BY ALEXANDER FURY, TRANSLATED BY CHIHARU ITAGAKI
ちなみに、NYにあるアナのアパートの内装は、臆病な人には向かない。黒い壁に赤い床、ラッカー塗装された家具で構成されているのだ。NY・ブルームストリートにあるアナ スイのブティックも同じ意匠で、さらに彼女のシグニチャーカラーである紫が加えられている。紫は、アナが愛してやまないエリザベス・テイラーの瞳の色でもある。
シーズンごとに提案するスタイルががらっと変わるブランドばかりの昨今にあって、自身の確固たるスタイルを貫き通すことで異彩を放っているアナ スイ。そのスタイルは、デザイナー本人の個人的な願望と密接にリンクしている。「オジー・クラークやザンドラ(・ローズ)の服を着たいと、ずっと思っていた」と語るアナ。その2017-18年秋冬コレクションは、まさに彼らのような60年代の伝説的デザイナーの作品を彷彿とさせるものだ。アナは言う、「デザインをすることで、自分の願いを叶えているようなものね」