“天と地の間に生まれる美しい飲み物”と称されるワイン。よりよきブドウを育み、味わいを究める努力を重ね、日本ワインに新章を開いた4人の女性たちの姿を追う。第一回は、サントリーワインインターナショナル、吉雄敬子さんに話を聞いた

BY KIMIKO ANZAI, PHOTOGRAPHS BY YASUYUKI TAKAGI

 眼下に広がるのは甲府盆地。晴れた日は、青い山並みの向こうに富士山が見える。「登美の丘ワイナリー」のブドウ畑を歩きながら、サントリーワインインターナショナル代表取締役社長の吉雄敬子が言う。「素晴らしい景色でしょう? 自由な往来が可能になったら、ブドウを育むこの地を多くの方々に見ていただきたいと思っています」

画像: 吉雄敬子(KEIKO YOSHIO) 慶應義塾大学法学部卒業。サントリービール ブランド戦略部部長を経て2021年より現職。「お客さまに喜んでいただけるものを作るため、常に生活者としての視点を大事にしています」

吉雄敬子(KEIKO YOSHIO)
慶應義塾大学法学部卒業。サントリービール ブランド戦略部部長を経て2021年より現職。「お客さまに喜んでいただけるものを作るため、常に生活者としての視点を大事にしています」

 吉雄の就任は今年1月のこと。男性中心の酒販業界において、大企業に初の女性社長が誕生したことは大きなニュースとなった。就任後、ワインと向き合うなかで「ワイン造りはブドウ作りが大切。そして人の思いや技術がそれを支える」ということを改めて認識したという。栽培技術や品質向上の支援を担う“栽培スペシャリスト”を社内で任命、各産地の栽培家と互いの知見やノウハウを共有し、よりよいブドウ作りに注力する。「日本ワイン全体を底上げしたい」という思いからだ。

画像: 「サントリー登美の丘ワイナリー」の展望テラスから甲府盆地を望む。山梨を代表するブドウ“甲州”など、さまざまな品種が育つ

「サントリー登美の丘ワイナリー」の展望テラスから甲府盆地を望む。山梨を代表するブドウ“甲州”など、さまざまな品種が育つ

「今、津軽でソーヴィニヨン・ブランを栽培していますが、このワインからはほのかにリンゴの香りがするのです」。それぞれの土地から醸し出される個性は、大きな魅力だと語る。「ワインは生活に潤いを与えてくれる飲み物だと思います。ワインには歴史があり、文化的な奥行きがある。それが会話の糸口となり、豊かなコミュニケーションが生まれます。一方で、ワインは難しいというイメージを変えていきたい。おおらかに、自由にワインを楽しんでいただける提案を、これからしていきたいと思っています」

画像: (左)「塩尻ワイナリー 岩垂原メルロ 2016」<750ml>¥8,800 長野の栽培農家と手を携えて造る。芳醇でまろやかな味 (右)「登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州 2019」<750ml>¥4,400 この地で生まれる逸品は、桃の香りが印象的な。清涼感に満ちた味わい ※ ともに参考価格/編集部調べ

(左)「塩尻ワイナリー 岩垂原メルロ 2016」<750ml>¥8,800
長野の栽培農家と手を携えて造る。芳醇でまろやかな味
(右)「登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州 2019」<750ml>¥4,400
この地で生まれる逸品は、桃の香りが印象的な。清涼感に満ちた味わい
※ ともに参考価格/編集部調べ

問い合わせ先
サントリー登美の丘ワイナリー
住所:山梨県甲斐市大垈(おおぬた)2786 
電話:0551(28)7311
公式サイト

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