BY JUNKO ASAKA, PHOTOGRAPHS BY SHINSUKE SATO
「こんなサバ缶、見たことない!」
……というのが、“鯖の頂き”を謳う高級缶詰「NO.38(ナンバー・サーティエイト)」の第一印象である。はたして、サバ缶詰の「高級」とはいかなるものか?

シックなギフトボックス入りの「No.38 珠玉の3缶セット」¥3,500/ 送料¥600(北海道・沖縄は¥900)
まず、パッケージがいい。漆黒のペーパーボックスに、箔押しでさりげなくサバのイラストと「No.38」の文字。中に納められた3種類の缶詰もひとつひとつデザインされた白い箱入りで、贈答として差し上げても、受け取った人の驚く顔が目に浮かぶようだ。
そしてなによりも驚かされたのは、その味だ。いちばんオーソドックスなサバ缶のイメージに近いのが、「TRIPLE MIX PEPPER/三種の厳選胡椒仕立て」だろう。しかし缶をあけると、爽やかなペッパーとローリエの香りが漂い、見た目にも、缶詰というよりすでに前菜の趣をたたえている。口に含めば、ふっくらとして食べ応えのあるゴロンとした身に再び驚く。黒・白・グリーンと3種類の胡椒がほどよく効いて、サバ独特のくさみはまったく感じられない。ふだん、サバの缶詰にはしょうゆかマヨネーズを添えがちだが、こちらはこのまま、サバのうまみをしっかり味わいたくなるおいしさだ。

「TRIPLE MIX PEPPER/三種の厳選胡椒仕立て」1缶¥1,200
個人的にかなり魅了されたのは、「CHILI AND GARLIC/辛味引き立つガーリックオイル仕立て」。赤唐辛子が丸ごと1本、ガーリックスライスとともにひと缶ひと缶に納められている。うまみと辛味がしっかりしみこんだオイルはぴりりと辛めで後を引く。ビールはもちろん、シェリーや日本酒など、少し強めのお酒にもよく合いそうだ。
もう1品は「SPICY RICH CURRY/スパイス香る芳醇カレー仕立て」。玉ねぎやしょうが、すりおろしにんにく、スパイスを炒めて仕上げたオリジナルのカレーにサバのうまみが溶け込み、これまた立派な「サバカレー」になっている。そのままおかずにもなり、カレーライスにもなり、厚めのパンに挟めばカレー風味のサバサンドのできあがりだ。

「CHILI AND GARLIC/辛味引き立つガーリックオイル仕立て」¥1,200

「SPICY RICH CURRY/スパイス香る芳醇カレー仕立て」¥1,200
ユニークなのは、このサバ缶の誕生の経緯である。広告やWEB、映像の企画制作会社であるアバランチが、創立20周年の記念品として、しゃれっ気を込めて「サバランチ(SAVALANCHE)」を開発。1,000個限定で関係者に配ったところ、品切れ後に問い合わせが入るほどの好評を博したことから、本格的な商品化が決まったのだという。
商品開発は、缶詰に適したサバの選定から始まった。脂のしっかり乗ったノルウェー産の最高級品に白羽の矢が立ち、その味を最大限に生かすために1年をかけて100回もの試作が行われたという。3種類のどれも、骨をていねいに抜いた身が大きくカットされている。また、カレー仕立ての一品では、スパイスをなじませるために、カットしたサバをさらに手でほぐして調理するなど、まさに料理並みの手間がかけられている。通常のサバ缶は機械作業で製造されるため、この味を生み出すまでには多くの生産工場から断られたのだとか。

そのまま器に移しても映えそうな見た目、ゴロンと大きな身が「No.38」の真骨頂
PHOTOGRAPH: COURTESY OF AVALANCHE
胡椒仕立ては、セロリや白ワインとあわせてピラフに。チリ&ガーリックなら、パスタにからめてサバペペロンチーノもよさそうだ。いわゆる「酒のつまみの缶詰」というイメージを大きく裏切り、食卓の華やぎにひと役かってくれる「ひと品」に。この夏のしゃれた贈り物に、いかがだろうか。
問い合わせ先
アバランチ
TEL. 06(6479)2401(平日10:00~18:00)
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