さまざまな分野で活躍する“おやじ”たち。彼らがひと息つき、渋い顔を思わずほころばせる……そんな「おやつ」とはどんなもの? 偏愛する“ごほうびおやつ”と“ふだんのおやつ”からうかがい知る、男たちのおやつ事情と知られざるB面とは。連載第18回は小説家の朝井リョウさん

BY YUKINO HIROSAWA, PHOTOGRAPHS BY TAKASHI EHARA

『 桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞し、センセーショナルなデビューを飾った小説家の朝井リョウさん。以降も『チア男子‼』『何者』『武道館』……、そして作家活動10周年を記念した最新刊『発注いただきました!』と精力的に作品を世に送り出し、時に現代人の心に内包されるヒリヒリした感情を淡々と炙り出しつつ、世間に新しい価値観やうねりを巻き起こす。

 小説におやつが頻繫に登場することはないが、私生活では意外にも、並々ならぬおやつ好き。「私の場合、想定している結末がもっとも映えるような情報を順番に積んでいくような感覚で小説を書いているので、おやつを食べるようなシーンが意外と少ないかもしれません。もっとあそびの部分が必要だと思い知らされますね。でも実生活は、時間も、行動も、おやつを食べることを見越して前後を調整するくらい、おやつに司られている。私にとっては“時計”のような存在です」。お酒をあまり飲まない朝井さん、子供の頃から度を超えた甘党らしく、「一人暮らしを始めたときの発見のひとつに、『おやつって、買わないと家の中に現れないんだ…』というものがあります。母親が常に何かを買ってくれていたのだなという、当たり前のことですが、十八歳の私にとっては大発見でした」

画像: 「おやつに合わせるのはブラックコーヒーが多いですね」 清月堂本店「小型羊羹(野路の梅・煉)」各¥220 清月堂銀座本店 TEL.03(3541)5588

「おやつに合わせるのはブラックコーヒーが多いですね」

清月堂本店「小型羊羹(野路の梅・煉)」各¥220
清月堂銀座本店 
TEL.03(3541)5588

「三食しっかり食べてしまうと尋常じゃない眠気に襲われる低血糖体質。冷や汗が出たり震えが起こるという突発的症状に対処するため、甘いものは家の中にも出かける時にも常備しています。0.6〜0.7食を1日5回に分けて食べた方がいいようで、三度の食事は抑えめに、あとの2回はおやつで補給する感じ。チョコレートやキャラメルなどいろいろなおやつを試した結果、低血糖体質を飼い慣らすために最適だと落ち着いたのが「羊羹」。包丁を使わず手軽に食べられるミニサイズ派で、『とらや』のものに加え、近頃は『清月堂本店』の小型羊羹もお気に入りです。最近、トライアスロンの選手などが競技中に食べる栄養補給食として羊羹が流行っていると知り、自力でそこに辿り着いたのスゴくない? と思っています」

 

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