今回のリストは、アンダーグラウンド映画の巨匠ジョナス・メカスの写真展、コム デ ギャルソンとのコラボレーションで脚光を浴びた画家baanaiの個展『inaiinaibaanai』、そしてデイヴィッド・ホックニーと日本画家の福田平八郎のふたり展

BY MASANOBU MATSUMOTO

『二人のカラリストの出会い デイヴィッド・ホックニー|福田平八郎』| THE CLUB

 英国を代表する画家デイヴィッド・ホックニー。半世紀を超えるそのキャリアにおいて、時に写真やコピー、ファックスなどを使用し、常に新しい絵画のスタイルを提案してきた、最も影響力のある現代アーティストのひとりだ。また、昨年は、現存する作家の作品において最高値のオークション落札価格をマークしたことも話題になった。

 その生きる巨匠が、じつは戦前から戦後にかけて日本画のシーンを牽引した画家、福田平八郎に強く影響を受けていたのだという。銀座にあるギャラリー「THE CLUB」では、国を超えた2人の作品を並べ、その共通点を探るという意欲的な企画展が開かれている。

画像: (左から) デイヴィッド・ホックニー《Untitled No.12》(「The Yosemite Suite」シリーズより) 2010年、 福田平八郎《花菖蒲》 1970年

(左から)
デイヴィッド・ホックニー《Untitled No.12》(「The Yosemite Suite」シリーズより)2010年、福田平八郎《花菖蒲》1970年

 ギャラリーのマネージングディレクター、山下有佳子によれば、1971年に初来日したホックニーは、京都で開かれていた展覧会『京都日本画の精華展』で福田平八郎の作品に出会っている。またその後に制作されたホックニーの「ウェザー(天気)シリーズ」には、浮世絵や日本画、特に福田作品の影響が強く見てとれるという。

 今回、会場に展示されるホックニーの作品は、「ウェザー シリーズ」ではなく、カリフォルニア・ヨセミテ国立公園の風景を、iPadのペイントツールで描いた「The Yosemite Suite」シリーズが中心だ。だが、むしろ本シリーズのほうが、福田との共通点がよくわかる。というのもホックニーはそこで、赤や青、緑などビビッドな色の線や点を重ねながら、目の前の大自然を描写した。被写体を形ではなく、色を意識しながら描くことーーそれは、カラリスト(色彩画家)とも称された福田平八郎が、まさに作品づくりで試みていたことでもある。

画像: (左から) デイヴィッド・ホックニー《Untitled No.2》(「The Yosemite Suite」シリーズより) 2010年、 福田平八郎《白桃》 1962年 PHOTOGRAPHS BY JUN KOIKE, © THE CLUB

(左から)
デイヴィッド・ホックニー《Untitled No.2》(「The Yosemite Suite」シリーズより)2010年、福田平八郎《白桃》1962年
PHOTOGRAPHS BY JUN KOIKE, © THE CLUB

 福田に関しては、《花菖蒲》を含む代表的作品を展示。また、会場に過去の展覧会の図録など、彼に関する貴重な資料が置かれているのもうれしい計らいだ。福田平八郎は美術業界の人間には言わずと知れた日本を代表する画家だが、一般に広く知られているとは言いがたい。福田作品を新しい視座で紹介するという側面ももつこの企画展は、彼の再評価のきっかけにも繋がるかもしれない。

『二人のカラリストの出会い
デイヴィッド・ホックニー|福田平八郎』
会期:〜3月30日(土)
会場:THE CLUB
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
営業時間:11:00〜19:00
休廊日:GINZA SIX 休館日に準ずる
電話: 03(3575)5605
公式サイト

 

This article is a sponsored article by
''.