BY EMI ARITA, SUMIRE FUJIWARA
ミケーレ・デ・ルッキの「ファースト」
1981年にデザイナーズ集団「メンフィス」を結成し、ポストモダンを牽引した、イタリアの建築家ミケーレ・デ・ルッキ。1983年にデザインした「ファースト」は、線、面、球体を融合させた彫刻的なフォルムが特徴。幾何学的なパーツやカラフルな色使いなど、より自由な発想から生まれるデザインで一大ムーブメントを起こしたポストモダンを象徴する名作として知られている。
青い背もたれ部分は、寄りかかる姿勢に合わせてフレキシブルに傾斜するジョイントタイプになっており、座り心地も快適。また、肘掛けになっている黒い球体は、モビールを発明した彫刻家、アレクサンダー・カルダーへのオマージュとしてデザインされたもの。モビールの持つ軽やかさや可動性を椅子として昇華させたポップアートのような名作。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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ヨーン・ウツソンの「ウツソン・スツール」
不思議な球体によるデコラティブなシートがアイコニックな「ウツソン・スツール」。シドニーのオペラハウスをデザインしたことでも知られるデンマークを代表する建築家、ヨーン・ウツソンが1950年代にデザインしたもので、ユニークなデザインと、オイル仕上げのビーチ無垢材の軽やかな美しさを見事に融合させている。
その見た目とは裏腹に、座り心地も驚くほど快適。シートを構成する球体のベース部分には真鍮があしらわれており、横から見た時の姿の気品に満ちた佇まいも「ウツソン・スツール」の魅力。時を経るごとに深みの増す無垢材の経年変化も愛でながら、空間にエレガンスと遊び心を添えたい。
フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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アキッレ&ピエール・ジャコモ・カスティリオーニ の「セラ スツール」
自転車のサドルがシート、というインパクト抜群の「セラ スツール」は、モダンイタリアを代表するデザイナー、アッキレ・カスティリオーニとピエール・ジャコモ・カスティリオーニ兄弟が、1957年に「電話用スツール」としてデザインしたもの。
牛の乳搾り用のスツールから着想を得ており、座面と1本の脚、そしてそこに座る人の2本の脚を加えることで安定させることを想定してデザインされている。椅子として迎えるべきか、アートとして迎えるべきか、悩ましいプロダクトではあるが、モダンな空間にも違和感なく調和してくれるのも「セラ スツール」の魅力。ただ突飛なのではなく、美しいデザインとして成立しているからこそ、名作として愛され続けているのだろう。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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フィリップ・スタルクの「 ニョメス アッティラ」
東京・浅草のビルの上にあり、誰もが一度は目にしたことがある金色の炎のオブジェをデザインするなど、建築から家具に至るまで様々なデザインを手掛ける現代を代表するデザイナー、フィリップ・スタルク。前衛的かつ独創的な発想から生まれる唯一無二のプロダクトは、優れた機能性とワクワクとする遊び心にあふれた作品ばかり。こちらの「ニョメス アッティラ」もそんな作品のひとつ。
おとぎ話に登場する“庭の小人”をモチーフにした「ニョメス」が、なんとも言えない表情で切り株を模したようなシートを支えている姿は愛らしさ抜群。シートはフラットなため、椅子としてはもちろん、サイドテーブルや飾り台とマルチに活躍してくれる。カラーはこちらの「カラフル」のほか、ワンカラーで塗装されたブラック、ゴールドもラインナップ。頭にシート面がある「ニョメス ナポレオン」と並べて飾るのも楽しい。
カルテル
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SANAAの「SANAA チェア」
フリーハンドで描いたような左右非対称の「耳」がおしゃれな「SANAAチェア」。2005年に世界的な建築プロジェクトを手掛ける妹島和世と西沢立衛のユニット・SANAAがデザインした作品で、その愛らしい見た目と快適な座り心地で人気を博す、現代を代表する名作だ。
ビーチ材を使ったシートのカラーは、素材の温もりを活かしたナチュラルや木目の透け感が繊細なブラックのほか、ピンク、グリーン、イエロー、ホワイトベージュなど全8色。サイズも、一般的なダイニングチェアサイズのほか、子ども用の椅子にちょうどいい「ミニ」と、さらに小さい「ミニミニ」の全3種がラインナップ。自分が座る用、もう一脚は飾る用......と、豊富なカラーやサイズから数脚セレクトしてコーディネートを楽しむのもおすすめ。
マルニ木工
TEL. 03-5614-6598
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アルヴァ・アアルトの「チェア 611」
1929年に誕生した「チェア 611」は、アルヴァ・アアルトの初期の家具デザインのひとつであり、アルテック創業時から現代まで生産し続けられている不朽の名作。バーチ材のフレームとリネンのウェビングテープで構成されており、非常に軽く、スタッキングは5脚まで可能。その実用性の高さのみならず、座り心地のよさも「チェア 611」の魅力。背もたれと座面のウェビングテープは、体の重さを優しく受け止めてくれるため、長時間座っていても苦にならず、驚くほどに快適。さらに、ウェビングテープは交換可能と、何代にも受け継いで愛用できる。
フレームは、ナチュラルラッカーとブラックラッカーの2種。ナチュラルラッカーはホワイトやレッド、ブラックなどの全5色、ブラックラッカーはブラックやブラウンなど全3色からウェビングテープのカラーを選択可能。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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ハンス・コレーの「ランディ チェア」
史上初のアルニウム製のシェルシートの椅子として1938年に誕生した「ランディ チェア」。スイス人デザイナー、ハンス・コレーがスイス国際博覧会のためにデザインしたもので、独立したベースの上に、背もたれと座面が一体となった三次元成形のシートシェルを乗せる、という新しいスタイルを打ち出した。この構造は、後にチャールズ&レイ・イームズによって体系化されるなど、20世紀のデザイン史に革新をもたらしたことで知られている。
シートには91個の穴が空いており、驚くほど軽量。この穴により雨水が溜まらず、屋外家具として使用するのもおすすめ。スタッキングは6脚まで可能。特徴的なデザインと機能性を持ち合わせた洗練の佇まいで、屋内外問わずどんな空間にもマッチ。
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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フィリップ・スタルクの「マスターズ」
現代を代表するデザイナー、フィリップ・スタルクが、2009年のミラノサローネで発表して以来、ロングセラーを誇る「マスターズ」。アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」、エーロ・サーリネンの「チューリップチェア」、チャールズ&レイ・イームズの「シェルチェア」と、ミッドセンチュリーを代表する3つの名作椅子のアウトラインを、フィリップ・スタルクのクリエイティビティにより、見事に融合させている。
背中を支える「セブンチェア」の背もたれ、ちょうどいい位置にある「チューリップチェア」の肘掛け、そして、広い座面でゆったりと腰掛けられる「シェルチェア」のシートと、それぞれの椅子の“いいとこ取り”から生まれる優れた快適性も「マスターズ」の特徴。非常に軽量で持ち運びやすく、スタッキングも4脚まで可能。また、ポリプロピレン製で屋外家具にも最適。カラーは、ブラックやホワイトなど定番カラー6色とメタリックカラー4色が揃う全10色。
カルテル
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ジャスパー・モリソンの「AIR-CHAIR」
“スーパーノーマル”という独自のデザイン美学のもと、数々のプロダクトデザインを手掛けているデザイナー、ジャズパー・モリソンが1999年に発表した「AIR-CHAIR」。世界で初めて空気を注入して樹脂を成型するエアモールド技術を採用した椅子であり、家具業界に革新をもたらした新時代の傑作である。
表面にはつなぎ目がなく、どこから見ても滑らかで、ムダのないシンプルな美しさを際立たせている。素材はグラスファイバー入りのポリプロピレン製で屋外でも使用可能。“AIR”の名の通り、驚くほど軽量で、スタッキングは10脚まで可能と実用性も抜群だ。カラーはホワイト、ベージュ、オレンジ、ブラックの全4色。
マジス ジャパン
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チャールズ・ポロックの「ペネロペ チェア」
名作オフィスチェアとして知られる「ポロックチェア」を手がけるなど、独創的なプロダクトを生み出してきたミッドセンチュリーを代表するデザイナー、チャールズ・ポロック。1982年にデザインした「ペネロペ・チェア」も、そんなチャールズ・ポロックの代表作のひとつ。
特徴は横から見ると脚部が三角形になっているスチール製のフレーム。背面裏からアームを経て、後脚から前脚へとつながっており、滑らかなカーブを描きながら、この独特のフォルムを形成。また、通気性に優れたメタリック製のシェルは心地よく体にフィットし、長時間座っていても快適。スタッキングは4脚まで可能。カラーはブラックとホワイトの2色。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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ミース・ファン・デル・ローエの
「バルセロナチェア」
モダンデザインのアイコン的存在となっている「バルセロナチェア」。デザインを手掛けたのは、ドイツのバウハウスで最後の校長を務めた近代建築の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエ。1929年のバルセロナ万博の際、王族が腰掛けるための椅子として製作されたもので、ミース・ファン・デル・ローエの名言「less is more」(レス・イズ・モア=より少ないことは、より豊かなことである)を体現するシンプルな構造と、エレガントな佇まいで魅了する。
背もたれからX字にクロスする脚へとつながるクロームスチールのフレームは、職人の手で丁寧に磨き上げられており、優美な曲線を描くのが特徴。そのフレームのカーブに沿うようにデザインされている革張りのシートクッションと背もたれのクッションには厚みがあり、預けた体をしっかりと支えてくれる。同シリーズのスツールもあり、オットマンとして組み合わせて使うのもおすすめ。
ノルジャパン
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フランコ・アルビニ&フランカ・ヘルグの
「トレ ペッツィ」ラウンジチェア
イタリアのモダンデザインを牽引した建築家・デザイナーのフランコ・アルビニと、共同制作者であったフランカ・ヘルグによって1959年にデザインされた「トレ ペッツィ」ラウンジチェア。ゆったりと体を預けられるハイバックスタイルで、それぞれのパーツは彫刻的なフォルムを描き、空間での存在感も抜群だ。
中でも目を引くのが、フレームのスチールパイプのデザイン。左右のアームの先端部分は、スチールパイプが弧を描くように曲げられており、優れた造形美の中に、さりげない遊び心を添えるイタリアンモダンらしさが感じられる。張り地はモダンな空間にも似合うレザーや、柔らかな印象のファブリックなど、豊富な素材とカラーからセレクト可能。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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プレーベン・ファブリシャス&ヨルゲン・カストホルムの
「Plico chair」
ラテン語で「折りたたむ」の意である「プリコ(Plico)」と名付けられた、折りたたみ式のラウンジチェア「Plico chair」。1964年にデンマークのデザインデュオ、プレーベン・ファブリシャスとヨルゲン・カストホルムがデザインしたもので、柔らかな印象の張り地と木製フレームを組み合わせた軽やかな外観は、どんな空間にもマッチするタイムレスな美しさを放つ。
二人は他のデザイナーならば隠そうとするものも、意匠として際立たせる卓越した美的センスを持ち合わせており、「Plico chair」も接合部や真鍮の金具パーツを“デザイン”として見事に昇華させている。背もたれとシートは、寄りかかった際の姿勢にフィットするよう傾斜がついており、いつまでも腰掛けていたくなるほどの快適さ。バリエーションは、ハイバックでヘッドレストのついた「FK10」とローバックの「FK11」の2種。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア 東京/大阪
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アルヴァ・アアルトの
「アームチェア 400 タンク」
どっしりと重厚で威厳ある佇まいから、「タンク(戦車)」の愛称で親しまれている「アームチェア 400 タンク」。1936年、アルヴァ・アアルトがミラノトリエンナーレの展示のためにデザインしたもので、カンチレバー(片持ち梁)型の木製フレームと厚みのある低めの座面が特徴だ。
同じ方向に揃えて合板にし、従来の合板よりも頑丈かつ無垢材のような美しい仕上がりを叶える技術「ラメラ曲げ木」によって、滑らかに曲げられた太く厚みのあるフレームは、腰掛けると柔らかくしなり、体を優しく受け止めてくれる。張り地は、無地のファブリックやレザー、ゼブラ柄のファブリックと、豊富な素材とカラーからセレクト可能。フレームもナチュラル、ウォルナット、ブラックなどから選択できる。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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コルビュジエに師事した3名のデザイナーが生んだ
“バタフライチェア”こと「BKFチェア」
現在ではリモデル版も多く見かける“バタフライチェア”。その元祖が、1938年に誕生したこちらの「BKFチェア」。ル・コルビュジエの下で働いていたアルゼンチンのデザイナー3名(アントニオ・ボネット、フアン・クルチャン、ホルヘ・フェラーリ=ハードイ)によってデザインされたもので、布だけで構成されたシートは、ハンモックのように体が浮遊するような快適さをもたらし、多くの芸術家たちを魅了。1941年にはMoMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵されただけでなく、ミッドセンチュリー期に入ると、特に若者たちから絶大な支持を得た。
その後流行がひと段落し、一時は生産終了となったが、2005年、スウェーデンのインテリアブランド、CUERO社によって復刻。シートはもともとのキャンバス地からイタリアの上質なレザー仕様に変更され、よりなめらかに体を支えてくれる。カラーはブラウン、ブラック、ナチュラルの3種。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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エーロ・サーリネンの「ウームチェア」
チャールズ・イームズとともに、当時の先進的な技術を活かし数々の名作椅子を生み出してきた、ミッドセンチュリー期を代表する建築家・デザイナーのエーロ・サーリネン。こちらの「ウームチェア」は、世界的ファニチャーブランド「Knoll」の創設者ハンス・ノルのパートナーであった、フローレンス・ノルの「たくさんのクッションの中で丸くなれる、バスケットのような椅子」というリクエストに応じ、1946年にデザインしたもの。
FRP(繊維強化プラスチック)で一体成型したシェルをファブリックの張り地で覆った「ウームチェア」は、モダンデザインにおける新たなスタンダードを提示した画期的な名作。母なる子宮を意味する“ウーム”という名前の通り、その彫刻的なフォルムでどんな姿勢でも体をすっぽりと包み込み、まるで母親の胎内にいるような安らぎをもたらしてくれる。張り地はカラーも豊富なファブリックから選択可能。別売りのオットマンと合わせて使うのもおすすめ。
ノルジャパン
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チャールズ&レイ・イームズの「ワイヤーチェア」
新素材や先進技術を積極的に取り入れた革新的なプロダクトを生み出し、ミッドセンチュリー期を牽引する存在であったチャールズ&レイ・イームズ夫妻。その代表作として知られる「イームズシェルチェア」を、ワイヤー素材で再構築したのが、1951年にデザインした「イームズワイヤーチェア」だ。
細いワイヤー状の金属で「イームズシェルチェア」のフォルムを再現するべく、イームズ夫妻は素材の研究から取り組み、独自の製法を確率。腰掛けると体にフィットするよう計算し尽くされた「イームズシェルチェア」の快適さを見事にワイヤー素材で実現し、当時の家具業界に衝撃を与えた。一見華奢にも見えるが、2重構造のフレームにより高い耐久性を持ち丈夫なのも魅力。近年はスタンダードカラーに加えて、デンマークのインテリアブランド「HAY」とコラボレーションしたグリーンやイエローなどポップなカラーも登場。シートパットの有無もセレクトできる。
ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
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ヴィルヘルム・ラウリッツェンの「Vegaチェア」
タイムレスな美しさで魅了する建築や家具を手掛け、“デンマークのモダニズムの父”と呼ばれる建築家、ヴィルヘルム・ラウリッツェン。木材の温かみとスチールの洗練さを融合した「Vegaチェア」は、デンマークのコンサートホール「Vega」のために1956年にデザインしたもの。木製の脚部先端や大胆なカーブを描く背もたれと、ヴィルヘルム・ラウリッツェンのクラフトマンシップを存分に堪能できる一脚となっている。
個性を際立たせている背もたれは、体に心地よくフィットし長時間座っていても快適。さらにスタッキング可能と機能性も抜群だ。スチールフレームはブラック粉体塗装仕上げに加えて、2024年2月よりクロームメッキ仕上げバージョンも登場。背もたれや座面は、オプションで張り地加工もできる。豊富なバリエーションから自分好みのスタイルでお迎えしたい。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京/大阪
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ヴァーナー・パントンの「コーン チェア」
丸みを帯びたフォルムや目にも鮮やかなポップな色使いと、独創性溢れるプロダクトでモダンデザインを牽引してきた、20世紀を代表するデンマークの建築家・デザイナーのヴァーナー・パントン。そんなパントンらしいデザインで、ポップアートのような存在感を放つのが、こちらの「コーン チェア」。1958年にデンマークのレストランのためにデザインしたもので、発表以降、世界中のカフェやレストラン、美容サロンなどで愛用されてきた。
見た目のインパクトに加えて、座った時の心地よさも「コーン チェア」の魅力。程よく沈み込むクッションシートになっている座面は、回転式になっているため自由な姿勢をとりやすく、長時間座っていても快適。さらに、肘掛けと一体になった背もたれにもクッションが入っており、体を心地よく支えてくれる。張り地はレッドやイエロー、ブルーなどカラフルな全13色から選べる。
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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ポール・ケアホルムの「PK9™」
どこから眺めても美しいプロポーションと機能性を融合した名作椅子を手掛けてきたデンマークの巨匠、ポール・ケアホルム。1960年にデザインした「PK9™」は、支柱であり、レザーの座面を支える脚としての役割を果たす3片のサテン仕上げのステンレススプリングスチールが特徴。そのユニークなフォルムから、「チューリップ・チェア」の愛称でも親しまれている。
体を包み込むシェルのフォルムは、ポール・ケアホルムの妻ハンナの身体が海岸の砂浜に残した跡にインスピレーションを得たもの。そのイメージを形にするべく、デザイン過程では四角く盛った粘土にハンナが腰掛け、その粘土を石膏で型取りし、最も快適な座面を追求。ハンナとの心温まるエピソードと、機能美への並々ならぬポール・ケアホルムのこだわりが詰まった一脚となっている。張り地はブラックやナチュラルなどのカラーが揃う数種のレザーからセレクトできる。
フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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剣持勇の「Chair(S-5007)」
戦後間もない1950年代初頭にアメリカへ渡り、イームズ夫妻と交流を深めるなど、当時最先端のアメリカのモダンデザインを研究。帰国後は、自身のデザイン研究所を立ち上げ、ホテルの内装や家具など幅広い分野でデザインを手掛けてきた剣持勇。
1961年にデザインしたこちらの「Chair(S-5007)」は、当時3次元カーブの成形合板の実現に果敢にチャレンジしていた天童木工と共に作り上げた椅子。丹下健三が設計した「戸塚カントリークラブ クラブハウス」用にデザインされたものが原型で、1950年に発表されたイームズの「シェルチェア」へのリスペクトも感じられる作品となっている。大きくカーブした背もたれは、腰回りをサポートしながら、すっぽりと体を包み込む快適な座り心地を実現。張り地は、ファブリックかビニールレザーから素材をセレクトできる上、それぞれ豊富なカラーバリエーションが揃うのも魅力。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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渡辺力の「トリイスツール」
ベルリンの「馬蹄型集合住宅」など、20世紀を代表するドイツの近代建築家、ブルーノ・タウトに師事し、ジャパニーズモダンの黎明期を牽引した渡辺力。1949年自身のデザイン事務所を設立した後、1952年には「ヒモイス」を発表。戦後からまだ7年と物資が不足する中で、いかにローコストで機能美を持ち合わせた椅子を作るかという課題を見事にクリアしただけなく、日本における椅子文化の浸透を促すことにもつながった椅子として知られている。
その「ヒモイス」の誕生から4年後の1956年にデザインしたのが、こちらの「トリイスツール」。しなやかで優しくたわむ籐素材の性質を見抜き、完璧な形で作品化させたことが高く評価され、1957年のミラノトリエンナーレで、日本人初の金賞を受賞。渡辺力が名付けたわけでないが、真正面から見ると鳥居に似ていることから、「トリイスツール」の愛称で親しまれるようになったというエピソードも面白い。カラーはナチュラルとダークブラウンの2種。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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菅澤光政の「ロッキングチェア」
1940年の創業当時から家具における「デザイン」の価値を打ち出してきた木工家具メーカー「天童木工」に、1963年から2005年まで在籍したインハウスデザイナー、菅澤光政。天童木工で40種以上の作品を手掛け、数多くの名作を生み出してきたが、中でも代表的なのが、1966年にデザインした「ロッキングチェア」。
特徴は肘掛け部分以外継ぎ目のない一体成形のサイドフレーム。これにより、高いデザイン性と堅牢性を見事に両立。また肘掛けのカーブには、局所的に厚みを変える「不等厚成形」の技術が用いられており、美しい見た目と快適な座り心地を叶えた。その完璧な構造から、建築家やデザイナーに愛好者も多く、彫刻家、イサム・ノグチがアトリエで愛用していたことでも知られている。張り地はファブリックやビニールレザー、重厚感のある天然皮革など豊富な素材とカラーからセレクトできる。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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長大作の「パーシモンチェア」
国際文化会館の家具デザインを手がけたことでも知られる長大作は、1947年に坂倉準三建築研究所に入所。1972年に自身の事務所を設立後は住宅設計に携わるなど、晩年まで現役建築家・デザイナーとして活躍した。そんな長大作のライフワークともなっていたのが、こちらの「パーシモンチェア」=「小椅子」のリ・デザイン。
ラケット構造(駒入れ加工)を施した初期モデルは、1960年のミラノトリエンナーレで坂倉準三建築研究所から発表された「小椅子」。当時所員だった長大作がデザインを手がけたもので、日本初のラケット構造(駒入れ加工)を用いた革新的な椅子として注目を集めた。この「小椅子」を長大作自ら半世紀をかけて何度も改良重ね、2006年、最後のリ・デザイン版として発表したのがこちらの「パーシモンチェア」である。
有機的なフォルムのバックシートは、柿の実を切った形から着想を得てデザインが特徴で、厚みのある弾力のあるクッションと日本の住宅にマッチするサイズ感も魅力。張り地は豊富なカラーが揃うファブリックやレザーのほか、トリエンナーレに出品した初期モデルのカラーリーングを再現した「トリエンナーレモデル」がラインナップ。
メトロクス
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柳宗理の「シェルチェア」
ミラノ・トリエンナーレ金賞を受賞した「バタフライスツール」や世界初の完全一体型の成形プラスチックスツールとなった「エレファント スツール」など、今なお世界中で愛される名作を数多く手掛けた柳宗理。
そんな柳宗理が晩年デザインし、隠れた名作として知られているのが、1998年に発表されたこちらの「シェルチェア」。“紙を折り曲げて輪をつくる”という手遊びをしている中で着想を得たという有機的なフォルムは、天童木工の高度な成形合板技術を用いて1枚の合板から作られており、薄くても丈夫な構造を実現。柔軟性のある合板のしなりにより、腰をかけると体にフィットし、座り心地も快適だ。座面の張り地は、カラー豊富なファブリックから選べる。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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ロナン&エルワン・ブルレックの「コトーネ」
1997年にデザインスタジオを設立し、パリを拠点に活躍する兄弟デザイナーデュオ、ロナン&エルワン・ブルレック。花器やオブジェなど日々の暮らしを彩るインテリア雑貨から、建築や空間デザインまで、様々なプロジェクトを手掛けているほか、MoMAなど世界的に有名な美術館のパーマネントコレクションの選定にも携わり、世界的に注目を集めている。
そんなブルレック兄弟が2017年にカッシーナより発表した「コトーネ」は、“つい長居してしまう”と人気のダイニングチェア。家族の記憶を描いたカッシーナの過去のカタログから着想を得てデザインされたもので、フェザーキルトを用いたシート部分はソファのようにふんわりと包み込むような座り心地を実現。端正なフォルムが美しいアルミニウムのフレームは、レッド、グリーン、ブルーなど6色展開、レザーやファブリックなど様々な張地と合わせてコーディネートを楽しめる。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビーの「ティプ トン」
2012年のロンドンオリンピックで、聖火トーチのデザインを手掛けていたことでも知られるデザインユニット、エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビー。過去の手法と最先端の技術を融合させた実験的なアプローチで、工業デザインから家具デザイン、建築と多岐に渡り活躍。世界的なインテリアブランドから、椅子やテーブル、照明など多彩な作品を発表している。
中でも代表作として知られているのが、2011年にヴィトラより発表した「ティプ トン」。ポップアートのようなデザイン性だけでなく、前脚と座面の傾斜により、二通りの姿勢をサポートする優れもの。体重を前にかけて前傾姿勢で座ると、背筋が伸び血液循環がよくなるというエビデンスに基づいて設計されており、長時間のテレワークにもおすすめ。耐久性があるプラスチック製で4脚までスタッキングも可能。ブルーやイエローと鮮やかなカラーも揃う。
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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nendoの「N02 リサイクル」
日本を代表するデザイナー、佐藤オオキが率いる「nendo」は、建築やプロダクト、グラフィックと幅広い分野で国際的に活躍するデザインスタジオ。家具デザインにおいても、機能性から美しさまで、完璧なデザインを追求し、世界的なインテリアブランドより数々の作品を発表している。
緩やかな曲線を描くスチールフレームが美しい「N02 リサイクル」は2019年にフリッツ・ハンセンより発表したもの。紙の折り目に着想を得てデザインされたシェルは、その“折り目”によって、座る人の背中をしっかりと支え快適な座り心地を実現。また、“リサイクル”という名の通り、家庭から出る廃プラスチックによって作られており、再リサイクルが可能。肘掛けの有無やデスクにもぴったりなキャスター付き、キッチンカウンターにおすすめのバースツールタイプとバリエーションも豊富に揃う。シェルのカラーはスカンジナビアの自然をイメージした温かみのある全7色。スチールフレームは、クローム仕上げとシェルと同色の粉体塗装仕上げの2種からセレクトできる。
フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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コンスタンチン・グルチッチの「ライバル チェア」
無駄を省いたシンプルなフォルムとユーモアのあるデザインを融合させた作品で注目を集めるドイツを代表するデザイナー、コンスタンチン・グルチッチ。手掛けてきた作品には、デザインと建築の歴史への研究心と、技術と素材に対する情熱が込められている。
2014年にアルテックから発表した「ライバル チェア」も、アルテックの伝統を継承しながら、木製の椅子を新解釈したもの。背もたれや肘掛けには、「ラメラ曲げ木」というアルテックの伝統的な技術が使われており、合板でありながらまるで無垢材のような美しいフォルムを実現。アルテック製品の中では珍しい回転式の椅子となっており、自由な姿勢を取りやすいのも魅力。木製のベースは、ナチュラル、ブラック、ホワイトの3色。ブラックやキャメルなどのカラーが選べるシートの張り地は、ファブリックとレザーいずれかからセレクトできる。
アルテック
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フィリップ・スタルクの「ルイ・ゴースト」
前衛的で遊び心溢れるデザインと新素材を積極的に使った先進性で魅了する建築家・デザイナーのフィリップ・スタルク。1982年にエリゼ宮殿のスイートルームのデコレーションを任されたことで脚光を浴び、1984年にパリの「カフェ・コスト」、1988年にニューヨークの「ロイヤルトンホテル」のインテリアデザインを手がけたほか、1989年には東京・浅草のアサヒビール本社の「フラムドール」を設計したことでも知られており、今なお、世界的なインテリアブランドで数えきれないほどの作品を発表し続けている。
革新的な技術と新素材で、過去の名作を再解釈した椅子も多く手掛けているフィリップ・スタルク。2002年にデザインした「ルイゴースト」もそんな椅子のひとつ。ルイ15世スタイルの椅子を透明色とオパック色のポリカーボネート樹脂で再現したもので、バロック様式を現代風にアレンジし、スタイリッシュな椅子へと昇華させた。安定感のある快適な座り心地と耐久性を持ち合わせており、衝撃や傷にも強く、アウトドアユースもOK。
カルテル
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圧倒的な存在感に目を奪われる「ZIG-ZAG」
一度見たら忘れられない、その名の通りジグザグとしたユニークなフォルムの「ZIG-ZAG」は、オランダのモダニズム建築の巨匠、ヘーリット・トーマス・リートフェルトが手がけたもの。“椅子の究極の形”として取り上げられ、これまで多くのデザイナーに影響を与えてきた作品であり、1934年に発表されたとは思えないほど常に新しい感動を与えてくれる。
水平・垂直・直線が特徴的なリートフェルトらしいデザインで、アート作品のような見た目からは想像がつかないほどの、座り心地の良さと頑丈さも長く愛せるポイント。4枚板の組継ぎを隅木で補強するというカッシーナの優れた木工技術を用いており、一切金属のジョイント類を使用していないミニマルさも美しい。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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時代を超えて愛される“Yチェア”こと「CH24」
“椅子の巨匠”の異名を持つ、20世紀を代表するデザイナー、ハンス J. ウェグナー。そんな彼の代表作として多くの人が思い浮かべるのが、1949年にカール・ハンセン&サンから発売された“Yチェア”=「CH24」だろう。
その最大の特徴でもある、曲木で形成した滑らかなY字の背もたれと後ろ脚が、優美な佇まいを演出。座ってみると身体を自然と預けられる心地良い安定感があり、約120mものペーパーコードを編み上げた広めの座面により耐久性も優れている。CH24の製作工程は100以上ともいわれ、そのほとんどが職人の手仕事から成るというから何とも贅沢な一脚なのだ。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京
TEL. 03-5413-5421
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プロダクト史に残る傑作「イームズプライウッドラウンジチェア」
1940年代、熱と圧力をかけて木材を曲面に成型する、“成型合板技術”を確立したイームズ夫妻。その新技法を用いて生まれたのが、「イームズプライウッドラウンジチェア(LCW)」だ。 座面と背もたれは5層構造、脚部と支柱は8層構造と、プライウッドならではの高い強度を実現。座る人の身体に優しくフィットする柔らかなカーブのデザイン、そして弾力のあるゴム製ショックマウントが快適性も叶えてくれる。
米『タイム誌』では「20世紀最高のデザイン」に選出。「優雅で、軽やかで、快適。模倣品が数多く存在するが、これを超えるものはない」と称賛され、時代を超えて受け継がれてきた名作椅子なのだ。経年変化とともに味わいを増す、美しい木目を愛でたい。
ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
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新鋭ブランドKOYORIの「SHAKU CHAIR」
2022年、日本の優れたものづくりを行う企業と国際的なコンテンポラリーデザイナーが協働し、高品質でボーダーレスなデザインの家具とインテリアアクセサリーを提供する新しいコンセプトのブランドとして誕生したKOYORI。そのファーストコレクションとして登場したのが、こちらの「SHAKU CHAIR」だ。
無垢材を用いた曲木家具で知られる飛騨産業と、フランス人兄弟デザイナー、ロナン&エルワン・ブルレックがタッグを組んだ作品で、小ぶりなサイズながら高めに設定された背もたれと、背と座につけられたカーブにより快適な座り心地に。ミニマルかつ温かみのあるデザインで、タイムレスな魅力に溢れている。
背板が座板に差し込まれたような細かなディティールは、飛騨産業の緻密で精度の高い加工技術と接合技術だからこそ成し得たもの。日本メーカーのクオリティへの追求と、ものづくりに新しい息吹をもたらす気鋭デザイナーの感性が見事に融合した、新たなる名作チェアとなるだろう。
KOYORI
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アアルトの技巧が光る名作椅子、「41 アームチェア パイミオ」
「41 アームチェア パイミオ」は、アルヴァ・アアルトが設計したモダニズム建築の名作、パイミオのサナトリウム(結核療養所)に滞在する患者のためにデザインされた作品。滑らかな木材を使った有機的なカンチレバーフレームに、宙に浮いたかのような弾力性を生む座席を組み合わせたチェアで、身体をゆったりと任せられる使用感が癒しのひと時を与えてくれる。
木製家具は経年変化により歪みが生じるものだが、こちらは分厚いひとつのフレームを半分に分割して両端に設置することで、年月を重ねても左右のフレームバランスが崩れにくい仕様に。木の性質を知り尽くしたアアルトならではの細部へのこだわりも魅力のひとつだ。
2023年9月には、パイミオのサナトリウムの竣工90周年を記念したアニバーサリーシリーズが登場予定。「41 アームチェア パイミオ」の限定カラーも発売されるので、こちらもチェックを。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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ノルウェーのアイコン的チェア「スカンディア ジュニア」
ノルウェーデザインの代名詞とも言われる、ハンス・ブラットルゥが手がけた「スカンディアチェアシリーズ」。その第一作目である「スカンディア ジュニア」は、ブラットルゥが国立工芸美術大学在学中にデザインし、1961年に製品化。その後70年代から約30年間生産されていなかったこのシリーズを、家具メーカーFjordfiesta社が2001年にブラットルゥ本人と共に復刻した。
縦に並べた8枚の積層材が滑らかに波打つその佇まいは、360度どこから見ても惚れぼれする美しさ。身体に沿うカーブ設計で背筋が自然と伸びるので、長時間でも負担なく座ることができる。スタッキングも可能と、機能性、実用性、そして美しさと北欧らしさが詰まった一脚と言える。
ザ・コンランショップ
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ヤコブセンを代表する名作椅子「アリンコチェア」
蟻の姿を連想させるチャーミングなルックスが印象的な、アルネ・ヤコブセンによる「アリンコチェア」。9層の成形合板とスリムなスチール脚の、たった2つのパーツから構成された繊細でエレガントなチェアながら、驚くべき強度と快適さを備えている。
背面と座面が一体化したプライウッド製のチェアを大量生産することは、1952年の制作当時世界初であり、その技術的な成功を支えたのがフリッツ・ハンセンの卓越したクラフツマンシップであったことは言うまでもない。ただそこに在るだけで空間にアクセントを加えてくれる存在感も、長年愛され続ける理由なのだろう。
フリッツ・ハンセン 東京
TEL. 03-3400-3107
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復刻したミッドセンチュリー期の名作「REY CHAIR」
スイス人デザイナー、ブルーノ・レイによって1971年に誕生した「REY CHAIR」。丸みを帯びたエッジや背もたれのカーブが印象的なチェアで、ネジを使わず木材と金属を接続するという、当時革新的だったDietiker社独自の技術を用いて製造。見た目の美しさや耐久性、使い勝手の良さが高く評価され、スイスの国民的な椅子とも称されている。
そんな名作を約50年の時を経て、HAYとDietiker社が復刻。アイコニックなフォルムや製造工程は継承しつつ、現代のライフスタイルに合わせてサイズを変更したほか、新たに厳選したカラーや張り地もラインナップ。オリジナルの魅力はそのままに、絶妙にHAYらしさが香る新生REYが、空間にモダンな表情を加えてくれる。
HAY JAPAN
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ジャパニーズデザインの傑作「バタフライスツール」
日本が世界に誇るインダストリアルデザイナー、柳宗理の「バタフライスツール」は、ルーブル美術館やニューヨーク近代美術館などでも永久所蔵されている傑作。同じ形の2枚の成形合板を真鍮金具でジョイントしたシンプルな構造ながら、その姿は羽を広げた蝶を連想させ、ドラマチックな美しさを放つ。
制作された1950年代の日本では、まだ成形合板技術が広まっていなかったが、柳はイームズ夫妻の「LCW」などから影響を受け、当時国内で唯一成型合板技術に長けていた天童木工に協力を仰ぎ「バタフライスツール」を完成させた。 スツール、オブジェ、本を飾る台座などマルチに活用できるので、一脚あると重宝するはず。
天童木工
TEL. 0120-01-3121
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最先端技術が生んだ、新時代の木の椅子「Kウッド」
優れたメーカー・デザイナーによる木製チェアは、想像以上の快適性をもたらしてくれるが、それでも「木の椅子は座り心地が悪いのでは……」と不安な人もいるだろう。そんな人にこそ体験してもらいたいのが、カルテルの「Kウッド」。
人間工学に基づいた3次元の成型合板により、身体に沿って柔軟にカーブしたシートを完成。体重を均一に面で支え荷重を分散させることで、まるで身体が吸い込まれるような極上の座り心地を実現する。この3次元成型は、世界でも限られた企業でしか実用化されていない最先端技術。さらに一般的なプライウッドではない特殊な素材を採用することで、木材の使用量を抑えたサステナブルな製造方法となっている。
カルテル
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イームズの「プラスティックシェルアームチェア」
日常品としての実用性と機能性を持ちながら、美しさも追求する。既成概念に捉われない独自の哲学で、ミッドセンチュリーを代表する数々の作品を生み出してきたデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ。1948年に誕生した代表作「シェルチェア」も、「デザイン性に優れ、安価で量産できること」を目的として製作されたもの。独特の曲線が描くフォルムが美しい背座一体型のプラスチックチェアのアイコン的存在だ。
2022年には、「イームズシェルチェア」を取り扱うハーマン・ミラー社より、デンマークのデザインハウス・HAYとコラボレーションしたコレクションも新登場。オリジナルデザインを継承しながら、柔らかな色合いのアイアンレッド、ミントグリーン、パウダーピンクといった新たなカラーがラインナップ。さらには環境負荷の少ない再生プラスチックを使用し、マテリアルもアップデートされた。360度、どの角度から眺めても美しい佇まいを愛でるのも楽しい。
ハーマンミラーストア 丸の内
TEL. 03-3201-1820
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アルネ・ヤコブセンの「ドロップ」
シンプルで合理的な北欧デザインを牽引したことで知られるデザイナーのアルネ・ヤコブセン。住宅から家具、インテリア雑貨に至るまで、数々の名品を送り出してきた。「ドロップ」は、アルネ・ヤコブセン自身が最高傑作としているコペンハーゲンのSASロイヤルホテルプロジェクトの一部として、1958年にデザインされた椅子のひとつ。
「ドロップ」は同ホテルのためだけに製造されたものであり一般販売はされなかったが、誕生から50年の時を経て、フリッツ・ハンセン社により2014年に復刻。丸みを帯びた雫のような特徴的なフォルムの背もたれは、体にフィットする抱擁感と動きやすさを兼ね備え座り心地も驚くほどに快適だ。ブラスチック製のシートは軽量でカラーバリエーションも豊富。さらに椅子の脚を粉体塗装仕上げかメタリック仕上げのいずれか、高さも「43cm」と「46cm」の2サイズから選択できる。使うシーン、置く場所をイメージしながら、好みのスタイルでお迎えしよう。
フリッツ・ハンセン トウキョウ
TEL. 03-3400-3107
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ハリー・ベルトイアの「ダイヤモンドチェア」
イタリア出身の彫刻家、ハリー・ベルトイアは、世界的なファニチャーブランド・Knoll(ノル)で活躍した家具デザイナーのひとり。特に工業用素材に崇高な美しさを見出し、実用性だけでなく、芸術作品へと昇華させるというあくなき探究心のもと、1952年にはミッドセンチュリーを代表する名作となる「ダイヤモンドチェア」を生み出した。
ハリー・ベルトイアが「空気と鋼の彫刻である」 と表現した「ダイヤモンドチェア」は、強堅なつくりでありながら軽やかでスタイリッシュなモダンデザインが特徴。シートパッド付き、シートパッドなし、フルカバーの3タイプから選択できるほか、フレームの色やシートパッドの張り地を豊富なバリエーションから選ぶことができる。座るだけに留まらない、現代彫刻作品とも称される美しき椅子はアートとして住まいを豊かに彩る。
ノル ジャパン
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アルヴァ・アアルトの「69 チェア」
20世紀を代表する北欧の建築家アルヴァ・アアルトがデザインした家具は、完成された造形美に、シックでモダンなスタイルと、時代が移り変わっても廃れることなく、今なお愛され続ける名品が揃う。中でもシンプルさを極め、アルヴァ・アアルトの家具を取り扱うアルテックでも人気を誇るのがこの「69 チェア」。
1935年に発表された「69 チェア」は、広くて快適な座面としっかりと身体を支えてくれる背もたれ、アルヴァ・アアルトが開発した「L - レッグ」からなる構造で、無駄な要素を削ぎ落としたシンプルな造形美が特徴。代表的なバーチ材の自然の色みを活かしたナチュラルラッカー仕上げのほか、多彩な色と仕上げのバリエーションから選ぶことができ、さまざまなスタイルのインテリアにもマッチ。長く使い続けることで訪れる経年変化も楽しめるスタンダードな一脚。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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フランコ・アルビニの「ルイーザチェア」
フランコ・アルビニは、イタリアの合理主義をリードし続けた家具デザイナー。1946年にカッシーナによるデザイナーとのコラボレーションプロジェクトに参画し、カッシーナの創業者、チェーザレ・カッシーナとも協働。イタリアンモダンスタイルを象徴する数々の名品を生み出してきた。中でも代表作として知られているのが、1955年に発表し、その類稀なる造形美からイタリアで最も歴史と権威のあるデザイン賞であるコンパッソ・ドーロ賞を受賞した「ルイーザチェア」。
「ルイーザチェア」は、アーム前面部の美しい「組み手継ぎ」や、ジョイントに向かって分厚くなる部分など、フランコ・アルビニならではのディテールの組み合わせをカッシーナ社の高度な木工技術によって実現。手に触れると滑らかで心地いい、美しいシルエットの木のフレームに合わせるシートは、張り地や色、素材ともに豊富なバリエーションから選択することが可能。シンプルかつエレガント。住まいを格上げする気品漂うイタリアンモダンスタイルの傑作だ。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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BIG-GAME×カルモクニュースタンダードの「キャストールスツール ウィズバックレスト」
シンプルなデザインでどんなインテリアにもマッチするカリモクニュースタンダードの「キャストールスツール」シリーズ。2004年にスイスで設立されたデザインスタジオBIG-GAMEによるデザインで、国産広葉樹のナラ材を使用したフレームは、フットレストの内部をスチールで補強し、丈夫で安定感も抜群。
こちらの「キャストールバースツール ウィズバックレスト」はその名の通り、人気の「キャストールスツール」に背もたれをつけたタイプで、寄りかかりながらゆったりと過ごすシーンにもおすすめ。滑らかな曲線を描く背もたれにより、後ろ姿が美しいのも特徴だ。高さ76cmの「ハイタイプ」と67cmの「ロータイプ」の2種の高さと3種のカラーから選ぶことができるので、インテリアにあわせて好みの高さと色と選んで。
カリモクニュースタンダード
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エーロ・サーリネンの「チューリップ スツール」
すっと伸びる1本脚で自立するデザインが特徴の「チューリップ スツール」は、アメリカのミッドセンチュリー期に活躍した建築家エーロ・サーリネンが1957年にデザインした「チューリップ チェア」のスツール版。テーブルの下に置いた際にごちゃついた印象になってしまう4本脚の椅子。なんとかそれを解消したいと、エーロ・サーリネンが研究を重ねて生み出したこの1本脚の椅子は、当時の椅子の概念を覆し、現代に続く世界的な名作として知られている。
座面は回転式で、ダイニングやキッチンカウンター、ワークデスクなど、さまざまなシーンにもマッチ。また、シートの色も豊富なカラーバリエーションから選ぶことができる。1脚はもちろん、数脚連ねて並べてインテリアを彩るのも楽しい。
ノル ジャパン
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柳宗理の「エレファント スツール」
まるで象の脚のようなユニークなフォルムが特徴の「エレファント スツール」。戦後日本のデザイン界を牽引したインダストリアルデザイナーの柳宗理が1954年に発表したプラスチックスツールで、今なおデザイン界に多大な影響を与えているプロダクトのひとつ。
現在販売されている「エレファント スツール」は、誕生から50年の時を経て、2004年にヴィトラがポリプロピレン素材にアップデートし復刻したもの。色はブラックとクリームの2色、屋内だけでなく屋外でも使用できるので、バルコニーやお庭でアウトドアシーンを楽しむ際のお供にもおすすめ。
ヴィトラ
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フィリップ・スタルクの「プリンス アハ」
イタリアのデザイン家具メーカー、Kartell(カルテル)で数多くのデザインを手掛けてきたフランスの建築家、フィリップ・スタルク作の「プリンス アハ」。ふたつのコーンを合体させた砂時計のようなフォルムが特徴で、オブジェとしての存在感も抜群。
さらに蓋を外して収納としても使うことができ、ちょっとした雑貨や小物をしまっておくにも便利な優れもの。カラーは白やグレーのほか、パープル、グリーンの全4色がラインナップ。スツール、サイドテーブル、収納とマルチユースに楽しめる一脚。
カルテル
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ジャン・プルーヴェの「タブレ メタリーク」
1936年、建築家ジャン・プルーヴェが、フランスのサン=モーリスにある教育施設のためにデザインした金属製のスツール「タブレ メタリーク」。当時は市場に出回ることはなかったが、誕生から80年以上の時を経た2022年、ヴィトラによって初めて製品化され、ようやく手にすることができるようになったばかりの知る人ぞ知る名作。
中でも特徴的なのが台座のフォルム。スチール版を板金加工によって湾曲させた個性的なフォルムは、360度どこから眺めても美しく、存在感を放つ。カラーはスチール版の風合いを生かした赤や青などの全4色。シート面がフラットなため、スツールやテーブル、飾り台などさまざまな用途で活躍してくれるはずだ。
ヴィトラ
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EETAL(イータル)の「スイート スツール」
今、プロダクトデザイン界に新たな風を吹き込んでいるのが、2022年度グッドデザイン賞を受賞したEETAL (イータル)の「スイートファニチャー」。EETALは、精密板金加工技術によるものづくりを手がけてきた日本べネックスとプロダクトデザイナーの清水久和(S&O DESIGN)がタッグを組み誕生したプロジェクト。精度の高い板金加工の技術力とデザインの力を掛け合わせることで、無機質な鉄を、暮らしに寄り添うプロダクトへと昇華させた。
そんなEETALの「スイート スツール」は、厚さわずか2mmのスチール板2枚のみで構成され、金属ということを感じさせない優しい曲線とシャープな直線が融合した独特のフォルムが特徴。その姿はまるで動物のようでもあり、なんとも愛らしい。カラーは黒、白、黄色、緑の全4色。コンパクトなサイズ感で住まいのあちこちに飾りたくなる新時代の名作。
EETAL(イータル)
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ロー・エッジズの「コンサーティーナチェア」
2012年の誕生以来、独創的で機能性に優れた家具とオブジェのコレクションを提案しているルイ・ヴィトンの「オブジェ・ノマド コレクション」。デザイナーデュオ、ロー・エッジズが手掛けた「コンサーティーナチェア」は、重なり合う6枚の花びらが閉じたり、開いたりする姿が美しい折りたたみ式チェア。好きな場所に持ち運べる機能性を持ち、開いた時の華やかな佇まいが美しい一脚。上質なレザー仕上げのシートで体を包み込むような座り心地も快適。
アトリエ・オイの「ベルト・バースツール」
昨年のミラノサローネ国際見本市2022で登場した「ベルト・バースツール」。アトリエ・オイによるデザインで、滑らかなフォルムのレザーシートと優美なメタルフレームを融合した美しいシルエットが特徴。さらに背もたれの背面には、メタルバックルとソリッドなメタルスタッズで取付けられた「ベルト」があしらわれており、メゾンのクラフトマンシップを感じることができる。高さがあるため、キッチンカウンターにもおすすめ。
問い合わせ先
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL. 0120-00-1854
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アルマーニ / カーザの「DUSTIN ディレクターズチェア」
「DUSTIN ディレクターズチェア」は、ジョルジオ アルマーニのヨットに合わせてデザインされたディレクターズチェア。折り畳み式でアウトドアシーンにも重宝するシンプルなデザインに、レザーと木製フレームのコンビが映える一脚。「DUSTIN ディレクターズチェア」は、こちらの折り畳み式の他にも、チェア全体をThin Leatherで覆ったバージョンも用意。上質なレザーチェアとしてひと味違った趣も楽しめるのでぜひ合わせてチェックを。
問い合わせ先
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
TEL. 03-6274-7070
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カッシーナの「ダイン アウト アームチェア」
カッシーナ初の本格的なアウトドアコレクションの一つとして2020年に誕生した「ダイン アウト」。幾何学模様のシートが目を引くアームチェアは、アームレストと背もたれに施されたロープの装飾により、洗練のリゾートスタイルを演出。シートクッションには、十分なパッティングが施され、座り心地も快適だ。普段は室内のダイニングチェアとして使うのもおすすめ。
問い合わせ先
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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ロンシャンの「Fatboy x Longchamp」
オランダのインテリアブランド「FATBOY(ファットボーイ)」とのコラボレーションにより、ロンシャンの代名詞でもある“折り畳める”「ル プリアージュ®」をカラフルなインフレータブルアームチェアへと昇華させたのが、こちらの「Fatboy x Longchamp」Glamping O。軽量で丈夫、さらにふわっと広げるだけで簡単に膨らませることができる。カラーは「ル プリアージュ®」の最新カラーパレットとリンクしたキャンディ、キャロット、グリーンの3色。アウトドアリビングはもちろん、キャンプやビーチなどレジャーシーンに持ち出して楽しみたい。
問い合わせ先
ロンシャン(ロンシャン・ジャパン)
TEL. 0120-150-116
カルテルの「スパークル S スツール」
名作照明「プラネット」シリーズ同様、吉岡徳仁がデザインした「スパークル S スツール」。ねじれたスパイラルの造形が天面まで続き、まるでダイヤモンドのようなスパークル=閃光を放つ。透き通るようにクリアなアクリル樹脂製で、傷や衝撃にも強く、アウトドアユースにも重宝。スツールやテーブル、飾り台、さらには天板を外してコンテナと、インドアでも、アウトドアでも、マルチに活躍してくれる一脚。
問い合わせ先
カルテル
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メトロクスの「アカプルコチェア」
豊富なカラーが揃い、リゾート感満載の屋外ファニチャーの代名詞「アカプルコチェア」。1960年代からメキシコのビーチサイドで愛用されていた椅子をリデザインしたもので、細くシェイプされたスチールのフレームに、耐久性のあるPVCコードを巻きつけたシンプルな構造が特徴。すっぽりを体を包み込むような座り心地で、至福のひとときをもたらしてくれる。2023年は数量限定カラー"コッパー"も登場。銅のように鈍い光沢のあるライトブラウンで落ち着いた装いは、大人の憩いの場にもぴったり。
問い合わせ先
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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ヴィトラの「パントン チェア」
デンマークのデザイナー、ヴァーナー・パントンとヴィトラが1960年代より共同開発し、1968年に量産化に成功した、世界初となるプラスチック製のキャンチレバー型の椅子「パントン チェア」。座るとわずかにしなる素材と、彫刻のようなユニークなデザインで快適な座り心地を実現。20世紀デザインのアイコン的存在でもある一脚で、外空間もアートフルに彩って。
問い合わせ先
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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チェコッティ・コレツィオーニの「ティーボーン」
厳選された最高等級の木材を丁寧に加工した、滑らかな手触りの木工家具で人気を博す、イタリアブランド「チェコッティ・コレツィオーニ」。職人が長い時間をかけて手作業で仕上げる上質なプロダクトは、もはや芸術作品。
「ティーボーン」のラウンジチェアは、2023年5月、日本に登場した待望の新作。手がけたのは、クリエーションにおいて常に新しい挑戦と可能性の追求を目指す、スペイン人デザイナーのハイメ・アジョン。曲がり木の滑らかな曲線を取り入れたデザインが特徴的な「チェコッティ」プロダクトの中で、あえてその特徴から“一旦離れ”、アームチェアを構成する各部材を大胆に再構築したユニークなチェアとなっている。彫刻のように美しいデザインが、日常に新しい風を吹かせてくれるはず。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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ポール・ケアホルムのラウンジチェア「PK4」
デンマークを代表するデザイナー、ポール・ケアホルムが1952年にデザインした「PK4」が、約70年の時を経てフリッツ・ハンセンより復刻した。
麻紐とスチール製のフレームの、2つの素材のみで作られたミニマルなラウンジチェアは、ケアホルム作品の中でも初期の名作として知られている。スチールに高い関心を示し、芸術とデザインが交差する場所を追求したケアホルムの先見性を感じ取れる作品で、コレクターにはたまらないだろう。
シンプルモダンなデザインをベースに、「ブラックのスチール/ナチュラルの麻紐」「ステンレススチール/ナチュラルの麻紐」「ステンレススチール/ブラックの麻紐」の3種展開で、幅広いインテリアに合わせやすいのも魅力。
フリッツ・ハンセン トウキョウ
TEL. 03-3400-3107
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カルテルの「Kウェイトアームチェア」
2023年5月にお目見えしたばかりの、「カルテル」の「Kウェイト」シリーズ。名だたるラグジュアリーブランドで作品を発表してきたロドルフォ・ドルドーニが手がけた新コレクションで、ソフトで丸みを帯びたラインとボリューミーなデザインが特徴だ。
中でも注目の「Kウェイトアームチェア」は、優しく包み込んでくれるようなエレガントなルックスで、座り心地の良さはもちろんのこと、眺めているだけでも思わずうっとりしてしまう。一脚で抜群の存在感があり、ベルベット調やブークレ生地など、リッチで落ち着いた印象のファブリック展開なので、ラグジュアリーなリビングを演出したい人におすすめ。
カルテル
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ジャン・プルーヴェのラウンジチェア「シテ」
デザイナー、建築家、そしてエンジニアとしての顔も持つ、フランス・デザイン界の巨匠、ジャン・プルーヴェ。そんなプルーヴェ自身が自宅のリビングで使っていたというのが、ラウンジチェアの「シテ」。
パウダーコーティングされたスチール製のフレームに、革ベルトのアームレストを採用したアイコニックなこのチェアは、元々はナンシーにある大学寮のために制作されたもの。ゆったりとしたサイズ感、そして高さ調節可能なネッククッションを搭載と、充実の機能性でプルーヴェが愛用していたというのも頷ける。
張地はファブリックとレザーの2種で全52色。ベースのスチールフレームは全7色と、バリエーションも豊富に展開。
ヴィトラ
TEL. 0120-924-725
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ミース・ファン・デル・ローエの「D42チェア」
部屋のシンボルになる、アートピースのようなラウンジチェアを手に入れたい……。そんな人におすすめなのが、ドイツの伝説的芸術学校「バウハウス」で最後の校長を務め、名品「バルセロナチェア」も手がけたミース・ファン・デル・ローエによる「D42チェア」。
ミニマルなスチールレッグに、ラタンで編まれた座面というシンプルな構造ながら、その完璧なフォルムは目を見張る美しさ。1927年にデザインされたものとは思えないモダンなムードで、今もなお新しい感動を与えてくれる。
しなやかな曲線を描いたレッグ部分によって生み出される、弾むように快適な座り心地も魅力の一つ。芸術性の中に機能主義を貫いたバウハウスデザインのスピリットが宿った、まさに名品と言える一脚だ。
アクタス
TEL. 03-5269-3207
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アルテックの「マドモアゼルロッキングチェア」
心地よい空間で、ティータイムや映画鑑賞などをゆったりと楽しむデンマーク的な時間の過ごし方、“ヒュッゲ”。そんなひとときにピッタリな一脚が、北欧ブランド・アルテックの「マドモアゼルロッキングチェア」。
1956年にイルマリ・タピオヴァーラが、住宅でのデイリーユースを想定してデザインしたこのチェア。一見直線的なスポークチェアのように見えるが、座面は柔らかく滑らかなカーブを描いており、一度座ったら離れ難くなるほど快適な座り心地を実現。フィンランド産の丈夫なバーチ材で作られており、木の温もりがよりリラックスしたムードを演出してくれる。カラーはデザインの美しさが際立つ、ブラックとホワイトの全2色。
アルテック
TEL. 0120-610-599
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ハンスJ. ウェグナーの「CH78ママ・ベアチェア」
生涯で500脚以上の椅子をデザインし、“椅子の巨匠”と称されたデザイナー、ハンスJ. ウェグナー。代表作「Yチェア」をすでにお持ちという人も多いだろうが、セカンドウェグナー作品として「CH78ママ・ベアチェア(通称ママ・ベア)」はいかがだろうか。
1954年の制作当時、重厚なデザインのラウンジチェアがトレンドであった中で、優雅な曲線と様々な形状が大胆に組み合わさった斬新なフォルムの「ママ・ベア」を発表し、驚かせたウェグナー。デザイン美と同様に機能性も追求した彼らしく、人間工学に基づいて首・背・体を優しく、しっかりと支える設計になっているのも特徴だ。
別売りでヘッドレストを装着できるだけでなく、張地も多彩なバリエーションから選ぶことができる。
カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京
TEL. 03-5413-5421
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A.PETERSEN ROCKING チェア
コペンハーゲン発のギャラリー&ショップ「A. PETERSEN」の「ROCKINGチェア」は、伝統的なデッキチェアのデザインに、ロッキング機能を搭載したユニークなチェア。
手がけたのはポール・ケアホルムのデザイン事務所で、ケアホルムが亡くなるまで働いていた経歴を持つデザイナー、ダン・スヴァース。リラックスシーンにマッチするラフな佇まいでありながら、アーム部分にはケアホルムがデザインした「PK28」を想起させる形状を取り入れるなど、細部までデザイン美を追求している。
接合部の位置にまでこだわった緻密な構造計算により、快適性・耐久性も抜群。布だけで体を支えているとは思えないほど安定感があるので、座ってみると予想を超える驚きがあるはず。
アクタス
TEL. 03-5269-3207
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ジオ・ポンティの「スーパーレジェーラ」
指1本でも持てる超軽量椅子として1957年に誕生した「スーパーレジェーラ」。デザインしたのは、家具デザイナー・建築家のジオ・ポンティ。編集者としても活躍し、1928年には、当時初となる建築・デザインの本格的な専門雑誌『ドムス』を創刊。イタリアの近代建築そしてデザイン分野において多大なる功績を残した。
そんなジオ・ポンティの代表作である「スーパーレジェーラ」は、重さ2㎏以下の「超軽量椅子」として発表当時話題を集め、カッシーナの隆盛期を牽引。今なお多くのデザイナーがリ・デザインを試みるなど、世界中で愛され続けている名作。アッシュ材のフレームによる端正な構造と、極限まで無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインは、現代の暮らしにもマッチ。籐張りのシートは、腰をかけると程よくたわみ、快適な座り心地を叶えてくれる。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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ジャンカルロ・ピレッティの「DSC106S サイドチェア」
オフィスや学校で今では当たり前に目にする金属製パイプ椅子。その生みの親として知られるのが、デザイナーのジャンカルロ・ピレッティだ。イタリア・ボローニャ出身で、主にオフィス家具デザイナーとして活躍したピレッティは、1969年に折りたたみ可能、開いた状態でスタッキングもできるスチールフレームの「プリア」を発表。数々の賞を受賞し、大ヒットとなった。そんな「プリア」発表の前、1965年にデザインしたのが、こちらの「DSC106S サイドチェア」だ。
人間工学に基づいた座り心地の快適さ、フォルムの美しさ、そして機能性が見事に調和した「DSC106S サイドチェア」は、成形合板の座面・背面をアルミニウム製のフレームで挟み込み、ネジで締め上げて固定。木製家具が主流だった時代に、いち早くアルミニウムに着目することで生まれた画期的な構造により、椅子デザインに革新をもたらした傑作だ。シートの素材は、ビーチウッド、ファブリック、ベルベットの3タイプからセレクト可能。さらにファブリックではオレンジやレッド、イエローとポップな8色がラインナップ、柔らかな感触とエレガントさを纏うベルベットは5色と、豊富なカラーバリエーションが揃う。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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マルコ・ザヌーゾの「ウッドライン」
建築家、家具デザイナー、編集者……と幅広い分野で活躍し、多才で個性的な建築家が多く揃うイタリア。マルコ・ザヌーゾもやはり、建築家、家具デザイナー、編集者、そして大学教授と多くの肩書を持ち、数々の名作を生み出してきた。
そのひとつが、1964年に発表した「ウッドライン」。アーム部分の先端が反り上がった特徴的なデザインで、オブジェとしての存在感も抜群な「ウッドライン」は、背もたれの傾斜とクッションシートにより、体を預けてゆったりとくつろげる、ソファのような座り心地が魅力。静かにひとりで読書を楽しんだり、映画鑑賞をしたり、自分だけのとっておきの時間を楽しむパーソナルチェアにもおすすめ。シートの素材はレザーやファブリックなどより選択可能。カラーも好みで選ぶことができる。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
TEL. 03-5474-9001
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ピエロ・ガッティ、チェーザレ・パオリーニ、フランコ・テオドーロ の「サッコ」
今、流行りのビーズクッションの椅子のパイオニア的存在と言えるのが、1968年に誕生した「サッコ」だ。デザインしたのは、当時、20代後半〜30代の若手デザイナーとして活躍していた、ピエール・ガッティ、チェザーレ・パオリーニ、フランコ・テオドーロの3人。イタリア語で“袋”を意味する“サッコ”と名付けられた椅子は、その名の通り、丈夫な袋にビーズ(ペレット)が詰められており、上に座ったり、横になったり。どんな姿勢にもフィットする使い勝手の良さで、発表から50年以上経った今なお、愛され続けている。
発表当時「これは椅子なのか?」と世界中に衝撃を与えた「サッコ」は、これまでの既成概念に捉われない、大胆で自由な発想が評価され、1970年にはイタリアデザインの権威ある賞、コンパッソ・ドーロを受賞。さらに、ニューヨーク近代美術館「MoMA」の永久展示品になるなど、イタリアンモダンデザインのアイコン的存在となっている。落ち着いたモノトーンカラーから、赤や青、黄色とポップなカラーまで、多彩なカラバリが揃うのも魅力だ。インテリアのアクセントとしても楽しめるポップな名作椅子に、脱力した体を預けてくつろぎのひとときを過ごしたい。
メトロクス
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ヴィコ・マジストレッティ「905」
カッシーナを代表する「マラルンガ」ソファをデザインしたことでも知られているイタリアデザイン界の巨匠ヴィコ・マジストレッティは、照明や椅子、シェルフと、数々の名作家具を手掛けてきた。数ある作品の中でも、シンプルな構造ながら、曲線美を生かした木のフレームにより、ヴィコ・マジストレッティらしさを感じられるのが、1964年に誕生した「905」チェアだ。
現在、カッシーナで取り扱っている「905」チェアは、2000年までカッシーナが製造していたオリジナル版を、仕上げや技術をアップデートさせた復刻版。無垢材の脚部分は、カッシーナの高度な職人技と最先端のテクノロジーを掛け合わせることで、丸みを帯びた独特なフォルムを実現している。フレームは、アッシュ材のナチュラルとブラック、アメリカンウォールナット材の全3種よりセレクト可能。張り地は豊富な素材やカラーより選ぶことができる。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
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シャルロット・ペリアンの「ベルジェ スツール」
ル・コルビュジエやピエール・ジャンヌレとともに数々の建築や家具を手掛けた、フランスの建築家・デザイナー、シャルロット・ペリアン。日本とも親交が深く、戦後日本のデザイン界に多大な影響をもたらした存在でもある。そんなシャルロット・ペリアンの代表作として知られているのが、こちらの「ベルジェ スツール」。その名の通り「ベルジェ」=「羊飼い」のためのスツールから着想を得てデザインされたもので、1955年に東京で行われた「巴里—芸術の総合への提案 ル・コルビュジエ、フェルナン・レジェ、シャルロット・ペリアン三人展」で初披露された。小ぶりなサイズに丸みを帯びたフォルムと、あちこちに置きたくなる愛らしい作品となっている。
カラーは、アメリカンウォールナット材のナチュラル塗装、オーク材のナチュラル塗装、ブラック染色塗装の3タイプから選ぶことが可能。無垢材を使用しているため、1点1点木目が異なるが、そのナチュラルな美しさも作品の魅力と言えるだろう。
カッシーナ・イクスシー 青山本店
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エーロ・アールニオの「ロケット バースツール」
「ボールチェア」や「バブルチェア」など、近未来を連想させるような先鋭的なデザインで世界中から愛されているフィンランドデザイン界の巨匠、エーロ・アールニオ。その作品の多くは、鮮やかな色とプラスチック素材を用いた有機的なフォルムが特徴だが、Artek(アルテック)より1995年に発表した「ロケットバー スツール」は、エーロ・アールニオには珍しい木製家具であり、彼の新たな魅力を発信した名作として知られている。
「ロケット バースツール」は、もともとエーロ・アールニオが自宅のキッチン用の椅子としてデザインしたもので、その名の通りロケットを思わせる、遊び心溢れるデザインが魅力。無駄のないシンプルな構造と素材の温もりを感じさせるフィンランドデザインらしさと、エーロ・アールニオのポップアート的なセンスが見事に融合した作品は、1脚でも存在感は抜群。カラーは、ナチュラル、ホワイト、ブラックの3色がラインナップ。
アルテック
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カスティリオーニ兄弟の「メッザドロ スツール」
常識に捉われない独創性に長けた作品で、イタリアの近代デザインを牽引してきたアッキレ・カスティリオーニ。「デザインは観察から生まれる」といった言葉を遺したとされるカスティリオーニのデザイン哲学が宿るのが、こちらの「メッザドロ スツール」。共にイタリアの照明ブランドFLOS(フロス)を創設した兄のピエール・ジャコモ・カスティリオーニとの共作で、1957年にデザインしたインパクト抜群のスツールだ。
「メッザドロ スツール」を構成するのは、当時農作業用のトラクターに用いられていたシート、レーシングバイクのピン、スチール製のクロスボウ、そして帆船の横木。すべてが日常の観察によって導かれた既成の要素であり、それらを見事、ひとつの作品として成立させているのはさすがの一言。シートは、レッドやホワイト、ブラック、オレンジと多彩なカラーが揃う。好みのカラーでインテリアにインパクトを添えて楽しみたい。
メトロクス
TEL. 03-5777-5866
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チャールズ&レイ・イームズの「イームズターンドスツール」
ミッドセンチュリー期のデザイン界を牽引し、当時の最先端技術を用いながら、機能性と美しさを融合した作品を生み出してきたチャールズ&レイ・イームズ。成形合板やプラスチック、スチールワイヤーなど当時の新素材や新たな加工技術をデザインとして取り入れた作品も多い中、シンプルな無垢材を用いて作られたのが、こちらの「イームズウォールナットスツール」。ニューヨークにあるタイムライフビルのロビーのために1960年にデザインされたもので、工芸品のような彫刻的なフォルムは、主にレイがデザインを担当したとされている。
旋盤を使い切削して仕上げられており、持ち上げると無垢材のずっしりとした重厚感も感じられる。フラットに見える座面は、程よい窪みをもたせた設計になっており、座ると体にフィットする感覚も心地いい。デザインは3種類あり、上下逆さまにして使用することも可能。スツールはもちろん、サイドテーブル、あるいは飾り棚として、さまざまなシーンで活躍してくれそうだ。
ハーマンミラーストア 青山
TEL. 03-3486-2660
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剣持勇の「スツール S-3040」
渡辺力、柳宗理らと戦後日本のデザイン黎明期を牽引し、「ジャパニーズ・モダン」の提唱者として知られる近代日本を代表するデザイナー、剣持勇。1955年には「剣持デザイン研究所」を設立し、数々のインテリアデザインの名作を生み出してきた。
こちらの「スツール S-3040」も、そんな剣持の代表作のひとつ。1960年、近代的なホテルの先駆けとなったホテルニュージャパンのバーラウンジのためにデザインした「ラウンジチェア C-3150」シリーズのスツールで、コロンとした丸みのあるフォルムが特徴。当時の「籐は夏向けで東南アジアの安価な家具材である」というイメージを払拭した細かい編み方や、ディテールの美しさで魅了し、洗練された日本的なプロダクトとして注目を集めた作品は、今見ても新鮮で、タイムレスな美しさを放つ。シートクッションの張り地は、シックなものからポップなカラーまで選択可能。サイズは3種類。
メトロクス
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