TEXT & PHOTOGRAPHS BY MARI KATSURA
私の好きなほっとする味はさまざまだが、最近巡り合い、しみじみおいしかったのがこちらの三軒のお料理。ときには贅沢して味わいたい、養生といえばのうなぎ、緑に囲まれていただく魯肉飯と薬膳スープ、そして滋味あふれる手間暇かけた老火粥だ。
「奈良菊水楼 うな菊 ホテル椿山荘東京店」のうなぎ
ホテル椿山荘東京の美しい庭園に3月にオープンしたこの店は、130年の歴史ある奈良の料亭菊水楼の鰻専門店「うな菊」の東京店だ。しっかりと蒸してから炭火でタレ焼きした江戸前うなぎも、昆布酒を吹きかけながら焼き上げるという白焼きも格別な味わい。贅沢でテンションの上がるうなぎ鉄鍋まぶしなど、外国からやって来る友人たちにも自慢したくなる新しいアドレスだ。

「うなぎづくしコース」(夜限定)¥12,100

「あいのせ重」(お吸い物、香の物付)¥5,445

アラカルトの締めにシェアしたい「うなぎ鉄鍋まぶし」(夜限定・約3人前分)¥13,200

大きな窓から望む庭の景色

美しい庭園の中にたたずむ一軒家
奈良菊水楼 うな菊 ホテル椿山荘東京店
住所:東京都文京区関口2-10-8 ホテル椿山荘東京庭園内
営業時間:11:00~15:00(L.O.)17:00~21:00(L.O.)
定休日:無休
TEL. 050-3647-4317
公式サイトはこちら
「貯水葉」の魯肉飯定食
店内に飾られたコウモリランとも言われれるビカクシダの緑にも癒される、住宅街のセンスのいい小さな店。盛りもビジュアルも非の打ちどころのない魯肉飯定食は、付け合わせがまたいい。白木耳と枸杞の実の薬膳スープもまた、瞬時に台湾に連れて行ってくれる漢方具合で惚れ惚れ、余韻に浸れる。中国茶と豆花やかき氷が楽しめるお茶時間にも行ってみたい!テイクアウトもでき、ビカクシダの園芸ワークショップにも興味津々。

器もインテリアも全部すてき。魯肉飯定食¥1,200

緑滴る美しい店だ

カウンターとテーブル席があり、ひとりでも入りやすい
貯水葉
住所:東京都墨田区向島4-5-7金子ビル
営業時間:11:00~17:00
定休日:水木
TEL. 03(3350)0777
公式サイトはこちら
「漫莉キッチン」の老火粥
創作広東料理が自慢のこちらは、本場広東の粥、「老火粥」が白眉のすこぶる美味しいコージーな店。2日間ほど時間をかけて作る粥が五臓六腑に染み渡る。塩漬け鱈の貴妃粥、銀杏粥、干したムール貝の粥はどれも想像を超える優しい旨味が広がり、店主の母の味を伝える餃子や大根餅、炒飯などどれも美味。ここでしか出会えない、ほっとする味だ。夜は紹興酒や店主おすすめのワインなどのお酒と。

干したムール貝のお粥、ランチセットで¥1,000。ぷっくりとした餃子も美味しい! 単品餃子¥770
漫莉キッチン
住所:東京都中央区銀座1-24-5
営業時間:11:30~14:30 、17:30~22:00(火~土)、11:00~21:00(日)
定休日:月 (祝日・不定休)
TEL:080-3242-9868
公式インスタグラムはこちら
桂まり
雑誌「SPUR」「eclat」などで、フード&トラベル、インタビュー記事を担当するライター。趣味は世界各国で料理教室に行くこと。温泉保養士。Instagramはこちら