料理やお酒を家で楽しむことが、より一層求められている昨今。季節の野菜が持つ本来の美味しさを引き出すことを知り尽くしている料理家・平野由希子さんが、季節ごとの旬の野菜で作る魅惑のお料理と、相性のよいお酒のペアリングを、時代のトレンドに合わせた視点で提案

BY T JAPAN, FOOD COORDINATION BY YUKIKO HIRANO

春におすすめのレシピ

【1】 熟成じゃがいものレシピ × アルザスのクラフトビール

 最近目にすることが増えてきた熟成じゃがいも。「熟成の期間は数か月から2年ものなどさまざま。春は新じゃがの季節ですが、越冬して甘くなった熟成じゃがいもの季節でもあります。品質や貯蔵技術の向上によって農業も変わってきているんだなと感じます」(平野さん)

■熟成じゃがいものアンチョビ焼き
 アンチョビの絶妙な塩味とにんにくの香りが漂い、お酒のおつまみとしてはもちろん、スナックや軽食としても手が止まらない美味しさ。じゃがいもはどんな品種でもOKだが、2〜3種類取り合わせるのがおすすめ。ここでは、はるか、北あかり、アンデスレッドを使用。

画像: 「にんにく、アンチョビ、オリーブオイルで皮付きのじゃがいもをオーブンで焼き上げます。調理の最後に加えるワインビネガーの酸味が、味を引き締め、うまみを深めてくれます」(平野さん)

「にんにく、アンチョビ、オリーブオイルで皮付きのじゃがいもをオーブンで焼き上げます。調理の最後に加えるワインビネガーの酸味が、味を引き締め、うまみを深めてくれます」(平野さん)

<材料2〜3人分>
じゃがいも600g、にんにく1かけ、アンチョビ3枚、オリーブオイル大さじ2、イタリアンパセリ3〜4茎、ワインビネガー大さじ1、塩、黒こしょう

<作り方>
 じゃがいもはたわしでよく洗い、皮付きのまま切る。小さいものは半割りに、大きいものは4等分に切る。にんにく、アンチョビ、パセリは粗みじん切りにする。
 ボウルにオリーブオイル、にんにく、アンチョビ、塩少々を加え混ぜる。そこにじゃがいもを加えて和える。
 耐熱皿に2のじゃがいもを並べて200度のオーブンで約40分全体に焼く。途中で取り出して上下を返す。
 こんがりとした焼き色がついたらワインビネガーを回しかけ、パセリを加え混ぜ、2〜3分焼く。仕上げに塩少々をふり、黒こしょうを挽く。

画像: たくさんの品種があるじゃがいも。それぞれの品種に合った貯蔵・熟成を施すことにより、奥深い甘みやじゃがいも本来のうまみが引き出される。熟成じゃがいもに定評のある北海道の村上農場では、こだわりの農法で栽培された数々の熟成じゃがいもをオンラインで購入できる。公式サイトはこちら

たくさんの品種があるじゃがいも。それぞれの品種に合った貯蔵・熟成を施すことにより、奥深い甘みやじゃがいも本来のうまみが引き出される。熟成じゃがいもに定評のある北海道の村上農場では、こだわりの農法で栽培された数々の熟成じゃがいもをオンラインで購入できる。公式サイトはこちら

■ベックオフ
 玉ねぎの甘みと羊&豚肉の旨味、白ワインがじんわり浸みこんだ、いつもの肉じゃがとは一味違う洒落た煮込み料理。長時間火を通すので、じゃがいもは煮崩れしにくくねっとりとした食べ応えのあるメークインがおすすめ。

画像: 「こちらはフランス風の肉じゃが。羊、牛、豚の3種の肉とじゃがいも、玉ねぎを白ワインでひと晩マリネして作るのが一般的ですが、今回は羊と豚肉に絞り、マリネもせずに白ワインを注いで鍋ひとつで手軽に仕上げます。羊肉と一緒に煮込むことにより、ビールやワインを誘う味わいの料理に」(平野さん)

「こちらはフランス風の肉じゃが。羊、牛、豚の3種の肉とじゃがいも、玉ねぎを白ワインでひと晩マリネして作るのが一般的ですが、今回は羊と豚肉に絞り、マリネもせずに白ワインを注いで鍋ひとつで手軽に仕上げます。羊肉と一緒に煮込むことにより、ビールやワインを誘う味わいの料理に」(平野さん)

<材料4人分>
じゃがいも(メークイン)600g (大4個)、玉ねぎ1個、にんじん1本、にんにく1かけ、豚バラ固まり肉300g、ラムチョップ4本(300g)、白ワイン200ml、水200ml、ローリエ1枚、タイム2〜3枝 塩、こしょう

<作り方>
 豚肉は4等分にし、塩小さじ1、こしょうをしておく。ラムチョップにも塩小さじ1、こしょうをする。ひと晩置く。
 じゃがいもは2㎝幅、玉ねぎは半分に切り、さらに1㎝幅に、にんじんは1㎝幅の輪切りにする。にんにくは芽をとってつぶす。
 鍋に玉ねぎ、じゃがいも、にんじんの半量、にんにくを入れ、その上に豚肉とラムチョップをのせる。残りの野菜、ローリエ、タイムをのせる。
 白ワインを注ぎ、中火にかけ、煮立ったら水を加える。
 ふたをして180度のオーブンで1時間半煮込む。直火で煮る場合には1時間10分〜1時間半煮る。

画像: こちらは火を通す前の状態。野菜→肉類→野菜の順番で入れ、厚手の鍋で密閉して長時間かけて加熱することで、お肉が口の中でほろほろと溶けるような柔らかさに仕上がる PHOTOGRAPHS:COURTESY OF YUKIKO HIRANO

こちらは火を通す前の状態。野菜→肉類→野菜の順番で入れ、厚手の鍋で密閉して長時間かけて加熱することで、お肉が口の中でほろほろと溶けるような柔らかさに仕上がる
PHOTOGRAPHS:COURTESY OF YUKIKO HIRANO

■おすすめのお酒:アルザスのクラフトビール
「今回はアルザスのクラフトビールを。アルザスのワインなどももちろん合いますが、こっくりとして塩気が効いた熱々のじゃがいも料理にビールは最高ですね」と平野さん。フランス東部、ライン川をはさんでドイツとの国境にあるアルザス地方は、フランスのビール産業の中心地。フランスで飲まれているビールはその約7割がアルザス産だそう。「爽やかで風味のあるクラフトビールならば、喉ごしがよくすっきりするだけでなく、じゃがいも料理がより引き立つように感じます。最近はオーガニックの原材料を使用しているものも増えてきています」

【2】うすい豆のレシピ × ロワールの白ワイン

 うすい豆は「うすいえんどう」とも呼ばれ、グリーンピースを品種改良してできたもの。春から初夏にかけてが旬で、和歌山県の特産品として関西地方を中心によく食べられている。「中部、関東地方などでもうすいえんどうの人気は高まってきているようです。春の短い間しかいただけない贅沢な食材ですね。グリーンピースでも同様に作れますが、豆は産地によって味わいがそれぞれ。豆そのものの旨味を生かしたレシピで、存分に味わってみてください」(平野さん)

画像: えんどう豆の中でも、さやを取って実を食べる「実えんどう」の一種。グリーンピースよりも皮が薄く、上品な甘味がある。軽やかで美しい緑色は、見た目にも春を感じさせてくれる

えんどう豆の中でも、さやを取って実を食べる「実えんどう」の一種。グリーンピースよりも皮が薄く、上品な甘味がある。軽やかで美しい緑色は、見た目にも春を感じさせてくれる

■焼きうすい豆
 皮つきのまま、網や魚焼きグリルでそのまま焼くだけという手軽さも嬉しい一品。まずは何もつけずに、豆の甘味とホクホク感を味わって。さらに塩を添えるとより甘味が増し、ペコリーノチーズを合わせると手が止まらない贅沢なおつまみに。

画像: 「素材が持つ本来の味をそのままいただけるメニューです。焼き網の焦げも、香ばしいアクセントになります」(平野さん)

「素材が持つ本来の味をそのままいただけるメニューです。焼き網の焦げも、香ばしいアクセントになります」(平野さん)

<材料>
うすい豆、塩、ペコリーノチーズ 各適量

<作り方>
 魚焼きグリル、焼き網、オーブントースターなどで、うすい豆をさやに焼き色がつくまで焼く。
 塩、ペコリーノチーズを添えていただく。

■うすい豆のリゾット
 うすい豆のさやを茹でて出汁をとり、その出汁を使って炊くリゾット。固形スープなどを使わず、やさしい味わいがしみわたる。パンチェッタの塩分が絶妙に効いて、つい何杯でも食べてしまいそう!

画像: 「うすい豆のホクホクとした食感と合うように、通常のリゾットよりも水分を少し多めにしています」(平野さん)

「うすい豆のホクホクとした食感と合うように、通常のリゾットよりも水分を少し多めにしています」(平野さん)

<材料2〜3人分>
米1合、パンチェッタまたはベーコン60g、うすい豆(さやから取り出して)120g、玉ねぎ50g、白ワイン大さじ3、オリーブ油大さじ2、バター大さじ1〜2、パルミジャーノチーズ大さじ4、塩、こしょう
A [ローリエ 1枚、タイム2〜3枝、玉ねぎの皮1個分]

<作り方>
 うすい豆はさやから取り出す。水4カップにうすい豆のさや、Aを入れて中火にかける。10分煮て出汁をとり、塩を加える。
 パンチェッタは1cm幅、玉ねぎはみじん切りにする。
 1の出汁でうすい豆の1/3量を2分ゆでて取り出す。出汁適量を加えてハンドブレンダーにかけるか、フォークなどで潰しておく。
 鍋にオリーブ油を入れて熱し、玉ねぎ、パンチェッタを加えて炒める。玉ねぎがしんなりとしてきたら米を加えてすき通るまで炒め、白ワインを加え煮立てる。
 うすい豆、3の出汁の2/3を加えて12〜13分煮る。残りのスープを2〜3回に分けて加え、粘りが出ないように時々かきまぜる。アルデンテに炊き上がったら、スープを加えるのを止め、3のピュレを加え、仕上げにバターとパルミジャーノチーズを加え混ぜ、塩、こしょうで調味する。

※3の工程は省略することもできる。その場合は全量のうすい豆を5に加えて作る。

画像: うすい豆のさや、玉ねぎの皮、ローリエとタイムを加えて10分ほど茹でると、野菜のうまみたっぷりの出汁のできあがり PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

うすい豆のさや、玉ねぎの皮、ローリエとタイムを加えて10分ほど茹でると、野菜のうまみたっぷりの出汁のできあがり
PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

■おすすめのお酒:ロワールの白ワイン
「繊細な風味のうすい豆には、ナチュラルなロワールのソーヴィニヨンブランを。野菜の料理には自然派のワインが染み込んでいくように、細胞レベルでおいしさを感じます。今回セレクトした作り手はノエラ・モランタン。ピュアで透明感のある味わいが、うすい豆のおいしさをふわっと包んでくれるようです」(平野さん)

【3】ホワイトアスパラガスのレシピ × オーストリアのヴァイスブルグンダー

 最近は日本でも栽培量が増えて佐賀などから北海道まで広く生産され、生のホワイトアスパラガスが手軽に入手できるようになってきた。今回は、ちょっと特別なフランス産を取り寄せて使用。「フランス産は味の濃さが圧倒的です。もちろん日本産のものもとても美味しいので、季節のごちそうとしてぜひ楽しんでみてください」(平野さん)

画像: ホワイトアスパラガスは、太いものほど柔らかく極上品とされている

ホワイトアスパラガスは、太いものほど柔らかく極上品とされている

■ホワイトアスパラガスのからすみ目玉焼きのせ
 ゆでたアスパラガスに、たっぷりのバターで焼いた目玉焼きをのせ、からすみをたっぷりかけていただく簡単ながらとっても贅沢なひと皿。まずは驚くほどのジューシーさに感動し、その後に苦味と甘みがじんわりと広がっていく。卵の黄身とからすみが絡みあい、なんとも言えない複雑な美味しさがクセになりそう。

画像: 「ドイツ、オーストリアなどでは、アスパラガスはお肉やお魚と同じメイン料理の扱い。それくらい“主役感”のある味わいです。好みにもよりますが、少し柔らかめに仕上げるのがおすすめ」(平野さん)

「ドイツ、オーストリアなどでは、アスパラガスはお肉やお魚と同じメイン料理の扱い。それくらい“主役感”のある味わいです。好みにもよりますが、少し柔らかめに仕上げるのがおすすめ」(平野さん)

<材料2人分>
ホワイトアスパラガス4〜6本、卵2個、バター大さじ3、からすみパウダー大さじ4、塩 

<作り方>
 ホワイトアスパラは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
 フライパンに水、1の根元と皮、水1リットルに対して1%の塩を加えて火にかける。沸騰したらアスパラガスを加えてゆでる。太さによるが8~10分が目安。すぐに食べない場合は、そのままゆで汁に浸したままにして保存する。
 フライパンにバターを入れて熱し、溶けたところで卵を割り入れる。バターを白身のところにかけながら焼く。
 ゆでたアスパラガスを皿に並べ、3をバターごとのせ、からすみパウダーをふる。

画像: アスパラガスをゆでる時は、むいた皮と切り落とした根元も一緒に。皮をしっかりむいておくのが、繊維っぽさを残さないポイント。ゆで汁は極上のスープに!

アスパラガスをゆでる時は、むいた皮と切り落とした根元も一緒に。皮をしっかりむいておくのが、繊維っぽさを残さないポイント。ゆで汁は極上のスープに!

画像: アスパラガスの滋養がじっくり味わえるゆで汁は、塩で調味してスープとして飲んでもいいし、リゾットのブイヨンとしてなど様々な料理に使える

アスパラガスの滋養がじっくり味わえるゆで汁は、塩で調味してスープとして飲んでもいいし、リゾットのブイヨンとしてなど様々な料理に使える

■ホワイトアスパラガスの塩釜焼き
 小麦粉に塩を加えた生地でアスパラガスを包んで、オーブンで蒸し焼きに。その香りは格別で、さらにアスパラガス本来の美味しさも凝縮されている。苦味の後にほんのりとした甘みが続き、繊維までもが美味しく感じられるほど!

画像: 「ぜひ、食卓の上で生地をぱかっと開いて、香りを楽しんでください。ソースもバターもいらない、お腹も心も満たされるような至福感のある美味しさ。ホワイトアスパラガスは野菜の中でも特別な存在です」(平野さん)

「ぜひ、食卓の上で生地をぱかっと開いて、香りを楽しんでください。ソースもバターもいらない、お腹も心も満たされるような至福感のある美味しさ。ホワイトアスパラガスは野菜の中でも特別な存在です」(平野さん)

<材料2〜3人分>
ホワイトアスパラガス6本、薄力粉150g、塩20g、水80〜90cc

<作り方>
1 ボウルに薄力粉、塩を入れ、水を加えて練る。混ざったら、台の上でこねてひとまとめにする。ボウルに戻し、乾かないようにして30分ほど休ませておく。
2 ホワイトアスパラガスは根元の硬いところを切り落とし、穂先の下から皮を厚めにむく。
3 1の生地を長方形にのばす。
4 アスパラガスを生地の左右どちらかの片側に乗せ、生地を半分に折りたたむようにしてアスパラガスの上にかぶせ、空気を抜きながら生地を閉じる。オーブンシートを敷いた天板に置く。
5 200度に予熱したオーブンで20分焼く。アスパラガスが太い場合は少し長めに焼く。
6 生地が焼けたら周りから包丁を入れて生地を外し、アスパラガスを取り出す。

■おすすめのお酒:オーストリアのヴァイスブルグンダー

画像1: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

「ヴァイスブルグンダー」とは、「ピノブラン」(白ワイン用ぶどうの品種)のこと。「ホワイトアスパラガスの独特の風味を引き立てる、優しい酸味と心地よい苦味を持つ白ワインを合わせました。今回セレクトしたのは、オーストリアの若い女性2人組が作り手の『レナーシスタ』。複雑なアスパラガスの味わいに寄り添ってくれる、自然派のワインです」(平野さん)

夏におすすめのレシピ

【1】トマトのレシピ × 辛口のランブルスコ

 一年を通して手に入るトマトは、もともとはアンデス地方が原産で高温多湿の気候には向いていないとされていたが、現在は品種改良が進み、どの季節でも美味しいものが出回っている。加熱することと、オリーブオイルを合わせることで、トマトに含まれる抗酸化作用をもつリコピンの吸収率が、生で食べるよりもグンと高まる。

画像: 「今回のレシピは大玉トマト、ミディトマト、フルーツトマトなど、手に入るものでOKです。何種類かまとめて焼いて、味わいの違いを楽しんでもいいですね」(平野さん)

「今回のレシピは大玉トマト、ミディトマト、フルーツトマトなど、手に入るものでOKです。何種類かまとめて焼いて、味わいの違いを楽しんでもいいですね」(平野さん)

■作り置きができる万能の「焼きトマト」
 トマトを焼くことで、水分が飛んで旨味と甘みが凝縮され、しかもリコピンの吸収率もアップ。作り置きしておけば、このあと紹介する「トマト&ブラータ」「トマトのブルスケッタ」もすぐに仕上げることができる。また、リゾットや、焼いた肉や魚のソースにも応用できる。

画像: そのままいただくと、水分を多めに含んだドライフルーツのような絶妙な味わい。冷蔵庫で3〜4日保存できる

そのままいただくと、水分を多めに含んだドライフルーツのような絶妙な味わい。冷蔵庫で3〜4日保存できる

<材料>
トマト、フルーツトマトなど 適量

<作り方>
 トマトはヘタを切り、半割りにして、150度のオーブンで50〜1時間焼く。
 冷蔵庫で冷たくしておく。

■トマト&ブラータ
「焼きトマト」にブラータチーズを盛り合わせて調味料をかけるだけ。プルンとしたフルーツのような口あたりのトマトと濃厚なブラータが溶け合った、夏らしさいっぱいのみずみずしいアンティパスト。

画像: ジューシーなトマトの甘みがクリーミーなブラータと相まって、まるでデザートのような幸せな味わいに

ジューシーなトマトの甘みがクリーミーなブラータと相まって、まるでデザートのような幸せな味わいに

<材料2〜3人分>
焼きトマト3個分、ブラータ1個
A[オリーブオイル大さじ1、バルサミコ酢大さじ1、塩・こしょう各少々]

<作り方>
 皿にトマトを並べ、ブラータと盛り合わせる。
 Aを混ぜ合わせたものを回しかける。

 焼きトマトの旨味をバジルが引き立て、さらにパンに塗ったニンニクの香りが広がって奥深い味わいに。パンはカリッと焼くのが美味しく仕上げるコツ。そこにトマトの汁とオリーブオイルが染みわたり、“カリカリ”と“ジンワリ”の食感の組み合わせを楽しんで。

画像: 真っ赤なトマトにバジルのグリーンが映える鮮やかな一皿は、これからの季節にぴったり

真っ赤なトマトにバジルのグリーンが映える鮮やかな一皿は、これからの季節にぴったり

<材料2人分>
レシピ1の焼きトマト2個分、オリーブオイル大さじ2、塩・こしょう各少々、バジル適量、パン(バゲットなど)4枚分、ニンニク適宜

<作り方>
 焼きトマトをざく切りにしてオリーブオイル、塩、こしょうで和えておく。
 パンはトースターでカリッと焼き、熱いうちにニンニクの切り口をしっかりとこすりつける。
 1にバジルをちぎって加え、2の上に汁ごとたっぷりとのせる。

■おすすめのお酒:辛口のランブルスコ

画像2: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

 ランブルスコはイタリアのエミリア・ロマーニャ州で作られているスパークリングワイン。「真っ赤なトマト料理とランブルスコは、ハッピーな組み合わせですね。甘口タイプが多いのですが、トマト料理には辛口がおすすめ。写真の『コイ ディ フラヴィオ レスターニ』のランブルスコは、樹齢50年を超えるブドウから作られたもの。きめ細かく豊かな味わいは、濃厚なトマトやバルサミコの味を引き立ててくれます」(平野さん)

【2】水茄子のレシピ × ZAGO procecco on the less(ザーゴ プロセッコ オン ザ レス)

 世界中で1,000種類以上あると言われる茄子だが、たっぷりとした水分をたたえ、果物を思わせる甘味のある水茄子は、世界に誇れる茄子の王様だ。「水茄子と言えば、まず思い浮かぶのは糠漬け。水茄子を手で引き割きながらお酒を飲むのは、夏ならではの愉しみです。そしてぜひ試してもらいたいのが揚げ物。揚げ茄子の美味しさは日本人なら誰もが知るところですが、水茄子で作ってみれば別次元の料理に。カリカリの衣に包まれたとろとろの身からは、茄子の汁が滴り落ちる。熱々をほおばり、火傷しそうになりながら、冷たいプロセッコで口の中を冷やす──これぞ、夏の至福のひとときです」(平野さん)

画像: イタリア産スパークリングワインの一種であるプロセッコが、みずみずしいフルーツのような水茄子の美味しさを一層際立たせてくれる

イタリア産スパークリングワインの一種であるプロセッコが、みずみずしいフルーツのような水茄子の美味しさを一層際立たせてくれる

■水茄子のフリット
 ひとくち噛んだときにジュワッと汁があふれるように、大ぶりに4等分に切るのがコツ。揚げたてのところに生ハムをのせて、脂が溶けてきたところをがぶりとやる。むいた皮は素揚げにし、セージも一緒にフリットに。水茄子1個でプロセッコが1本空いてしまいそう。

画像: 「オリーブオイルを加えた衣は、失敗なくカリッと揚げられます」(平野さん)

「オリーブオイルを加えた衣は、失敗なくカリッと揚げられます」(平野さん)

<材料2人分>
水茄子1個、薄力粉大さじ2、オリーブオイル大さじ1、水30〜40ml、セージ2枝、生ハム適量、揚げ油適量

<作り方>
 水茄子はへたを切り落とし、4等分にし、皮をむく。
 ボウルに薄力粉とオリーブオイルを加え混ぜてから、水を加えてさらに混ぜる。
 油を140〜150度に熱し、茄子の皮を入れて素揚げする。3〜4分かけてカリッとするまで揚げる。揚げ油を170度にあげ、水茄子、セージを衣にくぐらせて揚げる。衣が少し色づくくらいを目安に3〜5分かけて揚げる。
 生ハムと共に盛り合わせ、茄子に生ハムをのせていただく。

■水茄子のマスタード和え
 生の水茄子は、梨のような清涼感のあるほんのりとした甘さが味わえる。手で割いたら、やさしく塩揉みしてディジョンマスタードで和えれば、酸味の効いた辛子和えに。たっぷりのみょうがと青じそで、夏らしい香りとシャキッとした歯ごたえも加えよう。

画像: 「ディジョンマスタードは辛さを加えるのではなく、酸味を加える調味料。これで野菜を和えるだけで、ワインのための簡単浅漬けになります」(平野さん)

「ディジョンマスタードは辛さを加えるのではなく、酸味を加える調味料。これで野菜を和えるだけで、ワインのための簡単浅漬けになります」(平野さん)

<材料2人分>
水茄子1個、塩少々、ディジョンマスタード大さじ1、オリーブオイル大さじ1、醤油小さじ1、みょうが1個、青じそ5枚

<作り方>
 水茄子のヘタを切り落とし、包丁で切り目を入れて、食べやすい大きさに手で割く。みょうがは小口切り、青じそは千切りにする。
 水茄子を塩でもやさしく揉む。少し置いてしんなりとさせる。絞りすぎないように軽く水気を絞る。
 ディジョンマスタード、オリーブオイル、醤油で水茄子を和え、みょうが、青じそを加え混ぜ、器に盛る。

■おすすめのお酒:ZAGO procecco on the less(ザーゴ プロセッコ オン ザ レス)

画像3: PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF YUKIKO HIRANO

 プロシュートのお供としてもおなじみのプロセッコ。価格が手頃なのはいいが、品質はピンキリだ。「シャンパーニュ好きの私にとっては正直、触手の動かない泡なのですが、ZAGOは信頼を置いているプロセッコです。800年代の伝統的製法で自然酵母を使い、瓶内二次発酵。“オン ザ レス”とは澱引きをしていないという意味。発酵を継続させることにより、リンゴや梨のような豊かな風味が漂います。果物のような水茄子に合わせるのが、今年の夏のお気に入り」(平野さん)

【3】青パパイヤのレシピ × レヴァンテ・スピリッツ ジネプライオ ジン

 青パパイヤといえば、すぐに思い浮かぶのはタイのサラダ「ソムタム」で、エスニック料理用の輸入食材というイメージがあるが、近年、国産青パパイヤが増えているのはご存知だろうか。「青パパイヤは消化・代謝をアップして免疫力を高める酵素の含有量が野菜と果物の中で最も多く、『酵素の王様』とも呼ばれているスーパーフード。無農薬栽培が可能で、高いところに実がつくので獣害に晒される危険も少ない。そんな要因が重なり青パパイヤ栽培に乗り出す農家は各地で増え、日本の田園風景の中にパパイヤ畑が出現しているのだそう。そんな光景は、変わりゆく農業の象徴のよう。こうした背景をもつ作物は、消費者として応援をしていきたいですね。新しい野菜や果物は食卓に浸透するのがなかなか難しいけれど、青パパイヤは生でよし、煮ても炒めてもいい。エスニック料理でビールもいいけれど、今回はクラフトジンを合わせることで、青パパイヤの魅力に迫ります」(平野さん)

画像: 沖縄や鹿児島のほか、千葉、埼玉、茨城、高知、大分など日本各地で青パパイヤ栽培が盛んになっているという

沖縄や鹿児島のほか、千葉、埼玉、茨城、高知、大分など日本各地で青パパイヤ栽培が盛んになっているという

■青パパイヤときゅうり、ハムのサラダ
 青パパイヤのサラダに合わせるのは、コリアンダーやオレンジピールが香るトスカーナ産のスペシャルなオーガニックジン。「マヨネーズやタルタルソースにジンを加えるのは私のお気に入りの手法。今回は、あえてサラダはシンプルに作り、ジンが調味料の代わりとなるようなペアリングです」(平野さん)。一見ありふれた料理に見えるけれど、予想を裏切ることを約束しよう。これぞ、大人の野菜と酒の楽しみ方だ。

画像: エスニックにしがちな青パパイヤだが、ハムときゅうりを加えたシンプルなサラダに。そこにジンを合わせることで深みのあるハーブのような香りが広がり、真夏にぴったりの味わいが生まれる

エスニックにしがちな青パパイヤだが、ハムときゅうりを加えたシンプルなサラダに。そこにジンを合わせることで深みのあるハーブのような香りが広がり、真夏にぴったりの味わいが生まれる

<材料2〜3人分>
青パパイヤ1/2個、きゅうり1本、ロースハム3枚、マヨネーズ、ディジョンマスタード 各大さじ1

<作り方>
 青パパイヤは皮をむき、種を取り除き、スライサーで千切りにし、水に10分さらす。きゅうり、ハムも千切りにする。
 1をマヨネーズ、ディジョンマスタードで和える。

画像: 青パパイヤは水にさらすだけで、生で食べられる。独特の食感がサラダの中で存在感を放つ

青パパイヤは水にさらすだけで、生で食べられる。独特の食感がサラダの中で存在感を放つ

■青パパイヤと豚肉のナンプラー炒め
 弾力のある歯応えが魅力の青パパイヤを、相性のいい豚肉とナンプラーで炒めものに。生姜を効かせた味わいはご飯にもビールにも合うが、ジンとの組み合わせは最強。「ジンが口中をさっぱりさせてくれるとともに、ジンのもつボタニカルな風味が料理に奥行きを与えてくれます。一口食べては、ジンをくいっと飲み、エンドレスのループが始まります」(平野さん)

画像: 青パパイヤは冬瓜の調理法が応用できる。エスニック素材との相性もいいが、ハーブを組み合わせてイタリアンやフレンチにも

青パパイヤは冬瓜の調理法が応用できる。エスニック素材との相性もいいが、ハーブを組み合わせてイタリアンやフレンチにも

<材料2〜3人分>
青パパイヤ1/2個、豚バラ薄切り肉150g、長ねぎ1/2本、生姜1かけ、赤唐辛子1本、ごま油大さじ1、塩、こしょう各少々 A<ナンプラー大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1>

<作り方>
 青パパイヤは皮をむき、種を取り除き、厚さ5ミリ程度のいちょう切りにする。長ねぎは斜め1㎝幅、生姜は千切り、唐辛子は種を取って半分に切る。豚バラ肉は食べやすい大きさに切り、塩、こしょうをふる。
 フライパンにごま油、生姜、唐辛子を入れて熱し、豚肉を炒める。色が変わったら、青パパイヤ、長ねぎを入れて炒め、パパイヤが透き通ってきたら、<A>の調味料を入れて炒める

■おすすめのお酒:レヴァンテ・スピリッツ ジネプライオ ジン

画像: PHOTOGRAPHS:COURTESY OF YUKIKO HIRANO

PHOTOGRAPHS:COURTESY OF YUKIKO HIRANO

 世界的に続くジンブーム。このトスカーナ産のジンは、なんとアンフォラで6ヶ月熟成させている。「アンフォラとは、古代ローマ時代からワインの醸造・貯蔵に使われてきたテラコッタ製の壷のこと。これで熟成させることで、よりエレガントな仕上がりになっています。トスカーナ産の7種の植物(ジュニパー、コリアンダー、アンジェリカルート、スイートオレンジピール、カレープラント、レモンピール、ドッグローズの花弁)でつくられた100%オーガニックのお酒で、シトラスの余韻のある風味が特徴的です」(平野さん)

平野由希子
素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評のある料理家。書籍や雑誌、広告で活躍するかたわら飲食店のプロデュースや商品開発も手がける。日本ソムリエ協会認定ソムリエで、ワインバー「8huit.」のオーナーでもある。ワインと料理のペアリングが楽しめる料理教室も主宰。公式サイトはこちら

関連記事
>>平野由希子の「野菜とお酒」―幸福な大人の食卓― 一覧へ

T JAPAN LINE@友だち募集中!
おすすめ情報をお届け

友だち追加
 

LATEST

This article is a sponsored article by
''.