RECIPE BY KEIKO NAGAE, PHOTOGRAPHS BY MANA LAURENT, TEXT BY MIKA KITAMURA
![画像: 「パルフェ・グラッセ・ア・ラ・ヴァニーユ」。型で冷やし固めて切るだけ。「雲の上にいるような感じに」と長江さんの盛り付けはシンプルで優雅](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/fdc9dd99ceb1b43ac41ecce3748c93732520ddac_large.jpg#lz:xlarge)
「パルフェ・グラッセ・ア・ラ・ヴァニーユ」。型で冷やし固めて切るだけ。「雲の上にいるような感じに」と長江さんの盛り付けはシンプルで優雅
お菓子を作るにもオーブンを使いたくない日が続くこの頃。夏の冷菓として、グラニテ、バニラアイスクリームとご紹介してきたが、今回は生クリームを使った贅沢な味わいの「パルフェ・グラッセ・ア・ラ・ヴァニーユ」の作り方を習う。
「本来は、シロップを沸かして卵黄と合わせたパータ・ボンブを使いますが、砂糖の量をぎりぎりまで減らしているので、湯煎しながら卵黄と砂糖、牛乳に火を通すことができます」と長江さん。
湯煎にかけたアパレイユ(卵液)を、熱いうちに高速のハンドミキサーで一気に空気を含ませ、キメを整えながら常温にして、泡立てた生クリームを加えるのがコツ。
「パルフェ(parfait)」はフランス語で「完璧な」という意味。16世紀にカトリーヌ・ド・メディチによってフランスにもたらされた冷菓が、17〜18世紀に宮廷の貴婦人たちのお気に入りとなり、宮廷料理人が卵黄や生クリームなどを加えるレシピを編み出した。
冷たくてミルキー、味わいも口溶けもエレガントなデザート。そんな華麗なデザートが「parfait」と呼ばれたのは当然のことだろう。作り方は意外に簡単なので、ぜひトライしてほしい。
![画像1: パリのパティシエ
長江桂子さんにお菓子を習う
Vol.9 パルフェ・グラッセ・ア・ラ・ヴァニーユ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/372d853a558ba5a0f090fbdfae7d0b42bfd047a4_large.jpg#lz:xlarge)
材料
生クリーム 200g
バニラビーンズ 1/2本
牛乳 30g
卵黄 50g
グラニュー糖 30g
作り方
![画像1: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/fd0555035088f434e62e1348be67224dbdf2c10e_large.jpg#lz:xlarge)
1 バニラビーンズを縦に切ってタネを取り出し、生クリームに加える。まな板の上でしごいてもいいが、両手にバニラビーンズを持ち、ナイフで直接しごき入れると簡単。
![画像2: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/87f4cb6321fc807d954e258be80d30bd7a25125d_large.jpg#lz:xlarge)
2 1をハンドミキサーで6〜7分立てに泡立てる。ラップをかけ、冷蔵庫で保管する。
![画像3: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/4c992d26ac44dcb08579d733e0f2c990106ece6a_large.jpg#lz:xlarge)
3 ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器でもったりするまでしっかり混ぜる。温めた牛乳を加えて混ぜる。
![画像4: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/0c8a6e0de8eff5b90a524df933e7a9c29d3ac318_large.jpg#lz:xlarge)
4 3を湯煎にかけて、卵黄に火を通す。
![画像5: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/21b7c2178eeb95add3a71f27a60f198c351d9c87_large.jpg#lz:xlarge)
5 白っぽくなり、もったりするまで泡立てるように混ぜ続ける。ヘラの卵液を指でこすり、跡がついたらOK。
![画像6: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/fddde2d1a3718b7118684f193a8bc53feb76c00f_large.jpg#lz:xlarge)
6 湯煎から5をおろし、ハンドミキサーを高速にして2〜3分間泡立て、一気に空気を含ませる。ミキサーの羽の周りに筋が見えて、白っぽくなるまで泡立てる。
![画像7: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/3b44dbd3b72ef77e6a576dc109c3d436dc643cc5_large.jpg#lz:xlarge)
7 ハンドミキサーを中速に落とし、ヘラで周りのクリームをきれいに落としながら、さらに泡のキメを整え、室温になるまで泡立てる。持ち上げてトローッと落ちてくるくらいが目安。ここで温度が高いままだと、ホイップした生クリームの泡が溶けてしまうので、室温に落とすことが大切。
![画像8: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/40677f4f7202aa033239aad6c8e228ebcdd0d47a_large.jpg#lz:xlarge)
8 2の生クリームを冷蔵庫から出し、泡立て器で軽く混ぜ合わせてキメを整える。1/3量を7に加えて泡立て器で混ぜ、残りも加える。気泡をつぶさないように泡立て器で混ぜ、ゴムベラに持ち替えて混ぜる。
![画像9: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/3f2ccad74d3eaf83418b753282b620df524cd243_large.jpg#lz:xlarge)
9 好みの型に流し入れ、ラップをかけて冷凍する。
![画像10: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/23cb693e9fb6ca5b43931259befdf724ce01d377_large.jpg#lz:xlarge)
10 パウンド型にワックスペーパーを敷き、冷やし固めたものを、ペーパーごと型からはずす。
![画像11: 作り方](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/e0903bf378fce8e80910504d04082deaade6ec5e_large.jpg#lz:xlarge)
11 好みの厚さ(写真は2cm強)に切り、器に盛る。包丁をお湯で軽く温めて切ると、くっつかずきれいに切れる。
仕上げのバリエーション
![画像1: 仕上げのバリエーション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/f5e2a91e47e081826b6bdd9290c2873babf00165_large.jpg#lz:xlarge)
パルフェ・グラッセは好みの型に流し込んだら、チョコレートコーティングし、泡立てた生クリームを絞ってポップに仕上げても。
![画像2: 仕上げのバリエーション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/9a91df2f306cfafe8250e7bc5b08c1c8f80d42ca_large.jpg#lz:xlarge)
9でプリン型におかずカップを入れて流し込んだものは、おかずカップをはずし、串をさす。
![画像3: 仕上げのバリエーション](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/08/24/cdbc6f715b3e0a71085afde7811fa1320edc87f7_large.jpg#lz:xlarge)
チョコレートコーティング*をして、串を抜き、好みのものを飾る。写真は、泡立てた生クリーム、チョコレート入りの泡立てた生クリーム、ナッツを飾った。
*好みのチョコレートを溶かすだけでよい。本格的に仕上げたければ、チョコレート100gを湯煎で溶かし、植物油(太白ごま油、グレープシードオイルなど香りのないもの)25gを加えてハンドブレンダーで攪拌し、しっかり乳化させてもOK。
長江桂子(ながえ・けいこ)
学習院大学を卒業後、ソルボンヌ大学に留学。ル・コルドン・ブルーでディプロマを取得。「ラデュレ」を経て、ロンドン「スケッチ」のオープニングスタッフに。2003年ヤニック・アレノ率いる「オテル・ムーリス」、2004年「オテル・ランカスター」シェフパティシエ、2008年パリ「ピエール・ガニェール」シェフパティシエを歴任。2012年、ガストロノミー界のコンサルティング会社「AROME」をフランスで設立。パリを拠点に、世界各地にて菓子ブランドや店舗の立ち上げ、商品開発、技術指導、監修などを手がける
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