彫刻的なフォルムで注目される3つのジュエリーブランド。デザイナーたちが自分たちのルーツとコンセプトを語った

BY ZIO BARITAUX, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

「Juliette Laloë(ジュリエット ラロー)」
デザイナー:ジュリエット・アヴィニョン
フランス・パリ
www.juliettelaloe.com

画像: (右下)「ジュリエット ラロー」のジュリエット・アヴィニョン COURTESY OF JULIETTE LOLOË

(右下)「ジュリエット ラロー」のジュリエット・アヴィニョン
COURTESY OF JULIETTE LOLOË

 2011年の夏、フランス人のジュエリーデザイナー、ジュリエット・アヴィニョンは、自身の20歳の誕生日の前日にスクーターに乗ったままうとうとして木に突っ込んだ。病院で目覚めたときには顎の骨と大腿骨を骨折しており、フリーダ・カーロの作品集を眺めることだけが唯一の慰めだった。フリーダ・カーロは、バスに乗っているときに交通事故に遭い、その後、絵画に本格的に取り組むようになったわけだが、そのメキシコ人の画家同様に、ジュリエットは寝たきり状態でいるときに”アクセサリーと触れ合う”ようになった。「半年後、私はまた歩けるようになりました」と彼女は言う。「それ以来、ずっとジュエリーを作り続けているのです」。

 現在、彼女の名を冠したブランド「ジュリエット ラロー」(「ラロー」は彼女の母親の姓である)は、シンプルだが印象的なデザインのジュエリーを幅広く取り揃えている。そのラインナップは、ギリシャ陶器の影響を受けたフープイヤリングから、フランス人作家ジャン・コクトーの線描画を彷彿とさせる目の形のイヤリングまで。「ただのジュエリーではないのです」と、独学でジュエリー制作を学んだデザイナーは言う。「私の作品は物語を語るのです」と。

パリとプロヴァンスを行き来する彼女は、最新コレクションでノルマンディーの港町を描き出している。ゴールドのドロップイヤリングは水たまりのようだし、波打つ大きなフープイヤリングには質感のある天然パールが点々と施されている。泡立った白波のように見えるバングルもある。こういったアイテムを、彼女は手作業で生みだしている。真鍮で形をつくり、それをプロヴァンスの職人へ送り、ゴールドメッキをしてもらうのだ。「私が好きなのは、アンティークのような、どこか不完全な佇まいなのです」。

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.