大麦の優れた栄養価と健康効果は魅力的だが、料理家の有元葉子さんは「からだにいいから食べ続けなくては、と思うと長続きしにくいですね。おいしい食材のひとつとして、生活に自然に取り入れてほしい」。そこで、大麦を用いた"シンプルな調理法で絶品″レシピを2つ、教えてもらった
BY MIKA KITAKMURA PHOTOGRAPHS BY MANA LAURANT
あさりと大麦のスープ
低糖質で、βーグルカンをはじめとした食物繊維に富む大麦。有元さんは、小麦を粒で食べるイタリアの食文化をベースに、大麦のスープを提案してくれた。基本はあさりのスープとゆでた大麦。魚介と穀類を合わせた料理が多いイタリアでは黄金の組み合わせだとか。あさりを食べるというよりスープを味わう。このスープだけでも充分だが、キッチンにある野菜を足せば、さらに豊かな一品となる。
<材料 4人分>
あさり 30個くらい
にんにく 2片
水 31/2カップ
大麦 1/3〜1/2カップ
塩 少量
トマト 大1個
イタリアンパセリ 適量
<作り方>
大麦粉でサクサク、野菜のかき揚げ
大麦は粒のみならず、挽いた大麦粉を日々の調理に取り入れてみるのもおすすめだ。
「小麦粉と半々に混ぜ合わせて容器に入れ、日常使いの”粉”として用いるといいでしょう」。日々の料理に使う粉に大麦粉を加えた自家製ミックス粉を常備しておけば、大麦の優れた栄養価を、手軽に体に取り入れることができる。魚介や野菜のフリット、天ぷらの衣、フライドチキンなどの揚げものをはじめ、ニョッキ、たこ焼き‥‥。さまざまなメニューに大活躍だ。大麦はグルテンをほとんど含まないので、パンを焼くには、この自家製ミックス粉に強力粉を加えるとよい。
有元さんのおすすめは大麦粉を用いた野菜のかき揚げだ。「冷蔵庫にある野菜ならなんでもいいのよ」。野菜に粉をまぶして水を加え、野菜同士がまとまればOK。衣を作らず、野菜を粉と水でまとめるだけの気軽な揚げものだが、さっくり揚がって、ほっくりと美味。
大麦粉には、「うるち性」と「もち性」がありる。もち性は粘性があるため、揚げ物にはうるち性の大麦粉がおすすめ。独特のカリカリ感が楽しめる。
<材料 4人分>
野菜(手元にある野菜でよい。写真は、春菊、椎茸、かぼちゃ、人参、れんこん) 各適量
ミックス粉(大麦粉と小麦粉半々の割合) 適量
水 適量
揚げ油 適量
<作り方>
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