彫刻的なフォルムで注目される3つのジュエリーブランド。デザイナーたちが自分たちのルーツとコンセプトを語った

BY ZIO BARITAUX, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI

「Noon(ヌーン)」
デザイナー:ソフィア・アームストロング
カナダ・バンクーバー
http://shopnoon.ca

画像: 「ヌーン」のソフィア・アームストロング COURTESY OF NOON

「ヌーン」のソフィア・アームストロング
COURTESY OF NOON

 26歳のジュエリーデザイナー、ソフィア・アームストロングは、うねるような形状をしたユニークなアイテムを作る際、自ら銀を鋳造するところから始める。多大な労力を要する作業だが、彼女はこの作業について「とにかく癒される」と表現する。彼女はその作業の中で、さまざまな形状を試してみるのだ。彫刻家のバーバラ・ヘップワースやイサム・ノグチは、彼女のつくる流体形をしたシルバージュエリーの、一貫して変わらぬインスピレーション源だ。ジョアン・ミロの絵画「逃亡を夢見る女」もそのうちのひとつだという。「その絵には子どものような遊び心があって、デザインするときは自分の直感を信じるべきだということを思いださせてくれます」とソフィアは説明する。彼女はジュエリーアートとデザインをバンクーバー・コミュニティ・カレッジで学んだ。

 だが、今もなお、ソフィアにもっとも強い影響を与えているのは彼女の亡き祖母だ。画家であり、写真家でもあった彼女の祖母は、メキシコを旅しながらジュエリーを収集していた。ターコイズのはめ込まれたリングやボラ・ネックレス(妊娠中の女性がよく身に付ける球体のチャームがついたペンダントで、かすかな鈴の音が鳴る)などがあり、子どものころのソフィアは、そのキラキラ輝くシルバージュエリーをつけておしゃれをしたのだった。「祖母が亡くなったとき、私は彼女のコレクションをそのまま受け継ぎました」「ボラ・ネックレスの鈴の音を聴くと、今も祖母を思い出します」とソフィアは話す。

2015年に立ち上げた自身のジュエリーブランド「ヌーン」で、彼女がいま生み出しているのは調和だ。不規則に打たれたシルバースタッズからはローズピンクのパールがぶら下がっており、完璧なまでに構築的なデザインのチョーカーやリングには虹色に輝く淡水パールが散りばめられている。柔と剛の巧妙なバランス感がそこにあるのだ。そして彼女は語る。「私が常に興味を持っているのは、ありきたりではない美しさを自分の作品で表現することなのです」と。

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