BY MIKA KITAMURA, PHOTOGRAPHS BY MASAHIRO GODA
家族の記念日や親しい友との集いには、上品で華やかな「リストランテ濱﨑」へ
濵﨑龍一シェフは、90年代からのイタリアンブームを支えてきたスターシェフのひとりだ。青山に店を構えて21年たった昨年、原宿・東郷神社内に移転した。スタッフの笑顔と丁寧なサービス、穏やかな空気が流れる空間は変わらないが、新天地は庭の緑が窓いっぱいにあふれている。「料理の基本は食材」がモットー。その料理は、信頼できる生産者から届く食材へのオマージュに満ちている。郷土に根づいたイタリア料理を洗練の味に仕立て、レストランを愛する人たちを惹きつけてきた。
「大切にしているのは、変えないように変えていくこと。テイストは変えず、小さな積み重ねで質を上げていくんです」。常に今より上質なものを。だから食材探しは怠らない。食材や技法を変えることで、同じ料理を少しずつバージョンアップ。しかも、イタリアから帰国した息子の弘瑶さんが昨年から厨房に入り、料理に新しい風が吹き始めた。
常に手をかけて店内の美しさを保つのも濵﨑流もてなしの秘訣。エントランスで客を迎えるブラックチェリーの重厚な扉は、青山時代のものをリメイクした。イタリア製の家具は大切に手入れして使い続ける。器はヨーロッパの名陶に特注で絵付けしたもの。「濱﨑」の看板を掲げたからにはと、必ず厨房に立ち、客への挨拶は欠かさない。客はシェフの顔を見て安心し、料理を楽しみ、また来ようと誓う。一度訪れたゲストが家族連れで再訪したり、記念日に予約を入れたり。店と客がともにつくり出す温かい空気が空間を満たすのも名店の名店たる証しであろう。
![画像: 店の顔ともいえる「季節の素材を生かした前菜の盛り合わせ」。海老のフリット、カルボナーラ風フランとイカスミせんべい、白身魚の香草焼きサルサヴェルデなど](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/12/11/94f834542454b494a27ec90cd9bd1015d68f30b2_large.jpg#lz:xlarge)
店の顔ともいえる「季節の素材を生かした前菜の盛り合わせ」。海老のフリット、カルボナーラ風フランとイカスミせんべい、白身魚の香草焼きサルサヴェルデなど
![画像: サービスプレートは日本におけるポーセリンペインティングの第一人者、石井逸郎氏にオーダー。マイセンやジノリ、ロイヤル コペンハーゲンなどに季節の花々が描かれている。一枚一枚異なる絵柄で何度訪れても楽しい](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/12/11/87e11a8fd2916dccca620cdc6848cb95fe22c101_large.jpg#lz:xlarge)
サービスプレートは日本におけるポーセリンペインティングの第一人者、石井逸郎氏にオーダー。マイセンやジノリ、ロイヤル コペンハーゲンなどに季節の花々が描かれている。一枚一枚異なる絵柄で何度訪れても楽しい
![画像: 「北海道産チーズのラビオリ青菜とラグーソースとともに」。ポルチーニと山形県産マッシュルームとラグーにリコッタチーズを絞り入れたラビオリ。弘瑶さん作](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/12/11/2b44036118c64943e89ba7d6deddf6830dae42d5_large.jpg#lz:xlarge)
「北海道産チーズのラビオリ青菜とラグーソースとともに」。ポルチーニと山形県産マッシュルームとラグーにリコッタチーズを絞り入れたラビオリ。弘瑶さん作
![画像: ダイニングのほか個室も2室ある](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/12/11/edb56ebb51629b84c41cdfcf8a3bfbd9e9acec43_large.jpg#lz:xlarge)
ダイニングのほか個室も2室ある
![画像: 濵﨑龍一シェフ(右)と長男の弘瑶さん。お互いを尊敬し、強力なパートナーとして店を支える](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783302/rc/2023/12/11/61691f7c196e706d524e6bdeee46249f382291dc_large.jpg#lz:xlarge)
濵﨑龍一シェフ(右)と長男の弘瑶さん。お互いを尊敬し、強力なパートナーとして店を支える
リストランテ濱﨑
東京都渋谷区神宮前1-5-3 東郷記念館2階
TEL.03-5772-8520
ランチ¥7,000〜(サ別)、ディナー¥14,000〜(サ別)
公式サイトはこちらから
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