今回のリストは、アンダーグラウンド映画の巨匠ジョナス・メカスの写真展、コム デ ギャルソンとのコラボレーションで脚光を浴びた画家baanaiの個展『inaiinaibaanai』、そしてデイヴィッド・ホックニーと日本画家の福田平八郎のふたり展

BY MASANOBU MATSUMOTO

baanai 作品展『inaiinaibaanai』ART UP

 新宿・伊勢丹メンズ館のリニューアルにあわせて、同館2階に誕生したギャラリースペース「ART UP」。多くのファッションブランドがアーティストとコラボレートする昨今のトレンドを反映しながら、ファインアートに限らず、多様なカルチャーシーンに関係する作家をピックアップし、紹介していくという。

 そのこけら落としに選ばれたのは、画家のbaanai(バーナイ)。コム デ ギャルソンの川久保玲に自らポートフォリオを送り、そのアートワークがDMやショッピングバッグ、Tシャツ、パーカーなどのグラフィックに採用されたことで、一躍脚光を浴びた新鋭のアーティストだ。この2019年春夏のコム デ ギャルソンのランウェイにも、彼のアートワークが採用された衣装が登場し、注目を集めた。

画像: 《ARIGATOU GOZAIMASU》 2019年、1,167mm×910mm

《ARIGATOU GOZAIMASU》 2019年、1,167mm×910mm

 メッセージ性のある言葉で、キャンバスを埋め尽くすように描くのが彼の真骨頂。当初はイタリア語の「CREDRE(信じるの意味)」や自身のライフワークであるサーフィンにまつわる言葉などを選んでいたが、本展では、この3年ほど継続して創作しているという「ARIGATOUGOZAIMASU(ありがとうございます)」シリーズにフォーカスを当て、そのうちの約100点を紹介する(会期中展示替えあり)。

 アクリル絵の具を使い、キャンバスにアルファベットを描いたものーーそう言うと簡単なものに思えてしまうが、文字自体にバリエーションを加え、また文字の輪郭をペンでなぞったり、グラデーションをつけたりと、グラフィックの面白さを探求した、強度のある作品が会場を埋め尽くしている。なかには文字がまったく見えない作品も。作家いわく、「多重性を表現すべく、一度文字を描いたその上に、さらに見えなくなるように絵の具を塗り重ねたもの」だという(そのかわりキャンバスの背面に「ARIGATOUGOZAIMASU」の文字を記している)。

画像: (左から) 《ARIGATOU GOZAIMASU》 2019年、727mm×606mm 《ARIGATOU GOZAIMASU》 2019年、606mm×500mm PHOTOGRAPHS: © BAANAI

(左から)
《ARIGATOU GOZAIMASU》2019年、727mm×606mm
《ARIGATOU GOZAIMASU》2019年、606mm×500mm
PHOTOGRAPHS: © BAANAI

 この「ART UP」は“買えるアート”を発信する場でもある。断捨離ブームを経て、改めて身の回りにどんなものを置いていくかが問われる今、グッズなどを含むアート的なものが選ばれる傾向にある。本展には新作として、飾りやすくまた購入しやすい、7〜8万円台の小サイズの作品も並んでいる。

baanai 作品展『inaiinaibaanai』
会期:~3月26日(火)
会場:ART UP
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
伊勢丹新宿店メンズ館2階=メンズクリエーターズ
開館時間:10:30〜20:00
会期中無休
電話: 03(3352)1111(大代表)
公式サイト

 

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