おいしいことはもちろん、そこで過ごすひとときは幸福に彩られることが約束されている場所。ベテランのフードジャーナリストが今、改めて考える"名店"をシーン別に厳選紹介する。第四回は、味味わいも雰囲気も愛さずにはいられない、横浜元町の「カフェドレント」を紹介する

BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPHS BY MASAHIRO GODA

真摯な姿勢がつくる味わいと心地よさに会いに行く「カフェ ド レント」

 横浜・元町のメインストリートから1 本入ったレンガの道沿いに、カフェ好きを惹きつけてやまない店がある。ある方から「自分の感性の軸を正すために訪れる特別な場所」と紹介されて以来、筆者にとっても特別な場に。
 店主の堀川学さんは、下北沢「チクテカフェ」で10年ほど働いたのち、ここに店を開いた。「シンプルを基本に『カフェ ド レントというスパイス』を効かせています」。インテリアは白と黒を基調に、遊び心のある照明とアンティーク家具を配し、心地よい空間に。メニューは品数を絞り、材料もレシピも吟味して丁寧に作り上げるものばかり。定番の「ニース風サラダ」は半熟卵とツナ、ホクホクのじゃがいも、シャキッとしたいんげんが爽やかな食べ心地だ。デザートのタルト類は生地に全粒粉を加えてよく焼き込み、カリッサクッと香ばしさが後を引く。真冬だけのビーフシチュー目あての近所のおばあさんが「まだ作らないの?」と扉を開けて尋ねてくることも。パンやデザート、飲み物1 品に至るまで、いっさい妥協はない。この味とレント(ゆるやか)な時間にハマる人続出。それも納得だ。

画像: 「バナナといちじくのタルト」。キャラメルをたっぷり使ったカリカリサクサクの大人味。奥は一番人気の「焼きいちごのタルト」。タルト類はドリンクとセットで¥1,610

「バナナといちじくのタルト」。キャラメルをたっぷり使ったカリカリサクサクの大人味。奥は一番人気の「焼きいちごのタルト」。タルト類はドリンクとセットで¥1,610

画像: 「ニース風サラダ」はパンとドリンクつきで¥2,470〜。真冬はビーフシチュー、真夏はラタトュイユが季節限定で登場

「ニース風サラダ」はパンとドリンクつきで¥2,470〜。真冬はビーフシチュー、真夏はラタトュイユが季節限定で登場

画像: フランスのアンティークの灯りとテーブル

フランスのアンティークの灯りとテーブル

画像: 店主の堀川学さん。国内外でカウボーイとして働いたのち、ホテルやカフェで経験を積み、2014年に「カフェ ド レント」をオープン

店主の堀川学さん。国内外でカウボーイとして働いたのち、ホテルやカフェで経験を積み、2014年に「カフェ ド レント」をオープン

カフェ ド レント
神奈川県横浜市中区元町5 の213
駒形ビル101
TEL.045-263-6063 
公式サイトはこちらから

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