ、2021年に現在の店舗を構えた。朝8時半のオープンと同時に賑わいを見せ、週末ともなると行列ができる人気店となった。

 メニューに連なるのは、今でもお好み焼きを看板に自家製のパンやスイーツ、個性豊かなナチュールワイン、現地買い付け豆をオリジナル焙煎で提供する甲府の「AKITO COFFEE」の香り高い珈琲。「どんな人でも入りやすいように、間口が狭くならないようにしたかった」と大給さんが語るように、料理のランナップも空間も、包容力の広さを感じる。壁には「ここは、田舎の“小屋”です。特別なものは、ございませんが、人の話し声、スプーンと食器がかさなる音、風や雨の音、土の匂いなど、“よき1日”になるものは揃っています。特別な日も、普通の日も、ゆっくりとお過ごしください」というメッセージが貼られている。この言葉こそ、何度でもここを訪れたくなるのに十分な理由といえる。

画像: ピスタチオをアクセントに、素朴な甘さが口中を優しく満たす「しっとりチーズケーキ」

ピスタチオをアクセントに、素朴な甘さが口中を優しく満たす「しっとりチーズケーキ」

画像: エイジングを重ねた不揃いの家具と、壁際の古いピアノがノスタルジックな空気を奏でている

エイジングを重ねた不揃いの家具と、壁際の古いピアノがノスタルジックな空気を奏でている

画像: 窓辺のカウンターからは、甲斐駒ヶ岳を一望できる

窓辺のカウンターからは、甲斐駒ヶ岳を一望できる

住所:山梨県北杜市高根町五町田1227-1
電話:0551-88-9011
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《EAT&BUY》
「MANGOSTEEN HOKUTO(マンゴスチン ホクト)」 美酒美食を堪能する迷宮食堂

画像: ビールの製造後に残る麦芽を練りこんだ皮が独特の風味となった蒸餃子。テイクアウト可

ビールの製造後に残る麦芽を練りこんだ皮が独特の風味となった蒸餃子。テイクアウト可

 美味しいものは無条件に人を幸せにするが、珍しい食べ物は未知の冒険をするかのように人をワクワクさせる。2022年の秋にオープンした「MANGOSTEEN HOKUTO」は、そのどちらも満たしてくれる店である。インダストリアルな建物には、3つの機能が共存。自社輸入によるメキシコのクラフトスピリッツ“メスカル”を扱う「万珍酒店」、クラフトビールの工場としての機能を持つ「万珍醸造」、そしてビールとの相性も抜群の食堂「万珍包」。いずれも万(よろず)珍しいものに出会えるという意味を込めて「万珍(まんちん)」という名前を掲げている。一見すると飲食店とは思えない空間は、向かって左手に同店オリジナルのクラフトビールが納まったリーチインを据え、右手にはポップなラベルを纏ったメスカルのボトルがずらり並ぶ。入り口正面のステージを登ると、その奥には大きなステンレス製の醸造タンクが鎮座。地図のない探検をするように奥へと進んでも、一向に食堂らしき場所は見当たらない……。

画像: 工場の跡地だった雰囲気をそのままに残した無機質な空間。中央の大きなテーブルには、器やグラス、オブジェなど、洒脱なヴィンテージ小物も販売

工場の跡地だった雰囲気をそのままに残した無機質な空間。中央の大きなテーブルには、器やグラス、オブジェなど、洒脱なヴィンテージ小物も販売

画像: 東京・西麻布でクラブシーンの最前線を彩り、独創的なケータリングユニットとして注目されてきた「MANGOSTEEN」。北杜のオープンに伴って、代表の齋藤大典さんはこの地と東京の2拠点生活に

東京・西麻布でクラブシーンの最前線を彩り、独創的なケータリングユニットとして注目されてきた「MANGOSTEEN」。北杜のオープンに伴って、代表の齋藤大典さんはこの地と東京の2拠点生活に

画像: 工場の食堂の面影をそのままに残す食堂「万珍包」

工場の食堂の面影をそのままに残す食堂「万珍包」

 実は、こちらの建物は前編で紹介した現代アートギャラリー「GASBON METABOLISM」と同じ敷地に建つ。カメラの三脚メーカー「ベルボン」の元工場で、社員食堂があった棟をリノベーションした。内側からは迷路のように見つけにくいが、建物を出て裏手に回ると食堂「万珍包」の小さな入口が目に止まる。ペパーミントグリーンの壁に、レトロな赤いテーブルや椅子は、当時のまま。気取らずに、珍しい酒と料理を味わうための完璧な舞台装置のようだ。

 ここで是非とも賞味したい一品は、ビールを製造する際に残る麦芽を皮に練りこんだ「蒸餃子」である。香ばしく、もっちりとした琥珀色の皮に包まれている具材は、「豚肉と発酵大根」「鹿肉味噌漬けごぼう」「春菊と葱」「鶏肉と柚子と発酵大根」の4種類。中の具材にしっかりと味がついているため、まずは何もつけずに一口。味変を求めるなら、自家製の唐辛子味噌と黒酢で楽しみたい。食材の珍しいマリアージュを、冷えた缶ビールで流し込む。まだまだ、日本には未体験の美酒美食があるからこそ、「日常にない、どこか」を求める旅はやめられない。

画像: 月間最大8,000リットルの製造が可能な醸造設備、裏山の茅ガ岳の地下水が含まれる上質な水が仕込み水の万珍なクラフトビール製造所。現在は10種類のオリジナルをリリース

月間最大8,000リットルの製造が可能な醸造設備、裏山の茅ガ岳の地下水が含まれる上質な水が仕込み水の万珍なクラフトビール製造所。現在は10種類のオリジナルをリリース

画像: アガベと水を発酵させて蒸留したクラフトスピリッツの「メスカル」

アガベと水を発酵させて蒸留したクラフトスピリッツの「メスカル」

画像: エントランスの左右にはロフトを備え、下部のバーラウンジは絶妙に居心地が良い。食堂とバーは金曜〜日曜の週末のみのオープン

エントランスの左右にはロフトを備え、下部のバーラウンジは絶妙に居心地が良い。食堂とバーは金曜〜日曜の週末のみのオープン

住所:山梨県北杜市明野町浅尾新田31-1
電話:0551-45-6773
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《EAT》
「コジシタ八ヶ岳」 森の異空間で味わうオイスター尽くし

画像: 生牡蠣の「欲張り全種」と「オイル漬け」を、北杜のナチュールワイン「パスレルブラン」とともに

生牡蠣の「欲張り全種」と「オイル漬け」を、北杜のナチュールワイン「パスレルブラン」とともに

 旅に出たら、その土地のものを食すというのは美味しいものに辿り着く鉄則である。だが、流通の発達している今の時代、いつでも、どこにいても上質な食材は手に入る。大切なのは、それを扱う“人”なのだと「コジシタ八ヶ岳」を訪れて確信する。笑顔で迎えてくれたのは、森田信子さんと娘の夕季さんだ。森田さんは、牡蠣のスペシャリストとして麻布十番で人気のオイスターバー「コジシタ」を経営。全国各地に加え世界にも独自のルートを築いてきたキャリアから、季節ごとに最適な産地から上質な牡蠣を仕入れてオイスターファンを虜にしてきた。海水の状態が牡蠣のクオリティに大きく影響することから、海域や生産者を厳選し、安全な牡蠣を提供することにこだわる。そのハイレベルな牡蠣を求め、周辺の別荘に滞在する美食家の間でも話題となり、麻布時代の常連までが店を訪れる。

画像: 食べ物と身体の関係を追求した料理教室やグリーンツーリズムにも携わってきた森田信子さんと、お菓子づくりが得意な娘の夕季さん

食べ物と身体の関係を追求した料理教室やグリーンツーリズムにも携わってきた森田信子さんと、お菓子づくりが得意な娘の夕季さん

画像: 衣が薄く、ミディアムレアに仕上げた牡蠣の旨みをダイレクトに感じる絶品カキフライ

衣が薄く、ミディアムレアに仕上げた牡蠣の旨みをダイレクトに感じる絶品カキフライ

 自慢の生牡蠣はもちろん、クリーミーな牡蠣フライも甲乙つけがたい。さらに、東京で行列のできるキッチンカーを手がけていた、夕季さん自慢のエスニック料理も看板メニューの一つ。生牡蠣を白ワインで流し、オイル漬けでもう一杯……。カキフライを注文する頃には、そろそろ、ここが山の中だということを忘れてしまいそうだ。絶品の牡蠣を振る舞う「コジシタ八ヶ岳」のもう一つの顔は、器の店「iito(イイト)」を併設していること。自分たちの料理を引き立てる器を探し求める中で、数々の作家と出会い器を扱う展開へと発展した。料理と器の幸せな関係を、旅から戻った日常でも体現したくなる。

画像: 見た目にも愛らしい夕季さんの焼き菓子を旅の余韻の手土産に

見た目にも愛らしい夕季さんの焼き菓子を旅の余韻の手土産に

画像: プラネタリウムのような天井の高いドーム型の建物が気持ちまで解き放ってくれるよう

プラネタリウムのような天井の高いドーム型の建物が気持ちまで解き放ってくれるよう

画像: 森の中のドームハウスが目印。ランチは水、土のみ。ディナーは木、金、土。Instagramを要確認

森の中のドームハウスが目印。ランチは水、土のみ。ディナーは木、金、土。Instagramを要確認

住所:山梨県北杜市大泉町西井出8353-1
電話:0551-38-3070
公式インスタグラムはこちら

ナチュラルワインと極上の別荘時間

 別荘ライフを楽しむように、こなれた大人の旅時間を過ごす……そんな理想が手軽に叶えられる話題の“セカンドホーム”が今回のステイ先だ。ひとつ上の“別荘ご飯”のためのナチュールワイン専門店と合わせてご覧いただきたい

《STAY》
「SANU 2nd Homeー八ヶ岳2nd(サヌ セカンドホーム)」 眠っていた感性を呼び覚ます“ネオ”別荘時間

画像: 八ヶ岳には2箇所に拠点があり、2ndには13棟のキャビンが並び、そのうち3棟は愛犬との宿泊も叶う。初回はトライアルステイも可能(1泊¥33,000➕清掃代)

八ヶ岳には2箇所に拠点があり、2ndには13棟のキャビンが並び、そのうち3棟は愛犬との宿泊も叶う。初回はトライアルステイも可能(1泊¥33,000➕清掃代)

 子供の頃には、自然をまっすぐに見つめ、何もないところから遊びを見出せた。そんな自然との向き合い方を成長の過程で置き忘れてしまったのか、大人は目的や手段がないと時間を持て余しがちである。ならば、その感性を少しでも取り戻したいと訪れたのが、豊かな自然の中にセカンドホームを持つサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」だ。コンシェルジュや料理人はいないけれど、解放感のあるモダンな空間と充実したキッチン設備を備え、旅先に居ながらにして“もう一つの自分の家”で過ごすことができる。

 まずは、森の中で拾った石にアロマオイルを染み込ませてベッドサイドに置いてみる。ベランダでキャンドルを灯し、中編でご紹介した「MANGOSTEEN HOKUTO」で買い求めたクラフトビールで一息つく。キャビンの周囲に咲く、素朴な野の花をダイニングテーブルやローテーブルに飾る……。自分の空間へとカスタマイズしながら、遠い記憶から自然との遊び方を手繰り寄せる。

画像: 愛用のエッセンシャルオイルを持ち込んで。特別なディフューザーはなくとも、森の石が香りを受け止めてくれる(オイルやトレイは私物)

愛用のエッセンシャルオイルを持ち込んで。特別なディフューザーはなくとも、森の石が香りを受け止めてくれる(オイルやトレイは私物)

画像: テラスで森の木々を眺めながら、至福のトワイライトタイムを(キャンドルは私物)

テラスで森の木々を眺めながら、至福のトワイライトタイムを(キャンドルは私物)

「SANU 2nd Home」のサービスが開始されたのは2021年。月額¥55,000で月7回まで使える、全く新しい別荘ライフの提案として話題を呼んだ。現在(2023年7月の時点)は、八ヶ岳を始め、軽井沢や山中湖、伊豆高原、安曇野など11拠点に62室が立つ。個人で別荘を所有する場合には、修繕や季節ごとの風通し、滞在の前後には掃除など、管理と保持にまつわるエトセトラが不可欠だ。ここでは、その煩わしい部分だけを取り除き、複数の拠点の別荘をシェアできる。

 木の鼓動が感じられる三角形のキャビンは、森の保全を掲げ、岩手県の釜石市と提携した間伐材のみを使用。独創的なフォルムにも理由があり、できる限り木々の枝を伐採せずに森を身近に感じられるための工夫だという。さらに、自然への負荷を加味し、数十年後に建物を解体したら元の森の姿に返せるように、地中に杭を打つことなく高床式の構造を考案。また、今年からは各拠点の脱炭素化を目指し、CO2の発生しない電力供給を行う「ハチドリ電力」を採用した。すべてが“森ファースト”で考えられ、地球への優しさが人間の心地よさと溶け合う空間を体感することができる。

画像: 室内のデザインも独創的。壁の中に収まるようにしつらえたベッドは冒険小説の屋根裏部屋のようでもある

室内のデザインも独創的。壁の中に収まるようにしつらえたベッドは冒険小説の屋根裏部屋のようでもある

画像: 入り口を入ってすぐの位置に設えたダイニングスペース。天井も高いため、調理中の煙などもベッドに入る頃には自然と換気されている

入り口を入ってすぐの位置に設えたダイニングスペース。天井も高いため、調理中の煙などもベッドに入る頃には自然と換気されている

 室内を入ると、真っ先に目に入るのは開放感のあるアイランドキッチンとダイニングテーブルだ。通常、ホテルなどはベッドルームを基調に設計されているのに対して、「SANU 2nd Home」はキッチンが主役。調理器具や調味料、食器類も充実しているため、準備するのは食材だけ。その調達は、移住者も多く訪れる、「ひまわり市場」へ。地産の野菜はもちろん、人気ベーカリーのパン、こだわりの養鶏ファームの卵などが一堂に会する。キャビンの入り口で見つけた大きな葉っぱや木ノ実も装飾に加え、魚やジャガイモをグリルする間に、ワイングラスを傾けチーズを一欠片つまみ食い……。ゆったりと夕食を準備することが、これほど贅沢な時間だったということも森のキャビンが教えてくれた。

画像: 「ひまわり市場」(http://himawari-ichiba.com)で調達した食材。牛乳やヨーグルトなども、広く流通されていない地元のファームのものが揃う

「ひまわり市場」(http://himawari-ichiba.com)で調達した食材。牛乳やヨーグルトなども、広く流通されていない地元のファームのものが揃う

画像: 豊富なテーブルウェアやカトラリーに加え、グラスのバリエーションも豊富。ワインオープナーやコーヒーサーバーも完備

豊富なテーブルウェアやカトラリーに加え、グラスのバリエーションも豊富。ワインオープナーやコーヒーサーバーも完備

住所:山梨県北杜市大泉町谷戸 5771-221
公式ホームページはこちら

《BUY》
「Wine Shop soif(ソワフ)」 ナチュラルワインとの一期一会を味わう

画像: 暑い夏にぴったりなロゼのスパークリングから、クリーンな白ワイン、軽やかな赤ワインまで。ワイナリーの物語や人間模様を聞きながら、好みの1本を選び抜く時間も特別

暑い夏にぴったりなロゼのスパークリングから、クリーンな白ワイン、軽やかな赤ワインまで。ワイナリーの物語や人間模様を聞きながら、好みの1本を選び抜く時間も特別

 夏の陽気なムードと森の瑞々しさの中で楽しむワインを求めて訪れたのは、国道の裏道に佇む隠れ家のような「Wine Shop soif」だ。ここは、少ロット生産の個性派ワインが常時5000本以上も揃う、ナチュラルワインの専門店である。オーナーの窪田裕介さんは、大学卒業後にイギリスへ留学、バックパッカーをしながらヨーロッパの食と酒のカルチャーを巡った。その後、山梨に戻り25歳にして店を構えた。フランスやイタリア、スペイン、オーストリアなど……ナチュラルワインの生産者を直接訪れることはもちろん、毎年ロワールで開催される世界的な試飲会へも足繁く通いながら、独自の視点でワインの魅力を語り続けている。

画像: 地下のワイン保管ブース。品質を管理するため、室内は常に16℃に保たれている

地下のワイン保管ブース。品質を管理するため、室内は常に16℃に保たれている

画像: オーナーの窪田裕介さんが解説してくれるワインは、作り手のライフスタイルまでもが風景として伝わるようだ

オーナーの窪田裕介さんが解説してくれるワインは、作り手のライフスタイルまでもが風景として伝わるようだ

 ナチュラルワインは、小規模生産の個性的なテロワールが表現されている。窪田さんが特に心がけてセレクトしているのは、できる限り自然に負荷をかけず、ワインに対して余計な手を加えすぎないという哲学を持った作り手の品。何も足さないで造るからこそ、その年ごとの気候の影響によって味が変化する。そんな“ありのままの味わい”こそがナチュラルワインの醍醐味だという。「好きなアーティストのアルバムを買うような気持ちで、興味を抱いた生産者のワインを買い続けてみる。それが、ナチュラルワインを楽しむ秘訣です」と窪田さん。

 例えば、ドイツの「Brand Bros」はテクノミュージック好きの30代の兄弟が手がけるワイン。ボトルのエチケットは、彼らの祖母が描いたドローイングが使われている。牧歌的な雰囲気とモダンさが交差する、作り手のストーリーがワインの魅力を増す。また、オーストラリアの「ボラチオ」は元音楽家とグラフィックデザイナーが手がける。ファンキーさとジューシーさが溶け合うスパークリングロゼが夏にぴったりだと勧めてくれた。「SANU 2nd Home」で過ごすために求めた1本は、フランスはロワール地方の「レザランス」というワイナリーの白ワイン。「雪が降った、白はどこへ行くの」という叙情的なネーミングを冠した、ミネラル質の塩気と爽やかな果実味が夏野菜を優雅に引き立ててくれた。窪田さんの心地よい“ワイン語り”に耳を傾けながら、今、この瞬間の気分を投影するワインと出会ってほしい。

画像: アーティーなラベルもナチュラルワインの魅力。ボトルには、窪田さんによる丁寧な手書きのコメントが添えられ、味わいの特徴とともに作り手の個性が一目瞭然だ

アーティーなラベルもナチュラルワインの魅力。ボトルには、窪田さんによる丁寧な手書きのコメントが添えられ、味わいの特徴とともに作り手の個性が一目瞭然だ

画像: ルイスバラカンのキューブ建築を思わせる、白亜の門のような建物。吹き抜けの部分からは八ヶ岳が望める

ルイスバラカンのキューブ建築を思わせる、白亜の門のような建物。吹き抜けの部分からは八ヶ岳が望める

住所:山梨県北杜市長坂町長坂上条2539-43
公式ホームページはこちら

画像: 樺澤貴子(かばさわ・たかこ) クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークや、日本の手仕事を礎とした商品企画なども手掛ける。5年前にミラノの朝市で見つけた白シャツを今も愛用(写真)。旅先で美しいデザインや、美味しいモノを発見することに情熱を注ぐ。

樺澤貴子(かばさわ・たかこ)
クリエイティブディレクター。女性誌や書籍の執筆・編集を中心に、企業のコンセプトワークや、日本の手仕事を礎とした商品企画なども手掛ける。5年前にミラノの朝市で見つけた白シャツを今も愛用(写真)。旅先で美しいデザインや、美味しいモノを発見することに情熱を注ぐ。

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