華やかで軽快なシャンパーニュ「パイパー・エドシック」から新しいキュヴェが誕生した。
メゾンが大切にするピノ・ノワールを最大限に生かした逸品。その美しい味が生まれた背景とは?

BY KIMIKO ANZAI

画像: 醸造責任者のエミリアン・ブティヤ氏。シャンパーニュ生産者の一家に生まれる。モンペリエ農業大学で学位を取得。ニュージーランド、チリ、アメリカなどで経験を積み、ボルドー「シャトー・マルゴー」でも活躍。2018年より現職。今年7月に来日(2度目)、日本料理と「パイパー・エドシック」のマリアージュの大きな可能性を体験。「寿司やすき焼きとの相性は抜群です」

醸造責任者のエミリアン・ブティヤ氏。シャンパーニュ生産者の一家に生まれる。モンペリエ農業大学で学位を取得。ニュージーランド、チリ、アメリカなどで経験を積み、ボルドー「シャトー・マルゴー」でも活躍。2018年より現職。今年7月に来日(2度目)、日本料理と「パイパー・エドシック」のマリアージュの大きな可能性を体験。「寿司やすき焼きとの相性は抜群です」

 数あるシャンパーニュの中でも、フルーティー&フレッシュな味わいで、洗練されたスタイルが際立つのが「パイパー・エドシック」だ。豊かな果実味とピュアな酸味。エレガントでありながらもどこか軽やかで、その味わいは飲む人を瞬時に魅了する。

 メゾンの設立は1785年。当時、フランス宮廷ではさまざまな銘柄のシャンパーニュが飲まれており、百花繚乱の様を呈していた。そんな中、創業者のフローレンス=ルイ・エドシックはこの年の5月、王妃マリー・アントワネットに謁見する栄を与えられた。彼はこの時、自社の最高級ラインを献上したが、これが王妃のお気に入りとなったのだ。

画像: ランス市内に位置するメゾンのヘッドオフィス。モダン建築が目を引く

ランス市内に位置するメゾンのヘッドオフィス。モダン建築が目を引く

 また、「パイパー・エドシック」は映画と縁の深いシャンパーニュとしても知られる。カンヌ国際映画祭を公式サプライヤーとして17年の長きに渡って彩り、アカデミー賞授賞式でも用いられた。メゾンのテーマカラーである赤は、ベーシック・キュヴェの「パイパー・エドシック ブリュット」のラベルの色だが、これは、レッドカーペットからヒントを得たものだという。

 その華やかなイメージを支えているのが、伝統を重んじつつも常に革新を続けるというメゾンの哲学だ。70年代にはボトル内の澱を集める”ルミュアージュ(動瓶)”を機械化した「ジャイロパレット」をシャンパーニュ地方で初めて導入し、95年には醸造所を一新するなど、さらなる醸造のレベルアップを目指した。また、80年代には「エクストラ・ブリュット(極辛口)」を発表するなど、時代に応じて新しい試みを行ってきた。特筆すべきはいち早くサステナブルに取り組んできたことだろう。2015年以降、除草剤や化学肥料を一切使わず、自然に則った栽培を徹底し、現在では、すべての自社畑において「HVE3(環境価値重視認定最高レベル)」と「VDC(シャンパーニュ地方独自のサステナブル認定)」を取得した。畑には自然のまま下草が生え、テントウムシや蝶々など多くの生物が生息、ミツバチの巣箱も設置されるなど、自然体系を大切にしている。さらに、22年には社会的課題や環境問題などのあらゆる側面において高い基準を満たす企業に与えられる「B Corp認証」を取得している。

画像: 自社畑では生物生態系を重視し、自然に則った栽培を実践。2000年代初期にはブドウの調達エリアを拡大し、契約農家を増やした。農家とは互いに信頼で結ばれ、手を取りながら良質のブドウを栽培している

自社畑では生物生態系を重視し、自然に則った栽培を実践。2000年代初期にはブドウの調達エリアを拡大し、契約農家を増やした。農家とは互いに信頼で結ばれ、手を取りながら良質のブドウを栽培している

 そして、今年6月に満を持して誕生したのが、黒ブドウだけで造られた「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」だ。アプリコットやラズベリー、月桂樹など、果実やハーブの香りが実に豊か。芳醇ながらも「パイパー・エドシック」らしいスタイリッシュな味わいだ。
醸造責任者のエミリアン・ブティヤ氏は語る。

「2018年にシェフ・ド・カーヴに就任してから、ブランドのスタイルやメゾンの歴史の理解に努めてきました。そして、次世代のメゾンの在り方を考えた時、私たちには”ブラン・ド・ノワール”が必要だと気づいたのです。『パイパー・エドシック』の味わいの核をなすのは黒ブドウのピノ・ノワールです。これは私たちの誇りであり、”メゾンの財産”とも言える。この美しさを私たちらしく表現した特別なシャンパーニュを造りたいと思いました」。

ブティヤ氏は2019年にプロジェクトに着手、どこの畑の、どのピノ・ノワールを使うか、細やかにチューニングしていったという。ブレンド比率も数カ月をかけて熟慮した。そして出来上がったのが、ピノ・ノワールの華やかさと芳醇さが最大限に生かされた「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」だった。

画像: 「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」。ピノ・ノワール80%、ムニエ20%。ラズベリーやアプリコット、月桂樹など、果実やハープの複雑な香り。豊かな果実味の中にしなやかなミネラルとピュアな酸が溶け込んでいる。フレッシュな口当たりで、コクがありながらも軽やか。魚介類、肉料理、デザートと、オールマイティ。750ml ¥10,120

「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」。ピノ・ノワール80%、ムニエ20%。ラズベリーやアプリコット、月桂樹など、果実やハープの複雑な香り。豊かな果実味の中にしなやかなミネラルとピュアな酸が溶け込んでいる。フレッシュな口当たりで、コクがありながらも軽やか。魚介類、肉料理、デザートと、オールマイティ。750ml ¥10,120

 この新しいキュヴェは、メゾンにとっての新たなエポックともなった。今年6月には本拠地ランスでローンチが開かれた。世界6ケ国から33名のジャーナリストを招いて行われたが、それは、メゾンの新たな決意を感じさせるセレモニーだった。お披露目の場所は醸造所。いつもは無機質なステンレスタンクが赤い光にライトアップされ、近未来的な光景を演出している。醸造所内ではヴァイオリンやフルートなど10人の音楽家が演奏を始め、ハーモニーを奏でる。

画像: ゲストハウスにて行われたイブニングパーティーでは、世界のジャーナリストたちが交流

ゲストハウスにて行われたイブニングパーティーでは、世界のジャーナリストたちが交流

画像: 1995年にリニューアルされた醸造所が今回のローンチの舞台

1995年にリニューアルされた醸造所が今回のローンチの舞台

「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」にはシャンパーニュ地方全域から10のクリュ(区画)のブドウを使用しているというが、10人の音楽家は地区の数を意味するという。つまり、音楽はブドウたちのハーモニーそのものなのだ。醸造所での「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」は”まさしくここから生まれる”という誇りの証といえる。ブティヤ氏は言う。

画像: 醸造所にはあちらこちらに10人の音楽家が位置し、ハーモニーを奏でた。メゾンの実直な想いと誇りが感じられる PHOTOGRAPHS: COURTESY OF PIPER-HEIDSIECK

醸造所にはあちらこちらに10人の音楽家が位置し、ハーモニーを奏でた。メゾンの実直な想いと誇りが感じられる

PHOTOGRAPHS: COURTESY OF PIPER-HEIDSIECK

「ブラン・ド・ノワールには芳醇なイメージがありますが、『エッセンシエル ブラン・ド・ノワール』最大の魅力は、『パイパー・エドシック』ならではのフレッシュ感です。コクがありながらも軽やかで、何度でも杯を重ねたくなる。様々な料理と合わせて、また新たな幸福なシーンを作っていただけたら、私たちはこの上なく幸せです」。

問い合わせ先:日本リカー
TEL. 03-5643-9770

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