韓流エンタメの第一人者、田代親世さんが、韓国ドラマの魅力を様々な独自の切り口でご紹介。今回は、守ってくれる男はかっこいいけど、守ってくれる女もかっこいい!ということで、ヒロインが男性を守るドラマを3本セレクト!

TEXT BY CHIKAYO TASHIRO

女性弁護士が “最推し”のアイドルを救う
『アイドルアイ』

 このドラマ、その手があったか、という設定が面白いです。長年ひたむきに1人のアイドルを追い続けてきた、いわゆる推し活「ガチ勢」の女性弁護士が主人公。ある日、あろうことか自分の最推しが、同じグループのメンバーを殺害したという衝撃の容疑で逮捕されてしまいます。彼女は自分が彼のファンだということを隠して彼の弁護を引き受けるわけですが、この「公私混同」ギリギリの攻防が面白いんです。

画像: 主人公の弁護士役チェ・スヨン © 2025 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.

主人公の弁護士役チェ・スヨン © 2025 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.

 弁護することを決めるときも「彼の『下手な演技』を長年見守ってきた私にはわかる。今の彼の「自分はやってない」という言葉に嘘はない!」ということで弁護を引き受けたり、ほかにもついオタクの知識があふれ出てしまい、「なんでそんなことまで知ってるんですか?」と本人に怪しまれたり、クスクス笑えます。でもドラマは単なるコメディにとどまりません。アイドルの孤独、事務所との移籍トラブル、さらには息子にたかる母親の問題……。私たちが普段、キラキラしたステージを見ながら「もしかして、裏ではこんなことが?」と想像してしまうような、芸能界のリアルな闇がこれでもかと描かれます。誰からも疑われ、世界中に見捨てられたような絶望の中にいる推し。彼にとって、自分を無条件に信じて戦ってくれる女性弁護士は、唯一の救いになっていきます。

画像: アイドル役のキム・ジェヨン(左)とチェ・スヨン(右) © 2025 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.

アイドル役のキム・ジェヨン(左)とチェ・スヨン(右) © 2025 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.

 そして、特筆すべきはアイドル役を演じるキム・ジェヨンです!普段は強気でツンとしているのに、ふとした瞬間に見せる、消え入りそうな掠れた声、そして捨てられた子犬のような瞳、すがるような表情。この「守ってあげなきゃ感」の出し方が、もう絶品。強がっている男の子が、自分だけに弱さを見せる……。このギャップにときめかない女子はいないでしょう。犯人探しのミステリーとしての完成度もさることながら、推しとファンという境界線を超えて、2人の関係がどう変化していくのか。最後まで目が離せません。

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エリート中年の心をほぐす恋愛を超えた絆
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』

 これは心にずしんと響く究極の名作です。イ・ソンギュン演じる主人公のドンフンは、一見エリートですが、会社では嫌な後輩が社長になって自分を左遷して追い落とそうとするわ、あろうことかその社長が自分の妻と不倫しているわ、「まじめな無期懲役囚みたい」と言われてしまうほど空虚さを抱えています。そんな彼には、高学歴なのにプータロー同然の兄と、映画監督の夢にしがみついて芽が出ない弟がいて、3人はしょっちゅうつるんでいるんですね。この中年クライシスを地でいくような彼ら3兄弟が、酒を酌み交わしながら愚痴をこぼし合って寄り添う姿がなんだか温かいんですよね。 

画像: ドンフン役のイ・ソンギュン(左)とIU(右) ©STUDIO DRAGON CORPORATION

ドンフン役のイ・ソンギュン(左)とIU(右) ©STUDIO DRAGON CORPORATION

 一方、IU演じるヒロインのジアンは、21歳の若さで、借金を抱え、寝たきりの祖母を世話し、バイトに明け暮れ、借金取りに殴られるという日々を送っています。感情を一切押し殺した彼女の瞳は、まるで深い淵のように空虚で、見ているだけで胸が締め付けられます。そんな彼女が、ある目的のためにドンフンのスマホを盗聴し始めるのですが、イヤホンから聞こえてくる彼の吐息や、置かれている日常や、彼が漏らす優しさに触れるうちに、どんどん惹かれていき、ついには会社の派閥争いから彼を守っていくまでになるのです。そしてドンフンも、ジアンの過酷な現実を知って放っておけなくなるんですね。このドラマを見ると、やりきれない人生でも、温かく見守って励ましの声をかけてくれる人がいれば救われるということにじんわり心が癒されます。主人公2人がお互いに、この人に幸せになってもらいたいと願うようになり、この守り、守られる2人の魂の交流が、恋愛を超えた深い絆として描かれていて、もうたまらないわけです。

画像: ヒロイン役のIU ©STUDIO DRAGON CORPORATION

ヒロイン役のIU ©STUDIO DRAGON CORPORATION

 派手なアクションや甘いラブシーンがあるわけではありません。でも、人間の底知れぬ哀しみと、それを包み込む優しさを、本当に丁寧に描ききっているのでいつまでも心に残るんですね。ラストに広がる、最高の清々しさをぜひ感じてください。

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怪力をいかしてCEOのボディーガードに
『力の強い女 ト・ボンスン 』

 これは怪力のヒロインが、2人の男性と繰り広げていくラブコメディーです。先祖代々伝わる人並み外れた怪力の能力を持つ女性ト・ボンスンは、その怪力ぶりを見込まれて、脅迫を受けていたゲーム会社のCEOのボディーガードになります。自由気ままでユニークなCEOと、ボンスンの片想いの相手で堅物ながらも男らしい刑事という、全くタイプの異なる2人の魅力的な男たちが、いつもボンスンを挟んで対立することになっていきます。

画像: ヒロイン役のパク・ボヨン ©Jcontentree corp. all rights reserved / JTBC / 2017

ヒロイン役のパク・ボヨン ©Jcontentree corp. all rights reserved / JTBC / 2017

 このドラマ、ゲーム会社のCEOを演じているパク・ヒョンシクが輝いていて、もう、ちょっと~なんでこんなに素敵なの?と思わずにいられません。颯爽としていて華やかな麗しさがあって、かっこよさに甘さも加わり、そのうえキャラクターのメリハリがいいんです!一見ひょうひょうとしているけど実は情に飢えていて、信じていたものに裏切られてむせび泣いたりする姿は母性本能をくすぐります。愛の面でも、ふとした瞬間にボンスンを熱い眼差しで見つめるので、そこにキュンキュンきます。この眼差しは韓国では「蜂蜜のような眼差し」と言われましたが、まさしく蜜があふれ出てきそうな、魅惑の眼差しです!で、2人がラブラブになるとヒョンシクがすっごくかわいくなってしまうのもご愛敬。ボンスンの動画を見て悶えてしまったり、かっこつけようとしても愛らしいボンスンを前にするとふにゃふにゃっとなってしまうのも、かわいくてたまら~ん、という感じです。もうラブラブシーンはホワンホワンとしたピンクの空気が漂っていて、見ているこっちが恥ずかしくて照れちゃうほどです。

画像: CEO役のパク・ヒョンシク(右)とバク・ボヨン(中) ©Jcontentree corp. all rights reserved / JTBC / 2017

CEO役のパク・ヒョンシク(右)とバク・ボヨン(中) ©Jcontentree corp. all rights reserved / JTBC / 2017

 一方の刑事を演じたジスも硬派で誠実で応援したくなる魅力があります。この背の高い2人の男子が、小柄なボンスンを間に挟んで恋のさや当てをしながら、ああでもない、こうでもないと、3人でわちゃわちゃするのが見ていて最高に楽しいです。ボンスン役のパク・ボヨンもキュートでチャーミング。小さなボンスンが男たちをバッタバッタとなぎ倒していくのも痛快です。ラブリーな愛のパートと、不気味なサスペンス、そして脱力系のコミカルシーンが入れ替わりに出てきて、キュンキュンしながら笑って泣いて、じ~んときて、見終わってほっこりした気持ちにさせられるとっても面白いラブコメです。

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田代親世 韓流ナビゲーター 
韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。


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