BY SAYAKO SAKAMOTO

長きにわたり、イタリア海軍に高度な精密機器を提供してきた「オフィチーネ パネライ」。1916年、計器や装置の文字盤を発光させるために開発された「ラジオミール」は夜光塗料として用いられ、1940年には、それに代わる新しい蛍光物質として「ルミノール」を作り上げた。水中における視認性、過酷な状況下でも使用し続けることのできる耐久性への飽くなき探求から生まれた技術の数々は、やがて時計作りへと応用されるようになった。夜光性の数字やマーカー、機械式手巻きムーブメント、ワイヤーループと円錐形のリュウズを備えたクッションケースなど、これらパネライの歴史を映す特長の多くは、いまもなお現行モデルへと受け継がれている。
そして2017年9月、SIHH(ジュネーヴサロン)2017でも見ることができなかったニューフェイスが登場。海軍特殊潜水部隊のために特別に製作されたケース径を踏襲した「ラジオミール 1940」、1936年当時のモデルをそのまま受け継ぐクッションケースを採用した「ラジオミール」、最高峰の防水機能、レバーロック式のリュウズプロテクターを備えた「ルミノール 1950」という、パネライを代表する3つのモデルだ。

スイス ヌーシャテルのパネライ マニファクチュールで作られる完全自社製の手巻きキャリバー「P.2004」。ケースの裏蓋のサファイヤクリスタルからは、コラムホイールが見える
ケース径や素材でそれぞれに異なる表情を見せる3型に共通するのは、深海をイメージさせるようなダークグリーンの文字盤。夜光ベージュのマーカーと金メッキを施した針が、上品さを醸しだす。また、ナチュラルレザーを使用したストラップにはブラウンOPロゴが刻印され、未加工の革ならではの経年変化を楽しむことができる。全モデルともに、ブラックグリーンのチェリーウッドボックスに収められ、ブラックのラバーストラップと交換用のストラップツールが付属する。パネライらしい存在感のあるタフなデザインも、これまでにないエレガントな配色により、ファッションコーディネートのアクセントとして活躍してくれそうだ。

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF OFFICINE PANERAI
(写真左より)
「ラジオミール1940 スリーデイズ アッチャイオ」
ムーブメント: 機械式手巻き、自社製 P.3000 キャリバー搭載。ケース径47mm、ポリッシュスティール。グリーンダイヤル、夜光性アラビア数字、アワーインデックス。デイト表示、スモールセコンド。パワーリザーブ: 72時間、10気圧(~100m)防水。¥950,000
「ラジオミール エイトデイズ チタニオ」
ムーブメント: 機械式手巻き、自社製 P.2002/9 キャリバー搭載。ケース径45mm、サテンチタン。グリーンダイヤル、夜光性アラビア数字、アワーインデックス。デイト表示、スモールセコンド、パワーリザーブ表示(ケース裏)、ゼロリセット。パワーリザーブ: 192時間(8日間)、10気圧(~100m)防水。¥1,280,000
「ルミノール1950 クロノ モノプルサンテ エイトデイズ GMT チタニオ」
ムーブメント: 機械式手巻き、自社製 P.2004 キャリバー搭載。ケース径44mm、サテンチタン。グリーンダイヤル、夜光性アラビア数字、アワーインデックス、ミニッツカウンター、スモールセコンド、24時間・水平パワーリザーブ表示。パワーリザーブ: 192時間(8日間)、10気圧(~100m)防水。¥1,900,000
問い合わせ先
オフィチーネ パネライ
フリーダイヤル:0120-18-7110
公式サイト