常に自然を見据えながらシャンパーニュ造りを行う「ルイ・ロデレール」。新たにメゾンの顔となった「COLLECTION243」の誕生秘話を最高醸造責任者に聞いた

BY KIMIKO ANZAI

 1776年の創業以来、そのエレガントなスタイルで多くのシャンパーニュ ラバーを魅了してきたのが「ルイ・ロデレール」だ。メゾンの設立以来家族経営を貫き、自然に寄り添った造りで”手仕事の芸術品”とも称されるシャンパーニュを生み出している。

画像: 畑をなにより大切にする「ルイ・ロデレール」では、今も昔ながらの馬耕栽培を行っている。トラクターなどが畑に入ると土が固くなってしまうが、馬が歩いた後は土もふんわりとして、生態系に影響を与えないのが理由

畑をなにより大切にする「ルイ・ロデレール」では、今も昔ながらの馬耕栽培を行っている。トラクターなどが畑に入ると土が固くなってしまうが、馬が歩いた後は土もふんわりとして、生態系に影響を与えないのが理由

 メゾンの特色は、何よりもブドウ畑を尊重していることだろう。買いブドウが多い大手メゾンとしては珍しく242ヘクタールの自社畑を所有、シャンパーニュ造りに使用するブドウの75%から80%を自社ブドウで賄っている。また、冷涼なシャンパーニュ地方ではオーガニック栽培やビオディナミ農法にはなかなか難しい状況が多いが、「ルイ・ロデレール」では自社畑の半分をオーガニックで栽培し、同社の最高級キュヴェ「クリスタル」に関しては、2012年よりビオディナミ農法で造るなど、数々の改革と挑戦を行ってきた。

 11月に登場する「ルイ・ロデレール COLLECTION 243」もメゾンの自然に対する思いが感じられるシャンパーニュだ。これは、長年、メゾンの顔として愛された「ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエ」に変わって、2020年に新たに「COLLECTION 241」として誕生したもの。2021年には「COLLECTION 242」が発売されており、これは新たなラインの3回目のリリースとなる。

画像: 醸造責任者兼副社長のジャン・バティスト・レカイヨン氏。シャンパーニュ地方でオーガニック栽培やビオディナミが難しかった時代に、いち早くメゾンにオーガニック栽培を提案、実現させた。広い視野と深い知識、穏やかな人間性から、シャンパーニュの生産者たちから尊敬される存在。自然を愛する気持ちが人一倍強く、休日も自然の中で過ごす。釣りが趣味

醸造責任者兼副社長のジャン・バティスト・レカイヨン氏。シャンパーニュ地方でオーガニック栽培やビオディナミが難しかった時代に、いち早くメゾンにオーガニック栽培を提案、実現させた。広い視野と深い知識、穏やかな人間性から、シャンパーニュの生産者たちから尊敬される存在。自然を愛する気持ちが人一倍強く、休日も自然の中で過ごす。釣りが趣味

 醸造責任者兼副社長のジャン・バティスト・レカイヨンは言う。

「長年愛されたキュヴェを刷新することは、大きな冒険でした。ですが、近年の気候変動を考えた時、私たちも自然に寄り添った新しいキュヴェを考えなくてはいけないことに気づいた。シャンパーニュ地方は冷涼ですが、地球温暖化によってブドウの熟度も上がっています。それを不利と捉えるのではなく、それぞれの年のブドウの個性を生かしつつ、新たなマルチ・ヴィンテージ(ノン・ヴィンテージ)のシャンパーニュを造れないかと考えました。メゾンのスタイルの表現から、テロワールの表現へ。私たちは、常に自然とともにあるメゾンでありたいと考え、大きく舵を切ることを決断したのです」。

 とはいえ、「COLLECTION 243」には透明感のある酸味が際立つエレガントな”ルイ・ロデレールらしさ”は健在。ちなみに、「243」は”創業以来、243回目のアサンブラージュ(ブレンド)”を意味する。

「『COLLECTION』は、単一年のブドウで造られる”ヴィンテージ”のように、その年の気候を語りつつも、リザーヴワインのふくよかさを加えた新たなマルチ・ヴィンテージと言えます。その年ごとの”自然の声”を楽しんでいただきたいのです」とレカイヨンは笑顔を見せる。

画像: 「ルイ・ロデレール COLLECTION 243」 シャルドネ42%、ピノ・ノワール40%、ムニエ18%。ジャスミンやミラベル、レモンタルトの香り。フレッシュで生き生きとした酸味と豊かなミネラル。果実の凝縮感も感じられる。魚介類はもちろん、茶碗蒸しやしゃぶしゃぶなどの肉料理にも。750ml ¥8,800(※価格は変更となる可能性があります)

「ルイ・ロデレール COLLECTION 243」
シャルドネ42%、ピノ・ノワール40%、ムニエ18%。ジャスミンやミラベル、レモンタルトの香り。フレッシュで生き生きとした酸味と豊かなミネラル。果実の凝縮感も感じられる。魚介類はもちろん、茶碗蒸しやしゃぶしゃぶなどの肉料理にも。750ml ¥8,800(※価格は変更となる可能性があります)

 また、注目したいのが「ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン 2015」だ。これはフランスのデザイナー、フィリップ・スタルクとのコラボレーションで生まれた、‟ドザージュ(加糖)ゼロ”のシャンパーニュで、完熟した素(す)のブドウのナチュラルな甘みが感じられるのが魅力。スタルクが大の「ルイ・ロデレール」ファンであったことから生まれたプロジェクトだというが、スタルク自身もアサンブラージュに参加しているという。

「スタルク氏はシャンパーニュの専門家ではないが、物ごとの本質を見る目に長けている。ナチュラルなテロワールの表現などに、彼の意見は貴重です」とレカイヨンは話す。

画像: 「ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン 2015」 シャルドネ46%、ピノ・ノワール37%、ムニエ17%。ドザージュ・ゼロの極辛口。レモンやオレンジ、バニラの香り。ピュアな酸味としなやかなミネラル感。キリリとした味わいながら、果実本来の甘みが感じられる。魚介類のほか、クリーム系の料理や和食などとも好相性。750ml ¥17,600(※価格は変更となる可能性があります) COURTESY OF LOUIS ROEDERER

「ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン 2015」
シャルドネ46%、ピノ・ノワール37%、ムニエ17%。ドザージュ・ゼロの極辛口。レモンやオレンジ、バニラの香り。ピュアな酸味としなやかなミネラル感。キリリとした味わいながら、果実本来の甘みが感じられる。魚介類のほか、クリーム系の料理や和食などとも好相性。750ml ¥17,600(※価格は変更となる可能性があります)

COURTESY OF LOUIS ROEDERER

「COLLECTION 243」も「ブリュット・ナチュール」も自然の変化を真摯に受け止めたシャンパーニュだ。味わいも、ともにスタイリッシュで優美。そのうえで、レカイヨンは「どうすればブドウを始めとする植物が心地よく育つ環境が作れるか」を常に考えている。

「私たちは常に自然とともにある。これからも気候変動には真摯に向き合い、自然を守りながら、‟今の自然"を映したシャンパーニュを造りたいと思います」。

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