BY JUNKO AMANO
年々注目度の高まる「ARTISTS’ FAIR KYOTO」。今年の会場は、重要文化財でもある「京都府京都文化博物館 別館」や輪転機のインクの跡や匂いが残る「京都新聞ビル 地下1階」に、本願寺の飛地境内にある「渉成園(枳殻邸)」も加わり、趣も異なる3ヶ所のユニークヴェニューを舞台に、若手アーティスト作品が展示販売される。

山羽春季の作品を使った今年のキービジュアル
COURTESY OF ARTISTS’ FAIR KYOTO 2023
同展は現代芸術家・椿昇がディレクターを務め、本展に出品される作品は、公募に加え、加藤泉や名和晃平、ヤノベケンジなど、国内外で活躍するアーティスト陣15組がアドバイザリーボードとなり、将来に期待を寄せる新進の若手アーティストたちをセレクト。若手アーティスト40組によるペインティングからテクノロジーを駆使したインスタレーションまで、多種多様な表現手法の作品が出品される。

輪転機のインクの跡やニオイが残る京都新聞ビル 地下1階
COURTESY OF ARTIST'S FAIR KYOTO 2023
人気アーティストから将来有望のお墨付きをもらった作品が展示販売されるとあり、ギャラリストやコレクターからの注目度も高く、昨年のフェアは2日間でほぼすべての作品が完売。今年で6回目を迎え、今や若手アーティストの登竜門と言われている。
同展を機に活躍の幅を広げたアーティストは多く、「小山登美夫ギャラリー」所属の油野愛子や、「MAKI Gallery」所属の田村琢郎など、ギャラリー所属になったアーティストも続々。

メイン会場の一つとなる京都府京都文化博物館 別館
COURTESY OF ARTIST'S FAIR KYOTO 2023
アートフェアと言えば、ギャラリーや美術商が集まり、自身の取り扱っている作品を展示販売することが多いが、このフェアは、今までにないアーティストオリエンテッドなスタイルに。会場ではアーティストと直接コミュニケーションでき、作品のおもしろさを深掘りしたり、アーティストの人間性を知った上で作品を購入できるのだ。

昨年、若手アーティストとして選出された松岡柚歩は、今年は「ARTIST'S FAIR KYOTO」のサテライト会場「Café.S」で個展を開催(〜4/2)
COURTESY OF ARTIST'S FAIR KYOTO 2023
「渉成園(枳殻邸)」では、アドバイザリーボードを務めるアーティストの展覧会が同時開催されるほか、4つのサテライト会場では、過去に「ARTISTS’ FAIR KYOTO」に出品した作家などとのコラボレーション展覧会もあり。アートフェアながら、美術展としての側面も持ち、京都らしさ溢れる会場を巡り、現代アートを鑑賞できる。

昨年、清水寺の仁王門そばに展示されていたYottaの巨大こけし≪花子≫。今年は、東本願寺御影堂門前に展示される(~3月12日)。
PHOTOGRAPH BY JUNKO AMANO

今年、新たにメイン会場に加わった渉成園。通常非公開の茶室など、室内展示のほか、池を有する庭園を使った屋外展示もあり
COURTESY OF ARTIST'S FAIR KYOTO 2023
以上3つのメイン会場のほか、「ARTIST'S FAIR KYOTO: SATELLITE 2023」「OPEN ARTIST'S STUDIOS 2023」など多彩なイベントが市内各所で開催される(※会期は会場によって異なります)。どうぞお見逃しなく!
ARTISTS’ FAIR KYOTO 2023(アーティスツフェアキョウト 2023)
会場:京都府京都文化博物館 別館
住所:京都市中京区三条高倉)
会期:2023年3月4日(土)、5日(日)10:00~18:00(最終入場17:30)
入場料:一般¥1,000
会場:京都新聞ビル 地下1階
住所:京都市中京区烏丸通夷川上ル小将井町239)
会期:2023年3月4日(土)、5日(日)10:00~18:00(最終入場17:30)
入場料:無料
会場:渉成園 (枳殻邸)
住所:京都市下京区東玉水町
会期:2023年3月4日(土)~12日(日)9:00~17:00(最終入場16:00)
※渉成園での若手アーティストによる展示は、3月4日(土)、5日(日)のみ
入場料:一般¥2,000
問い合わせ
ARTISTS’ FAIR KYOTO実行委員会
TEL:0120-442-118
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