写真家・木村伊兵衛、そして藤田嗣治ら画家たちが捉えたパリの風景を紹介する展覧会、国際的に注目が高まるアート集団Chim↑Pomの回顧展、「時空間の拡張」をテーマにしたアップカミングな3作家のグループ展。今週絶対に見るべき3つのエキシビションをピックアップ

BY MASANOBU MATSUMOTO

『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』|目黒区美術館

画像: 木村伊兵衛《ミラボー橋、パリ》1955年 ©NAOKO KIMURA

木村伊兵衛《ミラボー橋、パリ》1955年
©NAOKO KIMURA

 日本の芸術家にとって、憧れの世界であった芸術の都パリ。1954年、まだ海外渡航が容易ではなかった時代、写真家・木村伊兵衛はライカの小型カメラと開発されたばかりの国産カラーフィルムを手に、日本人として初めてヨーロッパを取材してまわった。とりわけパリでは、写真家アンリ・カルティエ・ブレッソンらに案内され、古い通りや市場など庶民の生活の場を撮影し、日本写真史に残る数々の名作を生み出した。

 エッフェル塔を遠目にミラボー橋を歩く女性。公園でハグするカップル。茜色にそまった夕暮れの街並みと下町の雑踏――。2月19日(土)より目黒区美術館で行われる『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』展は、木村がパリで撮ったカラースナップ写真131点に加え、また美術館の所蔵作品から、藤田嗣治、荻須高徳などの画家たちがパリ滞在期に描いた作品を展示する。芸術家たちの目を奪ったパリの色どり。なかなか遠方へ足を運びにくい今、ゆったりと旅気分に浸らせてくれる展覧会でもある。

『木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり』
会期:2月19日(土)~3月27日(日)
会場:目黒区美術館
住所:東京都目黒区目黒2-4-36
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜(ただし、3月21日は開館)、3月22日(火)
観覧料:一般 ¥800、大学・高校生・65 歳以上 ¥600、中学生以下無料
電話:03(3714)1201
公式サイトはこちら

『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』|森美術館

画像: Chim↑Pom《ビルバーガー》2018年 個人蔵(左)、展示風景:「グランドオープン」ANOMALY(東京/2018年) COURTESY OF ANOMALY, TOKYO PHOTOGRAPH BY KENJI MORITA

Chim↑Pom《ビルバーガー》2018年 
個人蔵(左)、展示風景:「グランドオープン」ANOMALY(東京/2018年)
COURTESY OF ANOMALY, TOKYO PHOTOGRAPH BY KENJI MORITA

 広島・原爆ドームの上空に飛行機雲で「ピカッ」という文字を描いたり、福島の帰還困難区域内でのエキシビションを立案したり。また、文字通り壁が作られたメキシコの国境沿いに、アメリカ側を覗くことができる高さのツリーハウスを作ったり。アーティスト集団Chim↑Pom(チンポム)は、グローバリズムや格差、震災、原発、移民といった現代の事象や問題をテーマとして扱いながら、社会に積極的に介入したメッセージ性の強い作品を発表してきた。

 森美術館で開かれている『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』では、彼らの初期から近年までの代表作を中心に、メンバーのひとりであるエリイの出産を機に構想された新作映像インスタレーションなどを見せる。ユニークなのは、本展のためにクラウドファンディングを使って実施された「くらいんぐみゅーじあむ」。これは、会場内にアートプロジェクトとして託児所を開設するというもので、子育て中の人が気軽に美術館を訪れアートを鑑賞するのをサポートすると同時に、“子育てに優しい環境づくり”という現代日本の課題のひとつを観賞者に突きつける。

『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』
会期:〜5月29日(日)
会場:森美術館ほか
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
開館時間:10:00~22:00(火曜のみ17:00まで。5月3日は22:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
会期中無休
料金:[平日]一般 ¥1,800、シニア(65歳以上)¥1,500、大学・高校生 ¥1,200、中学生〜4歳 ¥600円、以下無料
[土・日・休日]一般 ¥2,000、シニア(65歳以上)¥1,700、大学・高校生 ¥1,300、中学生〜4歳 ¥700円、以下無料
※事前予約制(日時指定券)を導入。オンラインでの料金は異なります。詳細はこちら
電話:050(5541)8600(ハローダイヤル)
公式サイトはこちら

『ACT Vol. 4「接近、動き出すイメージ」』|トーキョーアーツアンドスペース本郷

画像: ユアサエボシ 《女性工員No.1》2016年 アクリル、キャンバス ©EBOSI YUASA

ユアサエボシ 《女性工員No.1》2016年 
アクリル、キャンバス
©EBOSI YUASA

 TOKAS(トーキョーアーツアンドスペース)は、幅広いジャンルのアーティストを支援し、同時代の表現を東京から創造・発信することを目的にしたアートセンター。その活動のひとつに、「ACT」と題した展覧会シリーズがある。これはTOKASのプログラムに参加経験のあるアーティストを中心に、いま注目すべき作家を紹介するもので、実際にアーティストたちが大きく飛躍するきっかけになってきた。第4回目となる「接近、動き出すイメージ」展は、齋藤春佳、中澤大輔、ユアサエボシの3人にフォーカスを当てる。

 齋藤は、展示会場のTOKAS本郷の建物が建造時に工期が遅れたこと、また1945年の空襲によって被災したことに着目し「建物の変化」を主題にした映像インスタレーションを発表。中澤は、TOKAS本郷の建物がかつて東京市本郷職業紹介所であったことに着想を得て、現代版の《本郷職業紹介所》を展示室内に期間限定でオープンする。ユアサエボシは、大正生まれの架空の画家“ユアサヱボシ”として画家活動をしている作家で、ヱボシが1960~1970年代に描いたとされる絵画作品を展示する。過去という見えない時間をうまく利用しながら、時空間の物語を紡ぐ3人。そのフレッシュな想像力に触れたい。

『ACT Vol. 4「接近、動き出すイメージ」』
会期:〜3月21日(月)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
住所:東京都文京区本郷2-4-16
開館時間:11:00〜19:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜、ただし3月21日は開館
入場料:無料
電話:03(5689)5331
公式サイトはこちら

※新型コロナウイルス感染予防に関する来館時の注意、最新情報は各施設の公式サイトを確認ください

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