世が常ならば、一流レストランのお皿のうえでしか出会えない、極上の野菜。日本のトップ・シェフたちが敬愛してやまない、野菜の目利きや生産者の手による野菜をおうちでも。力強く素晴らしい風味から、彼らの真摯な姿勢とたゆまぬ努力が伝わってくる

BY MIKA KITAMURA

JETFARM

 この特集の第二回目で、「京中」の肉についてコメントを寄せてくれた「モンド」の宮木シェフが、「ここのアスパラガスは素晴らしくおいしい。これからが最盛期だけど、新型コロナ問題とちょうど時期が重なってしまって……」と、教えてくれたのが「JETFARM(ジェットファーム)」。北海道南西部・厚沢部(あっさぶ)町でアスパラガスだけを栽培している農家だ。

画像: JETFARMの長谷川さんの一家。博紀さん、朋巳さんご夫妻は函館で出会った。その後、最高のアスパラガスづくりに挑戦したいと、2人で厚沢部町へ移住。3人のお子さんに恵まれ、最高の環境でアスパラづくりに没頭している COURTESY OF JETFARM

JETFARMの長谷川さんの一家。博紀さん、朋巳さんご夫妻は函館で出会った。その後、最高のアスパラガスづくりに挑戦したいと、2人で厚沢部町へ移住。3人のお子さんに恵まれ、最高の環境でアスパラづくりに没頭している
COURTESY OF JETFARM

 厚沢部町は広葉樹をはじめとする豊かな森に囲まれた盆地だ。夏は30℃以上、冬は氷点下30℃になり、積雪も多い。朝晩も激しい寒暖差のある厳しい環境だが、アスパラガスを育てるには最高という。「アスパラは90%が水分です。水の質が味の決め手になります。ここの水は秀峰・乙部岳の雪解け水の伏流水です。この水のおかげで、うちのアスパラガスはおいしくなるのです」と博紀さん。化学肥料や動物由来の堆肥を一切使わず、蟹殻と海洋深層水、炭、漢方生薬などを組み合わせた自然なものを、少しずつ施して土を育てている。除草剤や殺虫剤、農薬ももちろん一切使用しない。「自分の子どもに安心して食べさせられるアスパラガスを皆さんにもお届けしたい。安心安全をモットーにしています」

 ミシュランガイド史上、世界最速で三ツ星を獲得した大阪「HAJIME」の米田肇シェフも、ここのアスパラガスを絶賛している。「食材を決めるとき、生産者の名前や産地などの情報は、基本的に聞かないようにしています。もちろん、前もって産地を訪れることもしません。届けてもらって食べてみて、味のみで決定します。JETFARMさんからも同じようにアスパラを届けてもらって味見をして、驚きました。立ち上がってくる香り、味の力強さ、そして、余韻の長さ……。すべてが素晴らしかった。『注文させてください!』と、すぐ連絡しました。例年、春から初夏にお出しする最初のひと皿は、ここのアスパラ以外、考えられないです」と、コメントを寄せてくれた。

 宮木シェフも「旨みとみずみずしさが段違い。そして、アスパラガスを“立てて”配送してくれるんです。こんな気遣いをしてくれるところはなかった」と話す。

画像: 取り寄せとして、一般家庭におすすめなのは「訳アリご自宅用アスパラ」<1kg>¥3,000(送料別) COURTESY OF JETFARM

取り寄せとして、一般家庭におすすめなのは「訳アリご自宅用アスパラ」<1kg>¥3,000(送料別)
COURTESY OF JETFARM

 一流料理人たちが絶賛するアスパラガス、これは取り寄せなければと、早速オーダー。いっぱい食べたいと、「訳アリ1kg」にした。訳ありだから、サイズはマチマチ。すごく立派な太さのものから、やや細めのもの、少し曲がったものなど、とりどりに入っていたが、どれもつやつやのグリーンで、元気いっぱい。見てるだけでおいしそう! 宮木シェフが話していたように、専用の箱に立てて、パッキングされていた。

「うちのは皮をむかなくてもいいんですよ」というアドバイスに従い、皮をむかずに、そのまま生でパクリ。シャクシャクした食感とほんのり苦みのあるアスパラの風味が口に広がる。あまりにおいしくて何本でも食べられそう。ゆでれば甘みが一層際立ち、深い旨みが脳に響く。宮木シェフ流に、穂先にだけオリーブオイルと塩をからめ、油をひかないフライパンでコロコロと軽く焼いたものは、風味を強く感じて、感動ものでした。

「アスパラガスは皮の部分に旨みや苦みなどの風味が、中の白い部分に甘みが詰まっている」と博紀さん。一般のアスパラの場合、根元の皮のところは繊維が多くて食べられないため、ピーラーなどでむかなくてはならないが、JETFARMのアスパラガスは、捨てるところがひとつもなかった。

 配送時に入っていたラップフィルムに入れたまま、立てて冷蔵庫で保存。乾燥が気になるのであれば、濡らしたキッチンペーパーを腹巻き状にアスパラに巻くとよいそうだ。くれぐれも、寝かせて置いたり、根元に水を吸わせたりしないように。味や鮮度の劣化につながる。

 博紀さんと朋巳さんは自然由来の肥料だけを施しながら、土を耕している。「心を込めて、自然な土をつくっています」。ここのアスパラガスを味わうたび、その豊かな土を思い浮かべ、美しい地球と真摯な生産者に感謝を捧げている。

問い合わせ先
JETFARM
公式サイト

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